作品

概要

作者達磨
作品名お弁当
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-03-10 (土) 19:27:41

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

今日は彼が家に来ている。
私が貸した本を返しにわざわざ来てくれたのだが
時間帯は夜で、しかも彼は夕飯を食べていない、
とのことなので私が夕飯を作ることにした。

 

「あ、そうだ長門」
「なに」
「レトルトのカレーは勘弁してくれないか、
 昨日の夜もカレーを食ったからさ・・・
 本当の理由はカレー以外の料理も食ってみたいと思ったからなんだが」
「・・・・分かった」

 

迂闊、私にレトルト以外の料理は出来ない。
料理の仕方や、器具の扱い方は既知であるものの、
実際に使ってみたことは一度も無い。
・・・しかし彼の手前、料理をしているところは
見せておきたい。
自分が分かる範囲で必死に料理をしよう。

 

とりあえず、野菜炒めと目玉焼きと焼き魚、白米そして
味噌汁を作ることにする。
食材はあらかじめ冷蔵庫の中に豊富にあるので、
心配することは無かった。
また今日も私はレトルトカレーで済ませるつもりだったので、
米も既に炊いてある。

 

まずは、目玉焼きから作り始める。
とは言っても、油を引いて卵を割って焼けば終わりだ。
そんなに難しいことではないと思っていた・・・・が、
卵を綺麗に割ることが出来ず、その目玉焼きは歪な形になってしまった。
最初はこんなものだろう・・・と自分に言い聞かせる。

 

そして、野菜炒め。
これも目玉焼き同様簡単なもので、油を引き、切った野菜を入れ、
塩コショウで味付けをすれば終わりだ。
しかし・・・味付けはどのくらいすればいいのだろう。
少々と書いてはあったが、どの位だろうか。
とりあえずほんの一つまみ入れるだけにする。
・・・・・あまり味がしない野菜炒めになってしまった。

 

次に焼き魚。
これが一番難しそうだ。
特に包丁を使い、腸を出すところ。
しかしそれを乗り越えてしまえば、あとはキッチンにある
魚焼き用のオーブンに入れれば終了だ。
がんばれ長門有希・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・始めはこんなものだろう。
そう妥協して焼き始める。

 

そして味噌汁。
水を目いっぱい入れ、乾燥わかめを投入。
そしてある程度したら、味噌をとき、豆腐を入れる。
これは特に何の障害も無く出来た。

 

それらを食器に盛り、彼の前に出した。
味付けも満足に出来ていないので、
きっとまずいであろう。
彼もそう言うはずだ、そう思っていた。

 

「うん、美味いな」
・・・・え?
「やっぱり長門が作ってくれると美味いな」
まさか。彼は嘘を。
証拠に今焼き魚を食べている彼の表情は
まるで苦いものを食べているときのそれだ。
・・・私に気を遣って?
嬉しい・・・しかし・・・申し訳ない気持ちも
同時にある。
いつか、彼に、私が、作った料理を、食べさせてあげたい。
今より何段も美味しいものを作ってあげたい。
そのためには――

 

「ならば、明日から私はあなたにお弁当を作る」
「え」
「安心して、試食程度のものにするつもり」
「あぁ・・・まぁそれならいいぞ
 楽しみにしてるからな」

 

翌日の昼休み。
さて、今日から少し長門の手料理が食えることになったわけだ。
そのせいか少しウキウキ気味だ。
昨日の料理は・・・心から美味いと言えるレベルでは無かったが、
つい長門が作ってくれたという点が+に作用しすぎて、
美味いと言ってしまった。
しかし、そうやって人から褒められるというのは重要だろう。
たまには少しきついことも言わなきゃならないかもしれないが、
何たって対有機生命体(ryだから学習能力も速いはずだ。

 

部室では当然長門が待っていた。
大きな弁当と小さな弁当が一つずつ。
おそらく後者が俺が食べるものだろう。
俺が椅子に座ると、対面に座った長門は小さい方の弁当を
俺に差し出して
「食べて」
と小さく言った。
・・・その弁当はやっぱり昨日と同じような感じだったが、
それでも幸せなものだ。
味なんていつかは上達するものだから俺は気にしないぜ!
「なかなか美味しいぞ」
そうさり気なく言ったら、
「そう」
と素っ気無く返されたが、その表情の変化は俺にだけ分かるものだった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:19 (2729d)