作品

概要

作者G.F
作品名温泉ツーリング@城崎
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-02-21 (水) 21:42:32

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

設定参照
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私の住んでいる県は山口と並ぶ「日本海と瀬戸内海に面している」県。
だからもし青森から下関まで「本州をJRで縦断」するとしたら、太平洋側・日本海側どっちを行くにしてもこの県を通らなくてはいけない。
今日のツーリングの行き先は…そんな同じ県の日本海側にある温泉街・城崎。

 
 

私と夫、それからハルヒは待ち合わせ場所の喫茶店にヤマハのサイドカーとカワサキのレプリカで向かう。
その喫茶店は…SOS団の待ち合わせに使っていたあの喫茶店。
「やっぱり?あたしのと同じタイプだから…やってると思った」
既にみくるさんのカワサキのレプリカが止まっていた。
それを見たハルヒがにやりとする。
二人とも8耐なんかのレーシングマシンを意識しているらしく、マシンのゼッケンナンバーがみくるさんのは396。ハルヒのは861。
高校時代の自分を2等身にアレンジしたイラストが入っているという点も同じ。
違っている点はそのイラストが…ハルヒがセーラー服、みくるさんはメイド服…という点。
「…待ってましたぁ」
みくるさんだけが先にいた。
身体にぴったりと張り付いたライダースーツが…ハルヒとみくるさん、二人とも…悔しいけれどとてもセクシー。
因みに私と夫はおそろいのジーンズに白いTシャツ、デニムのジャンパー。
夫がいうには「ハルヒや朝比奈さんみたいなレプリカならともかく、大型・しかもサイドカーにはライダースーツおよびフルフェースは似合わない」そうだから…。
だから私たちのヘルメットは「オープンフェース」でしかも「水中眼鏡みたいなゴーグル」なのよね。
「古泉と涼子さんと…喜緑さんは?」
「まだ来てませんよぉ。あ…今日は鶴屋さんも同行するそうですよぉ」
…ということは自動車組は…ポルシェ・911ターボ、マツダ・AZ-オフロード、日産・スカイライン?
見ていると軽の四駆がバックで駐車場に入ってきたんだけど…運転席から出てきたのは江美里さんじゃなくて涼子。
…ってことは…涼子の車。つまりスズキ・ジムニーだ。
「ごめ〜ん。旦那は急用が出来て行けなくなっちゃった」
涼子が合掌している。
「急用って…?」
ハルヒが聞く。
「それが…縁起が悪いことで申し訳ないんだけど…夕べ、葬儀屋からうちに電話が来て…」
「…葬儀屋?」
「ええ…今日が本通夜で明日が告別式らしいの」
古泉君の職業は…私たちも式を挙げたプロテスタント教会の牧師さんだから…「機関の命令」を涼子がハルヒの手前「葬儀屋から電話が来て打ち合わせしている」ことにしているのか、それとも「本当のこと」なのか、どっちか判断しかねるところだ。
「よほど敬虔なクリスチャンの方なんですね、葬式を教会で…ってことは」
みくるさんが言った。
「なるほど…そういうことね」
ハルヒは納得しているようだ。
うん、うん…以前のハルヒより物分りがよくなっている。
そこへ江美里さんのAZ-オフロードが来たかと思うと鶴屋さんと江美里さんが出てきた。
鶴屋さんは江美里さんの車で行くつもりらしく、スカイラインは自宅に置いてきた様子。
「…ってことは…この中の誰かの台詞をパクったつもりじゃないが『ご一行中の野郎は俺一人だけだから』…ってことかよ」
ハルヒ、私、みくるさん、涼子、江美里さん、鶴屋さん…女6人に囲まれて…狼狽してしまう夫。
「何言ってるにょろ?キョン君…本当はめがっさ嬉しい癖に…このこのっ…」
鶴屋さんが夫に軽くヘッドロックを掛けた。
「さあ…どうする?逃げるなら今のうちよ、キョン君」
涼子が…ホットケーキを切り分けるのに使ったナイフを夫に突きつけて…ちょっと脅すような口調で言った。
因みに涼子はどういうわけか朝食だというのにホットケーキを食べている。
…ってワッフルを頼んだ私も人のことは言えたものじゃないけどね。
「それとも…大人しく付いて行く?」
江美里さんが…ワカメサラダを食べつつ、ワカメスープを飲みながら…にこやかに聞いた。
「ええ…行きますよ、行きますとも、行かなければ男が廃る」
夫がエスプレッソを飲みながら頷いた。
因みに保健室のエスプレッソと同じような香りがする…業務用と家庭用で違うとはいえ同じエスプレッソメーカーなのだろうか?
「そうね…それでこそ男…って奴よね」
ハルヒがクロックムッシュを食べながら頷いている。
因みに喫茶店の代金はいくらハルヒでもまさか昔みたいに「ここ、キョンのおごり」などと言い出すわけにも行かず、割り勘だった。

 
 

「古泉…」
途中のドライブイン。
夫がサイドカーのシートで携帯電話で古泉君に電話している。
「…涼子さんから聞いたんだが…本当なのか?」
相手の声はよく聞こえなかったけど「あ、そう」と夫は電話を切った。
「…どう?」
私はハルヒに聞こえないように夫に聞く。
「…どうやら本当らしい」
夫はハルヒに聞こえないように返事した。
それから夫は涼子に対し、これまたハルヒに聞こえないように…
「…涼子さん、疑ってすまなかった」
「え?…いいわよ。私がハルヒちゃんの手前…と思ったんでしょ?」
夫が「機関の用事か?」と疑ったであろうことは…涼子にもお見通しだったらしい。

 
 

城崎に到着した。
城崎といえば…すぐ思いつくのが志賀直哉の「城ノ崎にて」及び「暗夜航路」。
「因みに今の時期はカニはないが…さすがにそれはわかってるよな?ハルヒ」
「解ってるわよ」
夫に釘を刺されてハルヒは頷く。
これが昔のハルヒだったら…無理矢理にでもカニを探させていたかも知れない。

 

JR山陰線の城崎温泉駅前の「飲用泉」のところに立ち寄る。
「…しょっぱいですぅ」
みくるさんが一口飲んで言った。
「なんか…海水が…温かくなったような感じよね」
ハルヒも一口飲んで言った。
「…城崎温泉の泉質は『食塩泉』。だからしょっぱい」
「お、さすが有希っち、めがっさ詳しいねっっ」
鶴屋さんに褒められてしまった。悪い気はしない。

 

今日の泊まりは温泉旅館。
部屋割りは私たち夫婦、ハルヒとみくるさんと鶴屋さん、涼子と江美里さんになる。
江美里さんが「本当は旦那さんと一緒にいたかったんだろうけど…」と涼子にしきりに恐縮していた。
涼子が一人だけじゃ寂しいだろうから…と、夫が江美里さんに言ったらしい。
江美里さんは本当なら他の三人と一緒に寝るはずだったのだから。
夫が、一人が突然急用でキャンセルになったことを旅館の人に詫びると、旅館の人も恐縮していた。
露天風呂の他に家族風呂がある旅館だ。

 

家族風呂は…とりあえず私たち「二人」の「特権」よね。
…というわけで、夫と一緒に家族風呂に入ることにする。
さすがにいつもは一緒に入っているハルヒも今日ばかりは遠慮した…と、いうか、ハルヒは露天風呂のほうが良かったようだ。
それにしても女湯では今頃、何をしているのかな。
ハルヒが他の三人の視線など一切お構いなしでみくるさんの胸を揉んでいる様子が目に浮かぶ…うふ。
涼子も本当は古泉君と一緒にこっちに入りたかったんだろうけど…古泉君は宗教関係者の悲しさでドタキャンする羽目に…。
本当に…お葬式は急に入るから話にならないのよね。
…ごめんね古泉君、涼子…私たちだけがいい思いをして。
「あと…1ヶ月だな」
夫が湯船の中で私を抱く。
「…1ヶ月って?」
「俺とお前の…『本当の初めての出会いの日』まで…あと1ヶ月、ってことだよ」
そう。今年もやってくるあの日…七夕の日…まで、あと1ヶ月。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:03:11 (2713d)