作品

概要

作者G.F
作品名キョン家のお正月@近未来
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2007-01-01 (月) 19:33:00

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

設定参照 SS集/427 SS集/428 SS集/430

 

去年までのお正月ならともかく今年のお正月は違う。
去年の9月から新しく家族の一員となった県立北高の同級生で今でも職場の同僚である「一見したところ普通の人間にしか見えないが実は人間でいう『脳髄』に該当する器官以外の身体の99パーセントが機械の身である元・宇宙人」ともう1人、法律的に言えば家族になったわけではないがまあ彼女も家族の一員みたいなもんだろうな。やはり北高の同級生で職業が元・ホテル従業員という「押し掛け住み込みメイド」がいるからだ。

 

「キョンく〜んお年玉ちょうだ〜い」
お前な…高校生になったのに相変わらず「キョンく〜ん」はないだろ?
第一お前が家でも学校でもこの兄を「キョンく〜ん」と呼んでるから他の生徒の間でも「キョン先生」という変なあだ名が定着してしまったじゃないか。
頼むからこれ以上兄を困らせるようなことはしないでくれ。
兄としてもまたクラス担任としても恥ずかしいぞ。
そう。妹は今、俺が通っていた北高の生徒でどういうわけか俺の受け持ちクラスに在籍している。
因みに俺と長門…じゃなくて有希(しまった・つい迂闊にも旧姓のそれも苗字で呼んでしまった。妻よ許してくれ…)は母校・北高の教師を勤めていて担当科目は俺が国語、有希が養護・早い話が「保健室の先生」だ。だから事情を知らない人には「職場恋愛」だと思われているが実は「高校時代からの付き合い」となる。
大体がそうでもなけりゃ去年の4月に一緒に就職してから9月に結婚という「ゴールインまでわずか5ヶ月」というスピードになるわけがないからわかりそうなもんだが。
「くれないならいいよ〜、有希お義姉ちゃんにもらうから」
そういうと妹は有希のところへ行った。
「はいどうぞ」
有希はポチ袋を差し出した。有希はそもそも「一人っ子」だっただけに義妹にはもうめちゃめちゃ甘いんだな、あれが。
「あたしもあげるよ」
ハルヒもポチ袋を差し出した。
「わ〜い、ハルヒちゃんありがとう〜」
そういって廊下へ出た妹。だがすぐ顔面蒼白状態で戻ってきやがった。
「朝倉先生と…喜緑先生が来た…」
因みに朝倉は俺の受け持ちクラスの副担任。担当科目がよりによって妹の大の苦手の科目・数学なので妹も朝倉の顔なんか正月早々から見たくないだろう。喜緑さんの科目・化学も若干、苦手としているようだ。

 

「キョン君、正月早々…めんご!」
喜緑さんが俺に合掌している。
「実は去年の今、鶴屋さんと私とみくるちゃんの3人で賭けやってた」
「喜緑さん、『賭け』って?」
俺と有希とハルヒはきょとんとした。
「それが…『キョン君は涼子・ハルヒ・有希の誰を娶るか』という賭けらしいのよ」
朝倉は苦虫を噛み潰した表情になっている。
「どういうこと?それ…」
有希が聞いた。
「江美里さん、どうも私に賭けてたらしいの。私なんか有希の気持ちが真剣なのわかったから応援してやるつもりで早くから引いたっていうのにさ」
何ですか?そりゃ…俺は呆れた顔になった。
「そうだよね、そうだったよね…でも涼子は『万が一枠』ってことで」
頼みますよ、二人とも…生徒への示しがつかないじゃないですか。
「そうすると残り二人は誰に賭けたわけ?」
ハルヒが聞く。
「そうそう、そのことだけど…ハルヒちゃん」
「はい?」
「この後、みくるちゃんと鶴屋さんと古泉君が来ることになっているんだけど…この際みくるちゃんにしっかりお礼を言っておくことね」
お礼?何ですかそりゃ?俺と有希とハルヒと朝倉はきょとんとした表情になる。
「あのね、みくるちゃんはね、ハルヒちゃんのキョン君に対する気持ち、充分わかってたんだよ。だから少しでも応援してやるつもりでハルヒちゃんに賭けてたんだよ」
「みぐるちゅゎん…」
ハルヒの目が今にも泣き出しそうに潤んできた。
はい、これで有希に賭けたのはもう誰だかわかると思う。何しろ三引く二は一残るんだから。ヒントは「めがっさ」と言う人、だ。

 

鶴屋さんと朝比奈さんと古泉が俺の家へ集合したところで自動車に分乗して神社へ出かける。
因みに朝比奈さんは今、表向きは芸術科目の「書道」の教師で学校には週に2回しか来ない、いわゆる非常勤講師だ。「未来の調査機関」でも早くも自由に時間を行き来できる身分になったらしく、週に2回現代と未来との間を行き来しているようだ。

 

みんな揃って神社に参拝後、古泉が朝倉に声をかけた。
「朝倉さん。いや、涼子さんと呼ばせていただきます。涼子さん、僕のこのポルシェの右側に乗る人になってください」
「え?それ…どういう意味?」
朝倉はきょとんとしている。古泉の言葉の真意に気がついた俺は思わず駆け寄ってフォローした。
「朝倉…古泉のポルシェの運転席はどっちにある?右か、それとも左か」
「えっ?」
朝倉は古泉の顔とポルシェを見比べていたがそこでやっとそれが「古泉からのプロポーズ」だと気づいたらしく、朝倉の顔に朱が射した。
「ええ…喜んで」
朝倉、古泉、末永くお幸せに…あ、気をつけろよ古泉、朝倉のことだから…浮気したら刺されるかも知れないぞ!
その横で有希が俺の袖を引っ張って笑って言った。
「私たちにも、あんな時期があったね」

 

そうだよな…俺のプロポーズの言葉は確か去年、大学在学中。お前の住んでたマンションのあの部屋で…
「長門、お前の身が機械であることは俺はよく知っている。だが俺はそれでも構わない。俺は…今現在俺の目の前にいる長門有希という1人の女が好きなんだ!」
それで…表情をめったに動かさなかったお前がこの時、俺の胸に抱きついて思わずわっと泣いたんだったよな。
そうしたら…お前の親父さんであるところの情報統合思念体主流派氏が「キョン君と一緒に1人の人間・有希として生きろ。そのためにはもうこれは必要ないだろう」と助言し、過去にお前が時として暴走する元になった機能を身体から取り外してくれたんだっけ。
そして「キョン君、娘を宜しくお願いします」だったな。
しかし…それはあの機能が取り外されたというだけであって今もお前の身体が「人間でいう脳髄以外は全て機械」の身であるという事実には変わりがない。
そのために我が家の俺たちの寝室はお前の身体のメンテナンスルームも兼ねているんだっけ。
ま、表向きは普通の寝室みたいだからハルヒは気がついてないみたいだけれど。

 

「じゃ…もうめがっさ遅い時間だし、そろそろこの辺でお開きにょろ」
再び俺の家。ハルヒと有希による料理で宴会が開かれていた。
「うん…また会えたらいいね…って解散って気がしないよ」
「そうそう。私とキョン君と有希と涼子は学校が休みじゃない限り顔を合わせているし、みくるちゃんも週に2回学校へ来るしね」
「では、今年も宜しくお願いしますってことで!」
みんなは帰途に着いた。俺と有希とハルヒは外で手を振ってみんなの後姿を見送っていた…。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:52 (3088d)