作品

概要

作者G.F
作品名続・結婚式ですよ長門さん
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-12-24 (日) 10:40:33

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

ハルヒの姿を認めたとき、俺たちは一瞬で凍りついた。
長門…いや我が妻・有希の目が険しくなっている。ハルヒと視線で喧嘩しているらしい。視線の先には線香花火が燃えているようだ。

 

前章(SS集/427を参照)で有希が述べた通り、我々夫婦はハルヒには招待状を送っていない。いや、送るなんてことは断じてありえない。俺としては回りから「元カノ」と思われているハルヒに招待状を送ることはハルヒの心情を考えて傷つけるだけだからという理由で避けたかったし、有希にとっては憎き仇敵だから断じて送ることはない。つまりハルヒは結婚式を行うのがこのプロテスタント教会だということは知らないはずなのだ。
偶然…にしても偶然が過ぎる。
だとすると…答えは一つ…
…おいおい、いったい誰だよ、ハルヒにここを知らせたのは?
俺は連絡先を知っていそうな人が集まっている方を向いた。

 

「僕じゃありません。確かに涼宮さんが現に腰をかけているポルシェは僕の車ですが……」
はいはい、古泉、いくらイエスマンだったからといってもお前じゃないことはわかってますよ。
第一いくらお前にもしていいことと悪いことの思慮分別はつくはずだからな。
朝比奈さんも突然降って湧いた恐怖に顔を引きつらせて懸命に首を横に振っていた。
朝倉も喜緑さんも違うらしい。まあこの二人は有希の味方(もっとも朝倉は敵に回ったこともあるけど)である以上は当然か。
…と、すると…
「いや〜…めがっさどうしようかなと思ったけど、やっぱりハルにゃんにも一応お知らせしとかないと悪いと思ったにょろ」
つ、鶴屋さん!頼みますからそれだけはやめてくださいよ!

 

そうこうしているうちにハルヒがこっちに近づいてきた。
一瞬、独身生活最後となる昨日、有希と一緒にレンタルビデオで見たダスティン=ホフマン主演の映画「卒業」のラストシーンが…そしてサイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」が…頭の中で再生されたのは俺だけだっただろうか。いや、この場合男女逆転(ハルヒがベンジャミンの立場、俺はエレーンの立場)なんだけど。
すると…有希もそのシーンが頭にあったらしい。小さな身を挺して俺を庇おうとする。
古泉は肩をすくめているし、朝比奈さんにいたっては見ちゃいられないという顔つきになっている。
しかし……次の瞬間、ハルヒの口から漏れた言葉は我々の予想外のものだった。

 

「あたしの…あたしの分も…幸せになってね、有希…」

 

確かに…ハルヒは寂しげに嗚咽しつつ確かにそう言った。
そこには…かつてのあの横暴を極めた世界の改変が可能なツンデレ暴君女・涼宮ハルヒの面影はもうなかった。

 

「もう…いいよ」
あの女が私に抱きついて「ごめんね…有希…ごめんね…今まで本当にごめんね」と泣いている。
その頭をなでてやりながら…私は…やっと素直に彼女を許す気になれた。
血も涙もない女だとばかりずっと思っていたが…血はともかくちゃんと涙はあるんだ。
みくるさんがそっとハルヒの肩に手を掛けた。
ハルヒは泣きながら…一生懸命なだめているみくるさんと一緒にこの場を離れていった。
このことについて後で披露宴の会場でさりげなくみくるさんに聞いたところ、あれはあれで私と夫の結婚式を大いに盛り上げようとしたハルヒの「精一杯の演出」だったのだそうだ。
「それがですね〜、『教会を出たら旦那さんの昔の女がいた』って風にした方が面白いんじゃないか?と思ったんですって〜」
…たまたま古泉君の乗ってきた赤いポルシェが目に付いたからといって…それは明らかに「その手のドラマ」の見すぎだと思う。

 
 

後日談

 

「ってハルヒ、何でお前が俺の家にいるんだよ!」
新婚旅行から帰ってくると何故かハルヒが家で掃除をしていた。
「あーら、家政婦が家にいたらいけないの?」
家政婦だと?
「頼まれたのよ、そこにいるあんたの奥さんに!」
奥さん…といわれて俺は…長門…じゃなかった、有希…の方を向く。
有希は舌を出して笑っていた。
…やれやれだな。

 

(完結)

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:50 (3093d)