作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんと森でかくれんぼ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-12-05 (火) 23:40:59

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

SS集/412『長門さんと森林探検』の続きです。

 
 
 

おなじみ迷惑が服を着ているような団長様による、
『山の上の洋館脇の森でのチーム対抗不思議探索』は、
結局両チームとも目立った収穫無しということでドローとなった。

 

どう考えてもハルヒチームの拾ったガラクタより、
長門が拾った小動物の方がはるかに価値がある気がするが、
そんな事を言えば面倒なことになるのは分かりきっているので、
とりあえず引き分けの判定を受け入れることにした。
釈然としない俺をよそに、ハルヒが残念そうに愚痴り始めた。

 

「う〜ん、何か見つかると思ったんだけどな〜
もうちょっと時間をかけた方がいいかしら?」

 

まだそんな事を言ってんのか。
頼むから延長は無しにしてくれ。
2時間も歩き回ったおかげで、空腹で死にそうだ。
第一もう昼飯の時間だぞ。

 

「それもそうね。じゃ、お昼にしましょ」

 

やけにあっさり俺の提案を呑んだハルヒは、
いつの間にか俺達の側に現れた森さんの方を向き、
いつもの調子で言った。

 

「ねぇ、お昼ごはんはまだかしら?」

 

お前は何様のつもりだ。
そりゃ、機関の連中にとっちゃ神様みたいなもんなんだろうが……

 

「こちらにご用意しております」

 

森さんはそう答えると、
さっそく俺達を案内してくれた。
やれやれ……無駄に機関は手際が良いんだな。
本当にいつもご苦労様だ。

 
 
 
 

機関の連中が用意してくれた豪華な食事を平らげた俺達は、
しばらく屋敷の外で休憩することになった。
やっぱり、こういう平穏な時間が一番……

 

「う〜ん暇ねぇ……」

 

お前は俺のモノローグを無視する気か?
たまにはこうやって優雅な時間をだな……

 

「じゃ、もう一回探索する?」

 

余計なことを言うな朝倉。
これ以上面倒なことはしたくない。

 

「う〜ん、今日はもう何も出ない気がするわ」

 

今日『は』じゃなくて、今日『も』だろ。
そうつっ込みたい気持ちを抑え、
俺は憂鬱気味のハルヒにこう言ってやった。

 

「そうだな。あちらさんも隠れてるのに、
無理やり引っ張り出されたくはないだろ。
だから今日の所はこのまま……」

 

「それもそうね……いえ、そうだわ!!」

 

うおっ、何だいきなり!?
せめてセリフくらいは最後まで言わせてくれ。

 

「キョンもたまにはいいこと言うじゃない!」

 

俺がいつ悪いことを言ったのか知らないが、
納得してくれたんなら幸いだ。
このまま屋敷でゆっくり……

 

だが、俺の思惑は見事に外れる事になった。

 
 

「向こうが隠れてるんなら、こっちも隠れればいいのよ!!」

 
 

……は?

 
 

「だってあたし達が隠れていれば、
向こうだって気付かず油断して姿を現すでしょ!
そしたら捕まえられるじゃない!!」

 

何が言いたいのかは分からんが、
非常に不味いことになりそうな気がする。

 

「でも、急に隠れたってバレちゃうから……」

 

やばい、この顔は何か迷惑なことを思いついた顔だ。
何としてもここは回避して……

 

そう思案する俺の希望を打ち砕くように、
ハルヒは高らかに宣言した。

 
 
 

「今からかくれんぼで特訓するわよっ!!」

 
 
 

何故この歳になって子供の遊戯を、という俺の反論が、
当然のように却下されたため、
数年ぶりにかくれんぼを行うことが決定した。
なんで毎回俺しか反論しないんだよ……

 

「かくれんぼですかぁ〜?」

 

「そうよみくるちゃん。
隠れる場所はこの森だからね」

 

広いな……
というか朝比奈さんは迷子になるんじゃないか?

 

「あと、特別ルールとして、
さっきの探索で拾ったものを使ってもいいわよ」

 

あぁ、何に使うか分からない迷彩布に、
何に使うか何となく分かるロープとかか……
まぁ、俺は何も拾ってないんだが。

 

「もちろんこの広い森を一人で探すのは大変だから、
鬼は二人ね」

 

そう言うと、ハルヒはポケットを探り、
6本のくじを取り出した。

 

「じゃあ、引いてちょうだい」

 

相変わらずそれはいつの間に用意したんだ?
しかもちゃんと朝倉の分まで……

 

いろいろ疑問な点はあるが、
俺は言われるままに1本のくじを引いた……

 
 
 
 

「……鬼はキョンと有希ね」

 

そう言うとハルヒはせっせと準備を始めた。
どうやらこんな子供の遊びに柄にもなくワクワクしているらしい。
かく言う俺も楽しくなってきたわけだが……

 

「じゃあ、今から30分でみんな隠れるから、
30分経ったら捜索開始だからね!!
1秒でもフライングしたら罰として野宿してもらうからね!!」

 

こんな森の中で野宿なんかできるか。
下手したら野犬でも出てくるんじゃないか?

 

「わかったから早く隠れてくれ。
日が暮れると面倒だからな」

 

それにしても、何でこんなに楽しそうなんだ……
俺も人のことは言えないが。
そんなことを考えているうちに準備が出来たハルヒは高らかと宣言した。

 
 

「それじゃあ、『SOS団かくれんぼ大会』を開始します!!」

 
 
 

皆が持て余している人のように隠れているであろう頃、
俺は長門と二人で捜索開始時間の到来を待っていた。
ちなみに横にいる無口宇宙人は、
先ほど捕まえたリスに御執心のようだ。

 

「なぁ、長門……」

 

「なに?」

 

あぁ、一応返事はしてもらえた。
もし無視されたら俺は長門内ランキングで小動物以下になってしまうところだ。

 

「そのリスの名前……どうするんだ?」

 

「『りす』ではダメ?」

 

それは名前と言わないんじゃないのか?
まぁお前がそれで良いなら別に構わないが……

 

「じゃあ、変える……」

 

そういうと長門は手のひらに乗った小動物の顔をじっと見つめだした。
傍から見ると抱きしめたくなるほど微笑ましい光景だ。
子供らしいと言うか、何と言うか、
そもそも3歳児なんだから子供なのか……
などと下らない事を考えているうちに、
長門は名前を思いついたらしく、俺の方に両手を差し出してこう言った。

 
 

「……きょん」

 
 

……へ?

 
 

まさか自分の呼称と同じ名前をつけると思ってなかった俺は、
何とかリスとの差別化を図るために、
長門に他の名前にするよう頼んだ。

 

「なぁ、長門……もっと別n」

 

「だめ。この子の名前は『きょん』」

 

「いや、だからそれだと俺と区別が……」

 

「『きょん』がいい」

 

「そうは言っても……」

 

「『きょん』にする」

 

「……」

 

「……」

 

結局、長門の意志の固さに折れた俺は、
リスに自分のあだ名がつくのを容認することになった……
やれやれ……滞在時だけだし我慢するか……
長門も心なしか楽しそうだしな……

 
 
 
 

ハルヒたちが森に入って30分が経過したので、
俺達は鬼として捜索することにした。
とりあえずこのまままっすぐ……

 

「待って」

 

「?どうした長門?」

 

俺の質問に応えずに、
長門は足元の少し大きめな石を拾うと、
俺の進行方向に放り投げた。

 
 

 ヒュバッ!!

 
 

……えーと、これは一体……

 

「罠。おそらく涼宮ハルヒが仕掛けたもの」

 

そういえばあいつロープなんか持ってたな。
それでこんな仕掛けを……

 

「もし気付かずに引っかかってたらどうなったんだ?」

 

「逆さ吊り。
しかもこの罠は身長165〜175cmの人間が掛かるよう仕組まれている」

 

マジかよ!?
ハルヒの奴、いつの間にそんなゲリラ戦術をマスターしたんだ?
驚愕する俺に、目の前の頼れる無口美少女は淡々と説明を続ける。

 

「おそらく、涼宮ハルヒはこの近辺に潜んでいると思われる」

 

……ってことは俺達が罠にかかるのをこっそり見るつもりか。
なんて悪質な奴だ。

 

「じゃあ、どの辺にいるか分かるか?」

 

ちなみに、今回のかくれんぼでは長門の能力は制限されている。
俺がそうするよう頼んだからな。
にもかかわらず、罠を見つけたり、ここまで分析できるのだから、
やはり長門は優秀なんだろう。

 

「正確な場所は分からない……でも」

 

「でも、何だ?」

 

俺の問いかけに、長門はこちらをまっすぐ見て、
いつもの調子でこう言った。

 
 

「おびき出すことは可能……」

 
 

隠れているハルヒをおびき出す?
そんな手があるのか?

 

「ある……実行してもいい?」

 

「あぁ、それでハルヒの奴を捕まえられるならな」

 

一体どんな方法かは知らないが、
宇宙的な力は使わないと約束したし、
どんな方法か俺も興味がある。

 

「そう、じゃあ……」

 

そういうと長門は、
俺の方に歩み寄り、驚くべき行動をとった。

 
 
 

……ぎゅ

 
 
 

「!?な、長門!?」

 

何といきなり長門が俺に抱きついてきた。
正確に言えばしがみついたかも知れないが、
とにかく今俺と長門は密着状態で、これは大変マズ……

 

そのとき、すぐ近くで聞き覚えのある、
馬鹿でかい声が聞こえてきた。

 
 

「このバカキョン!有希から離れなさい!!」

 
 

「ぐぁっ……!?」

 

コンピ研の部長氏のように側頭部に両足で蹴りを入れられながら、
俺は長門がはっきりとこう言っているのを聞いた……

 

「涼宮ハルヒ、発見……」

 
 
 
 

「有希ったら……あえて自分がピンチになっているとこを見せ付けて、
あたしが助けに出てくるのを狙うなんて……
まんまと騙されたわ」

 

「その前に何か言うことはないか?
首が寝違えたみたいになってるんだが……」

 

「というわけで、キョン?さっきのは有希の作戦なんだからね?
作戦よさ・く・せ・ん!変な期待しちゃダメよ!?」

 

何が『というわけ』だ。
お前は侘びの言葉も言えんのか?
そんな俺の心の声を無視し、
新たに鬼となったハルヒは嬉々としてこう言った。

 
 

「じゃあ、3人で皆を見つけるわよっ!!」

 
 

……こりゃ、嬉々としてって言うより鬼気として……だな。

 
 
 

しばらく3人で森の中を歩いていると、
奇妙な物が視界に入った。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

珍しく3人とも三点リーダを使用している。
そして合計6個の目が同じものを見ている。

 

「ねぇ、キョン……」

 

「なんだ?」

 

「何でこの木だけ幹の一部が迷彩柄なのかしら?」

 

そうだな、何でだろうな。
迷彩柄って保護色になると思っていたが、
こんなに目立つものだとは知らなかったな。

 

「オマケに不自然に丸いふくらみがあるし……」

 

あぁ、丁度お前らの胸の高さ位の所にあるな。
それも大玉が2つも……

 

「……」

 

長門も呆れ顔だな。
そんなことを考えてるとハルヒが長門に語りかけた。

 

「ねぇ、有希……どんぐりか何か持ってない?」

 

「たくさん持っている」

 

そういっていつの間にか拾っていた木の実を出す長門。
おいおい……タイミング良すぎるってレベルじゃねーぞ。
大体何だその量は。両手で抱え切れないほどあるじゃねーか。

 

「きょんの食料」

 

俺……じゃないよな?リスだよな?
でもリスだってそんなに頬袋に詰めこめられないぞ?

 

「丁度良いわ、有希。
半分くらい分けてくれない?
あの木に返してあげようと思うの」

 

「いい……私もそう考えていた」

 

そう言ってハルヒに木の実を譲る長門。
あの木に返すってどういう……

 

その疑問にハルヒ達は行動で答えた。

 
 

 ポイッ

 
 

『ひゃっ!?』

 

叫び声と共に、
幹の一部が大きく揺れる。

 

「ねぇ……今の聞いた、有希?」

 

「聞いた」

 

「喋る木なんて珍しいわね……もっと木の実を返してあげましょうか」

 

「そうする」

 

 ポイポイポイポイポイポイポイポイポイポイ……

 

『ひぇっ!?い、いたい!いたいですぅ!』

 

「あたし……あの二つのふくらみがなんだか気に食わないわ。
もっと投げてみましょ」

 

「推奨する」

 

 ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ……!!

 

『い、いたたっ、いたい!た、たしゅけてくださぁい!!』

 

悲痛な声と共に、
いきなり迷彩柄がずり落ちて、
中から妖精のような少女が泣きながら出てきた。

 

「あら、みくるちゃんじゃない!?
どうしたの?」

 

「気付かなかった……」

 

二人とも大根役者にも程があるぞ。
絶対ワザとだろ。

 

「う、うぅ……なんでわかったんですかぁ?」

 

あれでうまく隠れたつもりだったんですか?
あなたの身体的特徴もあって、モロバレでしたよ……

 
 

こうして、朝比奈さんを加えて、
4人の鬼となった俺達は、捜索を再開した……

 
 
 
 

「う〜ん、見つからないわねぇ……」

 

10分ほど捜索したが、
古泉と朝倉は陰も形も見せなかった。

 

「よっぽどうまく隠れてるんだろ」

 

丸腰の古泉はともかく、
ナイフ数本所持の朝倉は脅威だ。
何とかして早く見つけなければなるまい。
……長門にインチキパワーを使ってもらったほうがいいかもな。
そう不安になる俺に、横にいた静かな文学少女は、
いつもよりしっかりした声でこう言った。

 
 

「大丈夫……」

 
 

そうか……お前がそう言うなら大丈夫なんだな……
そう思うとなんだか勇気がわいてきたぜ。

 

ただ……俺の心を読むのは止めていただきたい。

 

「そう……」

 
 
 
 

「このままじゃ、埒が明かないわ!
二手に分かれるわよ!!」

 

ハルヒはそう言うと、朝比奈さんの手を握り、
スタスタと歩き出した。

 

「あたしたちはこっち!あんたたちはそっちね!!」

 

「ふぇ〜」

 

長門が『大丈夫』と言うからには大丈夫な気もするが、
果てしなく心配だ。
特に朝比奈さんがはぐれたらと思うと……

 

「問題ない。おそらくあの方向には古泉一樹がいるだけ」

 

その予想はどうやって立てているのかわからんが、
例の刃物女がいないのなら問題ないだろう。

 

「それよりこっち……」

 

そういうと長門は俺の腕を掴み、
ハルヒ達とは別の方向に歩き出した……

 
 
 

ある程度歩いたところで、
長門が急に立ち止まった。

 

「気をつけて……いる」

 

その言葉で全身に緊張が走る。
一体どこに……周囲に視線をめぐらせた瞬間、
頭上から聞き覚えのある声がした。

 
 

『ふふ……さすが長門さんね♪』

 
 

「!朝倉!?」

 

『正解♪でもどこにいるかわかるかしら?』

 

おそらく木の上にいるのは間違いない。
だが、この鬱蒼とした中では場所の特定は不可能だ。
困惑する俺に元暗殺者はさらに追い討ちをかける。

 
 

『気をつけないと上から何か降ってくるかもね……』

 
 

『何か』ってなn……
そう思った瞬間、目の前に何かが落ちてきた。

 
 

 ストン

 
 

「!?」

 

『あら、手が滑っちゃった♪
危なかったわね、キョン君』

 

朝倉の声に釣られて下を向いた俺は、
目の前にある物体を見て驚いた。

 

『さっき拾ったナイフを使った罠だけど……
気に入ってもらえるかしら?』

 

「冗談はやめろ」

 

こういうときには常套句しか言えない。

 

「マジ危ないって!お前が本気じゃないとしてもビビるって。だから、よせ!」

 

もうまったくワケが解らない。分かる奴がいたらここに来い。そして俺に説明しろ。

 

『冗談だと思う?』

 

朝倉はあくまで晴れやかに問いかける。それを聞いてると冗談としか思えない。
笑顔でナイフの罠を仕掛けるを女子高生がいたら、それはとても怖いと思う。
と言うか、確かに今俺はめっちゃ怖い。
あと、多分こんな感じの体験を以前したような気がするが、
そのたびに恐怖が新たに生まれてくるのはどうにかならないのか。

 

状況を打開すべく、
俺は長門に何かいい手がないか聞くことにした。

 

「一体どうすればいいんだ、ながt……」

 

その時、俺は最後まで言葉を続けることが出来なかった。
なぜなら俺は長門の横顔に釘付けだったからだ……

 
 

長門の……勝ち誇ったような嬉しそうな顔に……

 
 
 

「終わった……」

 

『何が?あなたの短い狩人生活かしら?』

 

「あなたはとても優秀……だからここに辿りつくまでに時間がかかった」

 

何となく聞き覚えのある会話の流れだな。
って、いま『終わった』って言ったのか!?
驚愕する俺の目の前で、無口な宇宙人は淡々と中空に話しかける。

 

「でも一つ一つの罠が甘い。
だから私に気付かれる。居場所を特定される」

 

『私がどこにいるか分かったの?』

 

「そう……」

 

小さく答えると、
長門はある一点を指差した。

 
 

「そこ……」

 
 

しばし沈黙の時が流れる。
俺も長門が指差す方を見ていた。
やがて、観念したように頭上から声がした。

 
 

『……正解。あ〜あ、なんでバレちゃったのかなぁ?』

 

その言葉と共に、
長門が指差した木から一人の少女が飛び降りてきた。

 

「あ、朝倉……」

 

「残念、見つかっちゃった♪」

 

あまり残念そうではないが……
いや、それより……

 

「どうしてわかったんだ?」

 

俺は側にいる小柄な少女に尋ねた。
俺が見る限り宇宙的な能力は使ってなかったが……

 

そんな俺の疑問に、長門は朝倉の方を指差してこう答えた。

 
 

「もう一人のあなたのおかげ……」

 
 

その言葉とともに、
長門が指差す方……朝倉の肩に、
1匹のリスが現れた……

 
 
 

「まさか、この子を使って私の位置を探るなんて……
道理で長門さんが静か過ぎると思ったわ」

 

「この子の位置を探るために集中していた」

 

じゃあ、ナイフを避けられたのは偶然だったわけか。
あれ?もしかして俺マジで死んじゃう5秒前だった?

 

「あれはたまたま落ちただけ。
ホントはナイフを投げて木の実を落とすつもりだったの」

 

何だそのショボイ罠。
そんな物で逃げ切れるわけないだろ。

 

「でも、隠れきる自信はあったんだけどな〜」

 

そう悔しがる朝倉に、
リスを肩に乗せた長門が答えた。

 

「私一人では見つけられなかった」

 

「あら?じゃあこの子のおかげかしら?」

 

長門一人でも充分見つけられた気もするが……
そう考える俺の耳に優しく静かな声が聞こえてきた……

 
 

「……彼らのおかげ」

 
 

そう言って長門はリスと俺の顔を交互に見ていた……

 
 
 
 

10分後、森の入り口に戻った俺達を、
ハルヒと朝比奈さんが出迎えてくれた。

 

「おそーい!!」

 

「お疲れ様です」

 

ハルヒ、うるさい。
朝比奈さん、ありがとうございます。

 

「あれ?お前達だけか?」

 

「古泉君ならあそこよ」

 

そういってハルヒが指差す方向には、
ロープで縛り上げられた憐れな副団長がいた。

 

「いや〜、さすがは涼宮さんです。
罠の張り方も天才的ですね」

 

その格好で言っても、
塵芥ほどのありがたみもないぞ。

 

「それにしてもお腹減ったー」

 

同感だ。
どうやら、側にいる無口な宇宙人も、
明るい宇宙人も、未来人も同じ気持ちらしい。

 
 

そういうわけで、俺達は館に戻って行った……
もちろん小さな仲間も一緒にな。

 
 
 
 

P.S.

 

あれ?
5人と1匹しかいないけど、
1人どこに……

 

まぁ、いいか。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:47 (2713d)