作品

概要

作者753k
作品名約束の女の子
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-11-06 (月) 23:35:57

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

舞台は部室。俺と長門の二人きりだ。
俺はと言えば、熱血岡部教師による暗雲立ち込めん2年後の話のために憂鬱だった。

 

いつもと変わらない窓際の読書少女に、この気分を和らげてもらおうと話しかける。
今日、岡部に進路の話されたよ。大学受験の話。
まだ一年なのになあ、気が早すぎだろう。
それに俺にとっては、大学受験より目の前の謎の団活の方が対策を立てるべき対象だ。
長門のクラスでもそんな話あったか?
「(コクン。)」
長門はどうするんだ?
やっぱりハルヒを追いかけなきゃならんのか?
「任務が解消されていなければ。」
そうか。
「…あなたは、」
俺が長門やハルヒと同じ大学なんて無理に決まってるだろう。
一公立校でしかない北高の定期考査ですら低空飛行の俺だぜ?
何をか言わんや、だ。
「あなたも、…同じ大学に入るべき。」
無茶言うな。
「涼宮ハルヒがそれを望んでいる。」
ハルヒが、ね。
「…」
いや、何でもない。
ところで、任務が解消されていなければ、って先刻言ったな。
そうじゃなかったらどうなんだ?
「不確定。その時の状況、情報統合思念体の判断に依存する。」
そもそもここに居続けられるのか?
「それも不確定。」
そうか。だがまあ、それに関しては大丈夫だろう。
もし駄目だって言われても、俺が何とかしてやるさ。切り札もあるしな。
「…」
長門は軽くうつむいた、気がした。
「その時は、東大に…。」
おお、日本の最高学府へ行くか。
長門なら当然のように赤門をくぐって行きそうな気がするな。
「…あなたも。」
そうだな、俺もタマネギの下で入学式を…って、おいおい。
どうしたって無理に決まってるだろう、それは。
俺がいくらモーニングを毎号立ち読みしてるからって言ってもな。
「大丈夫。」
情報操作は得意ってか?
「しない。」
じゃあ、優秀な女子大生家庭教師でも見つけてくれるのか?
「不要。」
…にらむなって。今一瞬にらんだだろ。
「待つ。
 学部、修士、博士課程を経るのに、飛び級無しなら9年かかる。即ち…」
少なくとも俺は複数年ローニン確定ってわけか?
「……。最悪の事態を想定しただけ。」
長門は軽くうつむいた。コッチミロ。

 

何で俺と一緒に行きたいんだよ、しかも東大。
レベル下げるとか、一緒じゃなくても近くの大学とか、あるだろ?
「駄目。」
なんで?
「…幸せに…」
なに?
「xxxxと二人で東大へ行けば、幸せに、なれる。
 そういう伝説が、ある…。」
長門はうつむいたままだ。
普段よりさらにか細い声は、絞り出すような声だった。
長門?
少女は顔を上げ、
「幸せになりたい。あなたと。」

 

長門からの突然の告白(だよな?)は正直かなり嬉しかった。
だが、俺は返事を決めかねる。だってそうだろう?
長門との約束、俺自身の将来。
どちらも軽はずみに決めることなんてできない。
長門は、読んでいた本に目を落としている。
ページは、先刻から進んでいない。
長門。
俺は、俺の気持ちは…。
『幸せになろう。一緒に。』
赤面もののセリフだが、今回は拳銃を探す必要はない。
そうだ。約束か?将来か?迷う必要なんてないのさ。
どちらも選んでしまえばいいのだから。
その寡黙な文学少女のために。

 

だがお前も協力してくれよ、何浪もするのは勘弁だからな。
約束だぜ。
そう言って、俺は小指を立てた右手を差し出した。
「約束…?」
ああ、約束だ。
ようやく顔を上げた長門は、その小さな小指を俺の小指に絡めるのだった。

 

やくそく、やくそく。

 

−後日談−
長門よ、そうはいっても東大だぜ。
どうしたらいいんだ、俺?
「大丈夫。文献を調べて東大合格に必要なものを用意した。」
おー、さすが万能宇宙人。仕事が速い。
どれどれ。まず、赤本。なるほど。
ぐりぐりメガネ。…ん?
…土器?……温泉たまご?

長門さん?
「これで確実。」


すまん、3年後の俺。

 

(おしまい)

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:40 (1744d)