作品

概要

作者753k
作品名女子高生家庭教師長門ユキ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-11-06 (月) 23:33:05

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

舞台は考査前の部室。勉強の俺と読書の長門、二人きりだ。
すぐに終わって行くはず憂鬱は、俺の中ではずっと燻り続けて行くのである。

 

−考査3日前−
長門、教えてほしいところがあるんだが。ちょっといいか?
「(こくん)」
そう応えると、長門は俺の隣まで滑るようにすぅーと移動してきた。
でな長門、ここなんだけど。
「そこはDrakeの方程式。」「教科書154ページに類題がある。」
俺の数々の質問に端的な返答が返ってくる。
音声入力式自動参考書システムって感じだが、これは案外はかどった。
ありがとうな、長門。おかげで助かったぜ。
俺の感謝の言葉に、長門はちょっぴり満足気な表情で応えてくれた。

 

−考査2日前−
長門、また教えてほしいところがあるんだが。ちょっといいか?
「(こくん)」
そう応えると、長門は俺の隣まで滑るようにすぅーと移動してきた。
でな長門、ここなんだけど。
「先生。」
ん?
「先生と呼んで。」
急にどうしたんだ?何でそんなこと…って、そんな微妙にうつむかれてもなあ。
分かったよ、長門先生。
「ユキ先生。」
……。
あーコホン。で、ユキ先生、ここの問題なんですけどね。
「問題集9課の8番を参照。」「Hubbleの法則。」
ユキ先生になっても指導方針は変わらなかったが、
昨日同様ニトロを積んだように試験対策は進んでいった。
今日もありがとうな、ユキ先生。何とかなりそうな気がしてきたぜ。
俺の感謝の言葉に、長門はちょっぴり満足気な表情で応えてくれた。

 

−考査前日−
長門、今日も教えて欲しいところがあるんだが。ちょっといいか?
「(こくん)」
そう応えると、長門は俺の隣まで滑るようにすぅーと移動してきた。
でな長門、まずその格好のことなんだけど。
「先生。」
いつの間に着替えた?
「あなたに声を掛けられたとき。」
その長門は、タイトスカートのスーツ、シャープな下ぶちメガネになぜか指し棒まで装備していた。
どうした長門。何か悪いもんでも拾って食っちゃったのか?ダメだぞ、3秒ルールを無視しちゃ。
「…私は先生。バカにしないで。」
あれ、怒ったか?
しかし、「先生だからバカにすんな」ってのはかわいいくていいぞ、長門。
とか考えつつ、にへらーとした顔をしてたんだろうなぁ、俺は。
「あなたには教わろうという気概が無い。
 ならば、一人で勉強するがいい。」
後悔先にたたずってやつだな。
長門っ!
振り返ると俺の言葉に応えてくれる人間は、もう部室にはいなかった。
かなり怒ってたな…。しかも今日まだ何も教えてもらってないぞ…。
…絶体絶命だ。どうなる…俺?

 

結論から言ってしまうと追試だ。
あの後すぐと帰宅後に何度かケータイに連絡を入れてみたが、長門は出てくれなかった。
考査中も部室には顔を出さず、休み時間の教室にも見当たらない。
そんな状態だった。
ハルヒからの詰問も耳に入らない。なんと長門に詫びるかばかり考えていた。
ただでさえ赤点ボーダーの俺が、そんな状態で考査をクリアできるはずが無いのは当然だった。
せっかく教えてもらったのに、長門よ、面目ない。

 

考査後虚ろなままの俺は、本能の発する習性に身を任せていた。
しかし部室の扉を開けると、長年の探し人と再会したような気分になった。
俺はすぐにカバンを放り出すと、部室の片隅で読書に勤しむ少女に向かって捲し立てた。
長門!やっと見つけた!
少女は本から目を離さない。
長門。俺は、お前がそばにいることが当然のように思っていた。
お前に負担は掛けまいと思っていても、最後にはいつも頼っていた。
今回だってそうだ。
わがままな俺に、お前は何も言わず勉強を教えてくれた。
俺は、お前がいなきゃダメなのは分かっていたんだ。
それなのに……。
本当に反省してる。
ごめんよ、長門。
ぱたん。
少女は立ち上がり、俺のそばへすぅーと寄ってきて俺の顔を見つめる。
そして俺の制服の裾を引っ張るとカバンを指差した。
また、教えてくれるのか?
「(こくん)」
ありがとう、長門。

 

かくして俺と長門の追試対策が始まった。
でもな、その女教師の格好はしなくてもいいぞ。
その格好はむしろ、俺の勉強への集中力を奪ってしまうのだ。
「…そう。」
残念そうな返事。そんな気に入ってたのか?
制服姿に戻った長門はまた機嫌を損ねたか、ちょっぴりそっぽを向いてしまった。
でもうん、その仕草もかわいい。有希見大福を見たときのような衝動に駆られる。
が、自重しなきゃならんぞ、俺。同じ穴の二の舞になっちまうからな。
でな長門、この問題なんだけど。
振り向いた長門の頬を一本の人差し指がぷにっと突付いていた。
あれ?あ、いや、長門、これはこの指が勝手にだな、やったのであって、
俺の意思じゃあないんだぞ。分かってくれ。
あーそれでーそのー、なんだ。
えー。


ばたんっ。

 

色んな意味で、
(おしまい)

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:40 (2003d)