作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんと爪
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-10-29 (日) 13:07:08

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

ある日の放課後のこと。
いつものように団室に向ってみると、
珍しく長門が一人で本を読んでいた。
いや、本は一人で読むものだが、
この部屋に長門が一人でいるのは珍しい。

 

「今日は長門だけか?」

 

「そう……」

 

ハルヒは掃除当番だから遅れるのはわかるが、
他の二人、特に麗しの美少女未来人兼メイドさんがいないのはどういうことか。
まさか、また何か厄介なことが……

 

「大丈夫。二人ともただの用事……」

 

その『用事』ってのが果てしなく気になるんだが……
まぁ、長門が『大丈夫』と言うんだから大丈夫なんだろう。
この万能宇宙人製アンドロイドが『軽くヤバイ』とか言い出した日には、
俺は飛び降りるのに最適な高層ビルを探さないといけなくなるだろうし……

 

そう思いながら、俺は自分の席に座ることにした。
あの迷惑団長が来るまで束の間の安らぎを味わ……

 

「ッ痛!!」

 

不意に指先に痛みが走る。
ほんとに指の先……つまり爪の部分にだ。

 

「どうしたの?」

 

長門が俺に分かる程度の心配そうな顔を見せる。
そんな風に見つめられると……いろいろたまりません。

 

「いや、ちょっと昨日深爪しちまってな……」

 

「深爪?」

 

あぁ……昨日の晩にシャミセンの爪を切ったついでに、
妹の爪も切ってやったんだ。
その時はうまくいったんだが、
いざ自分の爪を切るってときに妹が飛び掛ってきて、
弾みでバッチリやっちまった、ってわけだ。

 

「そう……」

 

長門はそう答えると、
俺の指をじっと見つめだした。
コレは食べ物じゃないぞ?

 

「…・・・」

 

無言でじーっと見つめ続ける長門。
なんだ?
この横一直線に切れちまった爪がそんなに魅力的なのか?
それとももしかして……

 

「これ、治せるのか?」

 

そう尋ねると、
長門はピクセル単位で頷いた。
治せるけど、言い出すかどうか悩んでたのか?

 

「貸して……」

 

俺の疑問をまったく気にも留めず、
長門は平然と手を差し伸べてきた。
まぁ、治してくれるならお言葉に甘えよう。

 

「あぁ……頼む」

 

俺はそう言って長門に爪が4分の3ほどしかない指を差し出した。
長門の小さな手が俺の指を包み込む。
この感触だけでごはん6杯はいけます。

 

長門は俺の指をしばらく見つめた後、
例の早口言葉を唱えだした。
というか、コレ別に俺の指を持つ必要ないんじゃないか?
俺は嬉しいからいいけど……
などと、考えていると、
不意に長門の呪文が止まった。

 

「もう……終わりか?」

 

俺の目にはまだ爪の下のきれいな皮膚が見えてるんだが……
そう思いながら長門に尋ねると、
目の前の無口少女は淡々と答えた。

 

「最後にやることがある……」

 

そう言って長門は信じられない行動に出た

 
 
 

チュプっ……

 
 
 

「!?」

 

な、長門さん!?
一体何を!?
動揺する俺をよそに長門は黙々と俺の指を舐め続ける。

 

「……」

 

こ、この感触は正直たまらん……
じゃなくて!
こんな場面をもし誰か、特にネジが緩んだ暴走女に見られれば……

 

「大丈夫……しばらくは二人だけ……」

 

何が『大丈夫』なのかは分からないが、
長門が言うなら大丈、夫……

 

「いや、大丈夫じゃないだろう」

 

常識的に考えて……
だが、俺の言うことがよく分からないらしく、
上目遣いに顔をのぞいてきた。
おい、指を舐めながらそんな顔されたら……
頑張れ俺の理性!!

 
 
 

数分後。
そこには精神的に何かを失ったような俺と、
何故か満足げな顔をした長門がいた……

 

「あ、ありがとな……長門」

 

俺はいつの間にか爪が治っていた指を見ながら、
長門に礼を述べた。
何となく疲れてるのは気にしないでくれ。

 

「いい……」

 

長門はそれだけ言うと、
また読書に戻っていった。

 

けどな……
元通りはありがたいんだが、
切る前の長さになってるぜ?
ちょっと舐めすぎたんじゃないのか……?

 

だが、せっかく長門がやってくれたんだ……
ここは文句は言わない方がいいだろう。
そう思いながら、俺は長門に感謝することにした……

 
 
 

P.S.

 

長門が俺の長くなった爪を見て、
『もう一度やる?』と舌なめずりしていた話はまた後日……

 

ちょっ長門さん……アッー!

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:37 (2622d)