作品

概要

作者
作品名とある〜女子高生 有希の生まれた日
カテゴリー女子高生3人SS
保管日2006-10-22 (日) 14:05:57

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

とある冬の公園 ひと気のない遊歩道 ひとつの存在が生まれようとしている。 
何処にでもある光景に見えるが、生まれる少女が宇宙人ってのはそう無いはずだ。
  
深々と冷え込む夜更けの公園。
月も無く、音も無い遊歩道。
水銀灯の青白い光だけが冷たく道を照らしている。
 
明日が今日になろうとする時、何処からともなく流れて来た小さな光の一粒が
ふわり、と道端に落ちる。
その仄かに光る粒に向かって、いくつもの光の粒が集まり始める。
やがて小さな光の結晶は、月明かりの様に仄かに光るひとつの
固まりになり、形を作ってゆく。
 
やわらかな光の中に、小さく華奢な少女の輪郭が映しだされると
小さな光の固まりは徐々に輝きを失っていく。
そして、その消えていく光に取り残されるかの様に
ひとりの少女が凍える道の上にへたり込んでいる。
少女は瞳を閉じ、俯いたまま微動だにしない。
 
どの位の時間が経っただろうか、少女は眠りから醒めたかのように
ゆっくりとその瞳を露わにする。
少女は制服の胸の辺りにある自らの手を、自分の手でそっと包み込む。
物に触れ、そして触れられる感覚 
 
―――存在している  ―――
 
少女は音もなく立ち上がると両手を差し出し、じっと手を見つめる。
水銀灯が少女の白く細い手をさらに白く照らす。
 
―――これが…… わたし―――
 
その時、やがて儚く消えていく運命の、小さな奇蹟が舞い降りる。
漆黒の闇から降りてくる、白くて、不安定な、水の結晶。
 
少女が空を見上げるとその奇蹟は後から後から降り続く。
 
 「 ゆき……… 」
 
生まれて初めての言葉に、ぎこちなく少女はつぶやく。
少女はその手に舞い降り、そして消えていく雪を、どれ位みていただろうか。
 
―――これを私の名前としよう。―――
 
有希はゆっくりと 歩く事を始める。
 
少女は自分の向わなくてはならない場所を知っていた。
有希が部屋に入ると、同じ制服を着た二人の少女が出迎える。
 
「 おかえり 有希ちゃん 」
「 遅いよ  有希 」
 
有希は初めて会うふたりを、なぜか、知っていた。
少女は数ミリ首を傾げると 思い出したかの様に小さく、薄く微笑んだ。
 
「 ただいま…… 」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:37 (2652d)