作品

概要

作者おぐちゃん
作品名ちびなが 9話
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-07-26 (水) 00:23:50

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 翌日は晴れた。嫌と言うほどに。
 蝉の声が降るうっとうしい暑さの中、我がSOS団は恒例の不思議探索を挙行した。
 もっともそれは建前で、どっちかというとちび長門を連れ回してこの町を案内しよう、というのが真の目的である。
 俺の前を歩くちび長門は、ハルヒと妹に両手を取られ、FBIに捕まった宇宙人状態で歩いていた。ちなみに長門の服装はポロシャツにトパンツ、アクセントにしましまニーソックスと、すべて妹のお古である。
「どーよキョン。シンプルだけど似合ってるでしょ」
 ちび長門のコーディネイト担当であるハルヒは、自信満々にのたまった。もちろん感想は言うまでもあるまい。
 そう言えば、長門の持って来た着替えはどうしたんだ。
「あ、この子のパパの持たせた服?」
 パパ、と聞いて長門が露骨に(ミリ単位で)顔をしかめる。
「あれ、ゴスロリばっかじゃん。着せかえは楽しかったけど、この天気じゃねぇ」
 ゴスロリって、フランス人形みたいなフリルばりばりの服のことか。確かにこの暑さじゃ、あんな服は見るだけで息苦しくなりそうだ。
 って、楽しかったって何やってんだハルヒ。
 そんな他愛もない話をしながら、いつもの道を歩く。いつの間にか俺が最後尾になり、ちび長門とSOS団員とのじゃれあいを眺めている状態になっていた。
 と、ちび長門が俺の方に走ってきた。俺の足の後ろに隠れた長門は、行く手にある何かに鋭い視線を向ける。
 SOS団のみんなのさらに向こう。SOS団行きつけの喫茶店の軒先。
 ……………………そこに、そいつが居た。

 

「うそ、だろ」
 そんな言葉しか出てこない。
 夏休みだと言うのに北高のセーラー服。腰まで伸ばした長髪。整った顔立ちにアクセントを与えるはっきりとした眉毛。
 あの放課後に消えた、ここに居てはいけないはずの少女は、俺と長門を視野に納め、
「…………」
小さな声で何かをつぶやくと、こっちにむけて走ってきた。

 

 ハルヒがこっちを振り返る。
 俺と目が合う直前、ハルヒの……いや、俺たち以外全員の姿が消えた。
 街はいつもの姿だ。あの閉鎖空間と違い空は青く、ただ人間の姿だけがない。
 存在するのは、俺と長門と。
 そして、朝倉涼子だけだった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:35 (3088d)