作品

概要

作者おぐちゃん
作品名長門さん告白ですよ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-10-04 (水) 00:09:52

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「ハルヒ。愛してるぞ!」
 部室のドアを蹴破って来たハルヒに、俺は大声で叫んだ。
「            え?」
 ハルヒは足を上げた状態、パンツ丸見えの姿勢のままで固まった。
「な、何よそれ! あんた、団長と団員ってのはそう言うもんじゃなくて、
 でもあんたがどうしてもっていうならまあキスまでは許して──」
 ハルヒの声が止まる。
 俺は後ろを振り返った。赤いヘルメットをかぶった長門が、看板を持ち上げている。

 

 看板には『ドッキリカメラ』の文字。

 

 俺は足を開き、体の力を抜いた。次に何が来るかはわかっている。
「く、くぉの馬鹿キョンがあああああっ!!」
 ……ハルヒのドロップキックが、俺の顔面に決まった。

 

 事の始まりは昨日にさかのぼる。
 長門に呼び出された俺は、「情報爆発を起こすための協力」を頼まれた。
 一瞬朝倉の姿が脳裡をよぎったが、長門が考えていたのはもっと別の手段だった。ハルヒの奴にちょいと刺激を与えて、どんな影響が出るか試したいという。
 んで、俺が一言「愛してる」というハメになったわけだ。

 

 この一件が長門発案のイタズラだという事を聞いたハルヒは、アヒル口をにやりと歪めて言った。
「……そう言うこと。じゃ、あたしも仲間に入れて頂戴」
 仲間ってお前。何たくらんでるんだ?
「キョン。あんた今日一日、この扉をくぐる人間全員に『愛してる』って絶叫なさい」
 なんで俺がそんなことせにゃならんのだ。
「……おk」
 長門がこくりとうなずく。待て、なに勝手にOKしてんだ長門。
「よし決まりっ! さ、誰か来たわ! いいわねキョン!!」
 ハルヒは扉の脇の壁にぴたりと張り付く。手にはデジカメを構えていて、決定的瞬間を撮ろうとやる気満々だ。
 長門はと言うと、赤いヘルメットと看板を手の届くところに隠して、いつでも装備できるようにしている。
 ああそうかい。俺の意志なんて無視かい。
 こうなったらヤケだ。やるだけやったろうじゃんか。

 

「朝比奈さん! 愛してます!」
 最初にドアをくぐったのは朝比奈さんだった。
「え、えええええええええっ!? あ、あのその、あたしこの時代の人とはそのあああ」
 混乱する朝比奈さんの顔を、ハルヒがカメラに収める。
「おっけえキョン! ナイスよ、今の調子でどんどん行こう!」
 ハルヒはノリノリだった。だまされた朝比奈さんも、このイタズラの趣旨を聞いて俄然乗り気になる。
 ……どうやら、もう俺は逃げられないらしい。

 

「鶴屋さん! 愛してます!」
「お? キョン君大胆だねっ!
 けど、そういうのはハタチ過ぎてからじゃないと法律で罰せられるにょろ?」
「えええっ! そ、そうなんですかっ!?」
 鶴屋さんの一言に大あわての朝比奈さん。いや、そんな法律日本に無いですから。

 

「国木田! 愛してるぞ!」
「え? ああ、僕もキョン君のことは好きだよ」
 ……国木田。そう言う台詞は他で言え。
 あ。朝比奈さんとハルヒが固まってる。

 

「部長! 愛してます!」
 なにやら挑戦状を持ってきたらしいコンピ研部長は、顔を真っ青にしてダッシュで逃げた。
 どうやら俺は、SOS団の危機を救ってしまったようだ。

 

「生徒会長! 喜緑さん! どっちも愛してます!」
 会長は一瞬ぴくりと眉を動かすと、一言も発せずに反転して去っていった。
 会長に付き従っていた喜緑さんは完全に固まっている。
 長門、あとでフォロー頼む。

 

「WAWAWA忘れ物〜」
「谷口! 愛してるぞ!」
「ごゆっくりいいいいいい!!!」

 

「朝倉! 愛してるぞってなんでお前が来るんだっ!?」
「あら。じゃ、早速その愛の深さを見せてもらおうかしら?」
 ナイフを取り出す朝倉。……みんな。妹とシャミセンをよろしくな。

 

「古泉! 愛してるぞ!」
「それは嬉しいことを。いいんですか? 僕はノン気だろうと喰っちまうんですよ?」
「いや良くない! 良くないから! たすけてナガえも〜〜ん!!」

 

 かくして地獄の活動時間が終わり、俺はようやく荒行から解放された。
 ……明日の朝が怖い。クラスの連中、俺をどんな目で見るのやら。
 ハルヒや朝比奈さんは、いち早く部室を出て行ってしまう。いつの間にか、部室には俺と長門だけしか残っていなかった。
 と、そうだ。今日の一言を、まだ言っていない奴がいたっけ。
 俺は深呼吸した。──何で緊張してるんだ俺。
 そして、心を込めて言う。
「長門。……愛してるぞ」
 鞄を持った長門は、ぴたりと動きを止めた。
 そして長門は、うつむいたまま俺の方に歩いてくると、俺の袖口をくいっと引いて言った。
「…………もういちど、言って」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:33 (1801d)