作品

概要

作者おぐちゃん
作品名アル嵐ノ日ノコト
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-09-25 (月) 23:24:04

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 街を台風が直撃したその日の夕方。不意にチャイムが鳴った。
「こんにちは」
 玄関ドアを開けると、長門がいた。
 いつもの北高セーラーはずぶぬれで、一歩踏み出すごとに靴がぐちゅぐちゅ音を出す。
「どうしたんだ。こんな日に外出ちゃだめだろ」
「……食料が無くなったから買い出しに出た」
 どうやら、行きつけの店が休業していたのであちこちまわっているうち、ずぶぬれになったらしい。
「わかったから入れ。すぐ風呂を沸かすから」
 妹がタオルを持って来た。よく気が付くな、ありがたい。
「この台風の中、帰るなんて言うなよ。今日はもう外出禁止!」
「…………」
 長門はミリ単位で俺の言葉に頷いた。

 

「キョンくーん、有希っちが着るものないよー」
 風呂場から妹が呼ぶ声がした。まずい、もう出てくるのか。
 部屋で着替えを探していると、ドアが不意に開いた。
「ああ、ちょっと待って   」
 言葉を失ったね。長門の奴、下着姿で俺の部屋に堂々と入ってくるんだから。
「着替えは必要ない。服が乾くまでこのままでいる」
「そ、そりゃまずいってば!」
「わたしはかまわない」
 俺が構うんだよ! これでも健全な男子高校生なんだから!
 とりあえず、俺のパジャマを長門に放り投げた。
「それ着ろ! いいな!」
「……わかった」
 俺は長門に背を向けたまま、カニ歩きでドアに接近すると、そのまま部屋を出た。

 

 ドアの向こうで、ごそごそと衣擦れの音がする。どうやら大人しく着てくれているようだ。
 と、ほっとするのもつかの間、再びチャイムが鳴った。
「あーもー、参るわねこの台風!」
 ……ハルヒ。何でお前がここに来る。
「ああ、河が増水してるからちょっと見に行ってたのよ。すごかったわー、木とか流れてるし」
 ……こういう奴がいるから消防署の人の気が休まらんのだ。
「お前はもう外に出るな。ここで大人しくしてろ」
「あらあら。今夜は離さないぞってこと?」
 ハルヒはアヒル口で小馬鹿にしたように言った。
「ば、馬っ鹿野郎。そんなんじゃなくてだな、この台風じゃ……?」
 俺は言いかけた口を閉じた。ハルヒがみるみる眼を丸くして、俺の後ろを見ているのに気付いたのだ。
「……有希。なんでここにいるのかしら?」
 団長様はなにやら怒っていらっしゃる。主に俺に対して。
 振り向くと、パジャマを着た長門が立っていた。だぶだぶのパジャマを、裾を折り返して着ているのはなかなか可愛いぞ長門。今はそんな事言ってる場合じゃないがな。
 長門はハルヒの視線を真正面から受け止めると、いつも通り正直に答えた。
「風呂を借りていた」
「ほおおお」
「今日は帰さないと言われた」
「なああるほどねええええ」
 ……ハルヒが怖い。オーラが。スタンドとして実体化しそうなくらい濃密なオーラが出てる。
 ダッシュで逃げようとしたが遅かった。
 ハルヒの腕が俺の首にからみつき、頸動脈が締め付けられる。

 

 目が覚めたら朝だった。台風はもう通り過ぎていた。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:31 (3093d)