作品

概要

作者
作品名とある〜数年後
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-09-19 (火) 23:24:23

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

とある 数年後の喫茶店   大人になった男女ふたりが静かに会話している。 
良くある微笑ましい光景に見えるが、この女性が元宇宙人ってのはそう無いはずだ。
 
あまりに久しぶりの連絡を受け、俺は少々動揺していた。ハルヒのとんでもパワーが無くなって
それぞれ違う道を歩んでいった俺達。ハルヒは世界改変の力こそ無くした物の相変わらずの
スーパーポジティブ娘だし、朝比奈さんは未来へと、そして古泉は女子校の高校教師となり
そして俺はしがないサラリーマンだ。長門と云うと自律進化の可能性を見出した為か
お役御免と成ったあとも有機生命体として、そう、人として生きている。
まぁ、同じ大学に進学した友人に聞いた話じゃ 宇宙的パワーを無くした後も、夜空に向かって
…おとうさん とか言ってるらしいから実際は解らんがね。
 
卒業以降長門の方から連絡をくれたのは初めてだ。
「よぅ 長門、久しぶりだな。この前会ったのは半年前だっけ? 」
「……そう 」
こいつだけは本当に変わらない。今だって北校の制服を着せればそのままあの時の長門だ。
「しかし驚いたぜ長門。おまえが難しい研究をやっていたのは知っていたが、まさか
 ニュースになるような発見をするとはな。長門にしてみれば、何てこと無いのかな」
 
 長門は進学した大学の研究者となって研究とやらに没頭しているらしい。
俺はてっきり司書にでもなると思っていたがな。俺が卒業後の長門に詳しいのはちょこちょこ
会ってたのもあるが、今じゃ友人からの情報が主になっている。
「おまえの方から連絡をくれるなんて珍しいじゃないか。まさか、またハルヒに変な力が
 復活したとか言うんじゃないだろうな 」
「 ……そのような事は無い。もしそうなら情報統合思念体は私を再利用するだろう。
 今のわたしには、あの時以降何の変化も無く、力も失ったまま 」
 
そうか、ならいいんだがな。 ところで本題だが、今日のお呼び出しの理由はなんなんだ。
いっしょにお茶しようって訳ではないだろ、まぁそれはそれでいいんだけどな。
 
「 ………これ 」
 
そういって長門は、俺の前に小さな箱を置いた。
 
それを見て俺は驚いた。そいつを見て中身が想像できない奴なんてそうはいない。

「なぁ それってやっぱり… 」
「……そう 」
当然その中に鎮座していたのは、長門の白く細い指に合わせられた―――指輪だった。
 俺は言葉をなくしてしまう。いや、俺達くらいになればそろそろ考えている奴だって
いてもおかしくない。ただ 少なからず俺には実感の無いことだった。
「なぁ、もしかして。 それをお前に渡したのって、同じ研究室の…… 」
「………………… 」
「 国木田…  なのか?」
長門は何も言わず頷いた。
 
長門はいつもの漆黒の瞳でまっすぐに俺を見つめている。少しして長門は呟いた。
「 どうすれば…  いい? 」
 
…そんなこと、俺に聞かれてもだな、そうだな… あいつはなんて言ってたんだ。
「もし、わたしに意中の人がいるのなら、捨ててもらって構わないと……… 」
 
そうか…あいつはとてもいい奴だ。中学から知っている俺が言うんだから間違いないさ
それに、優しいところもあるし、頭もいい。 お前が良ければ… いいんじゃないか…
 
長門は俺の言葉を聞くと、ゆっくりとうつむく。不揃いの前髪が、瞳を隠していく
  
「 ………そう 」
 
長門はその指輪をそっとしまう 指が微かに、震えていた
 
「 そう……… 」

長門はゆっくりと席を立つ。 
それは 俺が最後に聞いた、長門有希の声だった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:27 (2732d)