作品

概要

作者Thinks
作品名名も無き北高生のこと2
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-09-12 (火) 22:15:55

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 この高校に入ってきて、もう半年以上になんだけっどもな。
 正直、あんま面白れぇことなんざ無かったぜ。
 授業が面白かねぇのは当たり前だぁな。
 体を動かすんは好きなんだけっども、部活はどうも性に合わねぇ。
 この半年で変化したって物が俺の周りにゃ無ぇ。つまらんのもしょうが無ぇんだけっどもな。
 
 今日も全然代わり映えしねぇ部屋で起きて、代わり映えしねぇ通学路を歩いて、
代わり映えしねぇ学校の代わり映えしねぇ教室に入ってきてみりゃ、
こいつは今日もあいも変わらず、机ででけぇ本を広げてた。
 俺の席はこいつの後ろだ。後ろに回る前に軽く挨拶をすんのもいつものこった。
 
「よっす」
「……おはよう」
 こいつの名前は長門有希。
 1−6の本読みマシーン1号と言われてっけどな。2号は隣の、、まぁ暗ぇヤツだ。
 いっつも本ばっか読んでんだけっども、勉強も出来るしスポーツも人並み以上に出来んだわ。
 しかし、大方のヤツはこいつが話してるとこなんざ見たこた無ぇ。
 俺がこいつくらい万能なら、ちっとは自慢すんだけっども、こいつはそんな素振りも見せやしねぇ。
 なんてーか、あえて誰っとも話さねぇ様にしてんじゃねぇかとも思う。
 そういや、こいつが隣の2号と話してんのを見たことあんだけっどもよ。
 そん時は、こいつが話してんのが珍しかったんで、クラス中が注目してたっけか。
 話してることは全然意味解んねぇんで、面白くもなんともなかったんだけっども。
 
 「長門さん、雰囲気変わったわよね」
 クラスの女子、、小鳥遊《タカナシ》が長門に話しかけてる。
 無駄無駄。訊いてもしょうがねぇ。まともに答えが返ってくるわけが、、
「……眼鏡」
 長門はそう言って、眼鏡の弦を持つみてぇな手振りをした。
 おい、かけてねーよ、って、少し驚いたぜ。こいつが会話してんぞ。
 思わず窓の外を見たんだけっども、別に雨は降っちゃいねぇ。
「眼鏡はずいぶん前に外したじゃない。なんて言うの、雰囲気?」
「……そう」
 言い直してねぇし、俺から言わせりゃ何も変わっちゃいねぇ。おめぇの目が変わってんじゃねぇかと。
「ねぇ、委員長もそう思わない?」
 委員長ってのは俺のこと。だから、いきなり話が俺に飛んできたと。そう言うこった。
 そん時、俺が何も考えねぇで出した台詞は、
「別に。読んでる本が毎日変わってっかくらいのもんなんじゃねぇか?」
 だったんだけっども。
 しったら小鳥遊は、俺の横に来て囁いて来んだよ。
「バカね、きっと長門さんは恋してるのよ。五組の男子と噂になってんのよ」
「マジか?よくそんな話を手に入れてくんな」
「ふふん。大マジよ。しかも、相手の男子が二股かけてるらしいのよ」
「マジか!?」
「うんうん。でも食いつき良いじゃないよ?ふふ〜ん?あなたも?」
 小鳥遊は、口を押さえて長門の方をチラ見する。
「な、なに言ってんだ、おめぇ。んなんじゃねぇぞ」
 そう言い返した時、長門が振り向いてこっちを見てっことに気が付いたんだけっどもな、
「にひひ、じゃーね、ごゆっくり〜♪」
 小鳥遊はそう言うってぇと、とっとと逃げてって女子の輪の中に入ってくんだよ。
 
 場を作ったつもりかっ!!何だその、意味深っちゃ意味深な笑いはっ!俺にはそんな、、、
 
 しょうがねぇ。良いチャンスかもしれねぇし、話して見っか。
 こいつの行動にゃ、ちと疑問があんだ。クラスから逃げてんようにも見えっかんな。
 
「長門」
「何?」
「ちっと話さねぇか」
「……いい」
 そんなことを言って立ち上がっから、一瞬拒否られたかと思っちまったんだけっどもよ。
 こっちに椅子を向けっと、当然こっちに向かって座り直すんだわ。
 でもって、真っ直ぐに俺を見つめてんだぜ。どうすんよ?
 ……今、気がついたんだけっどもよ。
 さっきの小鳥遊も良い顔してんだけっども、こいつもなかなか可愛いじゃねぇか。
 後ろ頭はよく見てっけど、真正面から顔を見たこた無かった。
 いつも本を読んでんだ、見てなくてもしょうがねぇ。
 しかし、照れんな。意識しちまうと、話そうと思ってたことが飛んじまわぁ。
 
「おめぇ、あんまこのクラスにいねぇと思うんだけっどもよ。居づれぇのか?」
「……何故?」
「っと、、、俺、一応、このクラスの委員長だかんな」
「…そう」
「誰か苦手なやつでもいんのか? そもそも学校が嫌れぇか? それは無ぇよな?」
「この学校は、嫌いではない。苦手とする人物も存在しない」
「じゃぁ昼休みは何処行ってんだ?」
「何故?」
「ま、、、良かったらで良いんだけっどもよ」
「……主に部室にいる。……わたしは、あの部屋にいなければならない」
「いなければならない?」
「そう」
 
 なんとなく、理由は聞いちゃいけねぇ様な気がした。何故だか良く解かんねぇが、
ばぁちゃんが上手く炊いた黒豆みてぇなツヤツヤした長門の目が訊くなと言ってんだ。
 
「じゃぁ部室で、部員と飯喰ってんだな」
「そう」
「ああ、じゃ心配いらねぇな。一人でどっかで飯喰ってんのかと思ったんだけっどもな」
「心配ない。……彼も、いてくれる」
 「彼? 彼ってぇと噂の彼、か?」
「………」
 
 ぼそっとなんか漏らして俯いて黙りこくっちまった。
 「……うかつ」だっけか?
 よくよく考えりゃプライベートなこった。止め止め。
「ああ、聞かなかった。なーんも聞いて無ぇ」
 長門は俺の台詞を聞くってぇと、こくっと頷いた。これで良いのかよっ。
 
 ここでホームルームのチャイムが鳴っちまったから、長門にはまた話そうぜと言っといた。
 
 退屈な授業の間、長門の後ろ姿を見てっと、こいつ、やっぱ微動だにしねぇ。
 ノートを取ってる様子も無ぇ。ただひたすらに教師を眺めてんなって感じだ。
 
 なんてーか、こいつ見てっと暇しねぇな。こいつ文芸部だったか。
 一番最初の自己紹介で言ってたっけか。
 
 「長門有希。文芸部所属…予定」
 
 そう言うと座っちまったっけ。クラス全員、「短っ!」って思ったに違ぇ無ぇわ、ありゃ。
 
 なんか気になんなぁ………一度部室に行ってみっか。
 
 


 

 昼休み。
 根掘り葉掘り吐いてもらうわよ、と言う小鳥遊を無視って旧館に来てみたんだけっどもよ。
 
「俺はふかふかした方が好みだな」
「……ぺたんこの方がいいという人もいる」
 
 ドアの向こうから長門の声が聞こえんだけっどもな、、、。
 SOS団って何やってっとこだ?
 文芸部って看板が見あたらねぇんで、
よくよく見てみりゃ、ざーとらしい張り紙かました看板があっからその前にいんだけっどもよ。
 
「ちょっと触って良いか?」
「いい、気にしないで」
「うーん、どっちも悪かないな。でも朝比奈さんのふかふかの方が…悪いな、長門」
「そう」
「あん、あまり触ると変になっちゃいますよう」
 
 知ら無ぇ人の声も聞こえんだけっども、何やってんだ、マジで?
 
「あー、変になっちまったな、長門、大丈夫か?」
「大丈夫。もっと触っても、いい」
「あたし、お水を汲んできます」
 
 突然、ドアが開いちまった。
 開いたドアの先には、、、何でメイドが居んのかが解かんねぇ。
「え、えっと〜、お客様、ですかぁ?」
「お、、お客様ってほどのもんじゃねぇんだけっどもよ。長門、居っか?」
「え、ええ、いますよ」
 そりゃ居んだけっどもよ。何してたんだそんな格好で?まっすます気にならぁ。
「何?」
 長門がメイドの後ろに出てきた。
 黄色い、ヒヨコ柄のエプロンを制服の上から着てっけど。
「PIYO PIYO?」
「ひよこだから」
「……よく解んねぇ」
「ひよこ……」
 寂しそうにすんなって、、、
良く見りゃなんだそりゃ、フライ返し?なんでそんなもん持ってんだ?
「お好み焼き」
「お好み焼きぃ?」
 
「あー、長門。お客さんじゃないのか?もしかして生徒会か?」
 やたらニヤけたのと、みょーに捻くれたっぽいヤツがホットプレートを挟んで何か、、、
ま、お好み焼いてんだけっども、学校で焼くか?調理部なんざあったっけか、この高校? 
 つーか昼休みだぜ?
「火は使ってないぞ。文句を言われる筋合いは、、、あるかも知れんがハルヒに言ってくれ」
 メイドに、お好みに、ヒヨコエプロンに、長門に、ニヤけた男に捻くれ者、、?
 マジで混乱してくんぜ。何処だ、此処は。
 
「大丈夫。委員長」
「それは俺の紹介か?」
「そう」
「委員長?1−6のか?」
 捻くれ者っぽいのが長門に訊いてっぽい。
「そう。委員長」
「そうですか。じゃあ一緒に食べませんか、これ。一人前余ってるんですよ」
 ニヤけたのが俺に言う。パンしか食ってねぇんで喰えねぇこたねぇんだけっどもよ、、。
「そうだな、ちょうど良いかもな。委員長、良かったらどうだ?」
「……食べて」
 
 なんで昼休みっからお好みなんかが解かんねぇんだけっども、長門が言うんだ、喰ってくか、、。
 
 
「どうぞ〜」
 メイドが熱々のお茶を注いでくれんだけっども、上靴の色を見りゃ、二年じゃねぇか。
「ありっす」
「ふふっ♪」
 …可愛い人だなこの人も。
「ハルヒは何処まで行ったんだ?」
「さぁ?解らないですね」
「どろソースじゃないと食べる気がしないって、、買いに行くって言ってましたけど」
「ですね、近くには売ってないでしょうが。ネタだけ冷蔵庫に入れときますか。放課後に焼いて喰えば良いですし」
「そうしましょう〜」
「あ、、余ってんじゃなかったんか?喰い始めてから言うんもなんなんだけっどもよ?」
「良いんだよ。あいつが安かったからって六人前まとめて買ってきたんだから」
 お好みを頬張りながらキョンとやらが話す。
「ちっと変わった団長なんだな、此処の団長さんってな」
「変わり者も変わり者、そんじょそこらの変わり者が、対抗してもっと変わっちまうくらいの変わり者さ」
 俺もなんだか良く解かんねぇうちに昼休みに焼きたてのお好み喰ってんだけっどもな、、。
 
「おまえらは始終こんなことやってんのか、、?」
「……わりと」
「ですね。僕らは少し、非常識な集団なんですよ」
 ニヤけ顔には訊いてねぇんだけっどもな。
 
 なんだ、こんなとこに、面白いもんがあんじゃねぇか。
 やってるこた無茶苦茶だぁな。まぁそれが良いんじゃねぇか?
 長門、結構楽しそうにしてんな? 俺もなんか解かんねぇが嬉しくなってくんぞ。
 
 SOS団、か。面白れぇ。
 お好み焼くんなら、、せめて放課後にすりゃ良い、と思うんだけっどもな。
 
「あなたに、質問がある」
「な、、何だよ、いきなり」
「朝、あなたも突然だった」
「解ったよ。何だよ、言ってみ」
 俺、お好み喰いてぇんだけっども。そう言われりゃ答えねぇわけにゃいかねぇな。
「何故、その話し方?」
「何故って、、悪りぃか?」
「悪かないが、、。もう少し女の子らしい話し方でも良いとは思うがな」
「捻くれ者は黙ってろってんだ」
「だ、誰が捻くれ者だ!」
「おめぇだ。おめぇ」
「金髪のメガネお下げでそんな口調の女に言われたくないぞ?」 
fileincho.png
「悪かったね。俺はハーフなんだ。イギリスで日本語習ったんだけっども、この話し言葉だったんだ!」
「いや、、悪かねぇけどな」
「どっちなんだよ?」
 
「……ユニーク…」
 
 
 お好みを喰い終わって、長門と一緒に教室へ帰ることになったんだけっどもよ。
 
「どろソース、買ってきたわよー。って、もう昼休み終わるじゃない!どうしてくれるのよ、キョン!」
「知らん」
「知らん、じゃ無いわよ!責任取りなさーい!!」
 
「何だ、ありゃ?」
「団長。いつものこと」
「かなり変わり者に違げぇ無ぇ。面白そうだな、SOS団。俺もちっと参加させてもらっかな?」
「推奨はしない。しかし、、」
「しかし?」
 
「……あなたも、退屈から抜け出せるかもしれない」
 
 
 長門が、ちっと幸せそな顔したみてぇに見えたんだけっども、、気のせいか?
 
 
                      おわりなんだけっどもよ。俺、すっげぇソース臭ぇ、、。
 
 
 
 Special Thanks to 長門有希に萌えるスレ45>>770>>774

 



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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:25 (1834d)