作品

概要

作者ID:3Xt/x0RN
作品名無題
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-09-02 (土) 22:10:07

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

さて。今俺はこのくそ長い上り坂を登っているわけだが、もううんざりしてきた。
体を芯まで冷やす風が実に憎い。北風と太陽がけんかでもしてくれて見事に太陽が勝てば、晴れてこの寒さともおさらばできるわけだ。
さあ太陽よ、俺には祈る事しか出来ないが、がんばってくれ。そんな事を考えてるうちに校門に到着していた。
なぜおれがここに来たかと言うと、俺の手の中には白紙の入部届があるからだ。
それ以外に理由はいらないであろう
そして、古ぼけた木製扉を叩く。
「…どうぞ」
扉を開けると、そこにはやはり人生の半分以上は本を持って生活しているんではないかという少女がいた。
「よう!」
一瞬こっちを見た長門は頬を朱色に染めて、すぐさま視線を本に落とした。
「これ持ってきたんだが…」
ひょいと紙を机の上に置き、パイプ椅子に座る。
長門はこっちを見た。
「………」
「ああ、書き方がわからないんだ。何を書けばいい?」
おれがそういうと、長門はパタンと本を閉じた。
長門は、その場に立ち上がると視線を落としながら近づいてきた。恥ずかしがっているのか…
その光景はなんともほほえましい。
「…隣、いい?」
「ああ」
俺はパイプ椅子をすっと後ろに引いてやる。
そこへ長門がすっと腰をおろした。なにやら手をもぞもぞしている。
「寒いのか?」
「…少し」
ヒーターも何もない部屋だから、息が白くなる。ここはそれくらい寒いのだ。
「この紙になにを書けば…」
「…何も書かなくていい。」
「入部届じゃないのか?」
「紙を提出してくれる…それだけでいい。」
そう言っている長門の横顔は何ともいえないかわいさがあふれていた。
「あなたの意思表示が欲しかった。」
長門は小さい声でそういった。
しばらく沈黙が続いた。
時より横目で長門の顔を見ると、長門も横目でこっちを見ていて目が合う。
すぐさま前を向き、また沈黙。
沈黙は苦じゃなかった。長門は沈黙していて普通なんだしな。
たまに手をもぞもぞとこする長門を見て、俺はこういった。
「寒いか?」
「大丈夫」
「寒そうだって。」
俺は、首に巻いてきたマフラーを長門に巻いてやった。
長門はどこまでも吸い込まれそうな黒い瞳で俺を見つめていた。
「…ありがとう」
長門は顔を朱に染めて小さい声でそういった。
「増えるといいな」
「?」
「部員だよ。俺たち以外にもっと人数が増えるといいな」
長門はなぜか沈黙している。その後、ゆっくりとこっちを向きこう言った。
「…二人で…いい。」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:21 (1921d)