作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんとミヨキチ 1
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-31 (木) 15:45:42

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

日本を含めあらゆる国で安息日とされ、仕事も学校も休みとなる日曜日。
しかし我らがSOS団にそのようなものは存在せず、
今日も今日とて不思議探索に駆り出されることになった。

 

「遅い!罰金!!」

 

毎度の事ながら集合時間には間に合ってるじゃねーか。
しかも今日は30分も早く来てやったんだぜ?
なのになんでお前らはもうついてるんだよ……

 

「あんたは私への忠誠心が足りないのよ」

 

残念ながら俺は騎士でもなんでもない。
それ以前にお前は俺の何なんだ……

 

「でもあんたにしちゃ早くに来たんじゃない?少しだけ評価してあげてもいいわ」

 

それはありがたいこった。
まぁ今日早く来れたのは、朝から公園に遊びに行く予定だった妹が
俺にいつもより早く地獄の断頭台をかましたからなんだが……
別にお前の予定にあわせて起こしてくれなくていいぞ?妹よ。

 

「評価はいいから罰金を無しにしてくれ。軽い財布はコリゴリだ」

 

「ダメよ!団長の命令は何があっても覆らないの!!」

 

やれやれ……せっかく妹とミヨキチに貰った財布が早くも軽くなっていく……

 
 
 

恒例のくじ引きでは朝比奈さんと古泉が二人ペアとなった。
この組み合わせではどう見ても美男美女のデートにしか見えないぞ。
くそ、いまいましい。ああいまいましい、いまいましい。
そして癒しの妖精とニヤケ野郎がペアと言うことは必然的に、

 

「キョンと有希があたしのペアね……喜びなさいキョン」

 

何を喜べと言うんだ…たしかに傍から見れば両手に花なんだがな……
同じ花でも長門は静かにたたずむ白い美しい花だが、
お前の場合は虫どころか象でも食べちまう食虫花だ。俺の命が危ぶまれるぜ。

 

……まぁまんざらでもないけどな。

 
 

毎度の事ながら伝票を強制受理させられた俺はレジで支払いをする。
さらば樋口一葉……財布がまた軽くなっていく。
まぁ質量的には小銭が増えて重くなってるんだがな……そこは気持ちの問題だ。

 

「あっ、その財布……」

 

朝比奈さんが俺の財布を見て少し驚いた声を出す。

 

「もしかしてこの間言ってた妹ちゃんとお友達からのプレゼントですか?」

 

「え?あぁ、そうですよ」

 

よく覚えてましたね朝比奈さん。
いつもの俺の財布の柄も覚えてたんですか?

 

「見せてもらってもいいですか?」

 

朝比奈さんの頼みだ……断るような奴はぶっ飛ばしてやりますよ……
と言いたいが、ここ最近の未来からの指令をやってみて、今度は断りたいと思ってたりもする。
でもまぁこの程度のお願いなら断る必要はない。

 

「どうぞ。いくらでも見てやってください」

 

「ふふ。ありがとう……わぁ〜ホントに重いんですね〜
これならもう財布が軽くなることはなさそうですね」

 

今まさに軽くなったトコですよ朝比奈さん。
それとももうこれ以上は、って意味ですか?まぁこの顔が見れれば安いもんですが……

 

「デザインも中々……これを選んだ人はセンスがありますね」

 

いつの間に来たんだ超能力者よ。あと顔を近づけるのは止めてくれ。
俺には男の顔を見て喜ぶ趣味はないぞ。

 

「あぁ、それならミヨキチが選んだんだろ。うちの妹にそんなセンスがあるとは思えん」

 

なんたってウチの妹は『財布が軽い』と嘆いていた俺に『こうすればいいよ』って言って、
ネジや釘を財布に入れてたくらいだからな……
将来朝比奈さんみたいにならないか心配だ。朝比奈さんは……もう手遅れかな?

 
 

だが、俺はこのときすぐ近くで恐ろしい妖気を感じた。
朝比奈さんも何だかオロオロして俺の後ろを見ている。

 

たしか俺の後ろには……長門とハルヒがいたな。
奇遇なことに妖気もその方角から感じるんだが……振り向くのは止めよう。
とりあえず、店から出よう。店員さんもこっちを見て固まってるしな。

 
 
 
 

店を出た俺たちはいつものように二手に分かれた。
おびえる朝比奈さんを古泉にまかせて、俺は長門とハルヒと歩き出した。
二人とも表情はいつもどおりだが、黒いオーラが隠れてない気がする。

 

「ねぇキョン……」

 

「な、なんだ」

 

突然名前を呼ばれて挙動不審になる俺。
涼宮さん?なんか笑顔が怖いのは気のせいでしょうか?

 

「あたしもキョンの財布見たいな〜」

 

なんだハルヒ?もう俺の財布には金はないぞ。

 

「ちょっとデザインをあたし風にアレンジしてあげようかと思って……ボロゾウキンニシテヤル」

 

え?デザインアレンジってなんですか涼宮さん?
ていうか今最後に何かボソッと言いませんでした?

 

「私も見たい……」

 

長門もどうしたんだ?どこにでもある普通の財布だぞ?
別に中に本が入ってるわけじゃないぞ。

 

「実際に見ないと情報結合を解j……何でもない。ただ興味があるだけ」

 

えぇ?今何か懐かしいこと言いませんでした?
朝倉のナイフと共に記憶が浮かび上がってきてるんですが……

 

俺が朝比奈さんみたいにおどおどしていると、二人は強硬手段に出た。

 

「あら……あそこの公園に丁度よくトイレがあるわね〜ちょっとそこまで行かない?」

 

行かない……断じて行きたくない。今言ったらカツ上げより酷い目に合わされそうだ。
だがそんな俺の意思を無視してハルヒは引っ張っていく。助けてながモ〜ン

 

「私もそれがいい……あなたも一緒に……」

 

何だこの四面楚歌状態は……そして俺は二人にズルズル引きづられそうになっていた。
誰か助け……この際古泉でもいい。チャック全開の谷口だってOKだぜ。

 

そんな俺の願いが通じたのか、俺を呼ぶ声がした。

 

「あっ、キョンくんだ〜なにしてんの〜?」

 

妹だ!そういえば今日公園に行くって言ってたな。
ありがとうハルヒじゃない神様!!あなたの遣わした助け舟ありがたく頂戴します!

 
 

……だが、この助け舟には船底がなかったようだ……

 

「こんにちは、キョンお兄さん」

 

……神様……底を抜くのはひしゃくだけにしてくれ…

 

そう嘆く俺に手を振りながら元気いっぱい向かってくる妹の横には……

 
 

一人のスレンダーな美少女がいた。

 

名前は言わなくてもわかるだろう?後ろの二人も分かってるし。
そう……その少女の名は吉村美代子……通称ミヨキチだ……

 
 

あぁ……後ろの方を見たくないな……

 
 
 
 

飛びついてきた妹により、俺は長門とハルヒの手枷から逃れることが出来た。
ありがとう妹よ……お兄ちゃん嬉しいぞ。
でも今回ばかりは他の子と遊んでくれていればもっと嬉しかったんだが……

 

「あっ、ハルにゃんに有希ちゃんだ〜」

 

わが妹ながらこの状況で声を掛けられるとは……大物になるよお前は。

 

「こ、こんにちは。妹ちゃん」

 

「こんにちは……」

 

二人とも顔が引きつってるが気のせいか?

 

「そうだ!キョンくんおサイフつかってる〜?」

 

バ、おまっ、地雷ワードを軽々と……
後ろの二人の視線が怖いが、お兄ちゃんとしてはちゃんと妹に空気を読めと注意しなければ。

 

「あぁ……使わせてもらってるよ。ありがとな」

 

「えへへ〜」

 

あれ?俺さっき何て考えてたっけ?まぁこの笑顔が見れればなんでもいいさ。
兄バカじゃないぞ?

 

「ミヨキチと2人でさがしたんだよ〜」

 

そうかそうか……お兄ちゃん嬉しいぞ。背中がジリジリしてるけどな。

 

「気に入ってもらえて嬉しいです」

 

ミヨキチがお淑やかに言う。
ホントにウチの妹と同い年なのか?何を食えばこうなるんだ?

 

「『キョンくんが重いサイフがほしい』っていってたってはなしたら、
ミヨキチがみつけてきたんだよ〜」

 

妹よ……それは二人で見つけたとは言わないぞ?
だがここはちゃんと感謝の意を述べなければ……すでに背中は重度の火傷だが。

 

「あぁありがとな……ミヨキチもありがとう」

 

「いえ、そんな……」

 

あくまでお淑やかなミヨキチ。
娘が出来たらこんな子に育てたいな。もしくは鶴屋さんみたいな子がいい。

 

「ところで……」

 

何だ?お兄さんとしてはそこから先は言わないでもらいたい。
出来ればもう少し現実逃避を……

 

「そちらの方々は……どちら様でしょうか?」

 

あぁ……なんか頭に『修羅場』って浮かんでる気がする……

 
 
 
 

俺がしばし途方にくれていると妹がミヨキチに言った。

 

「んとね〜こっちがハルにゃんで、あっちが有希ちゃんだよ!」

 

妹よ……もう少しまともな紹介をしてくれ。
お兄ちゃんはちょっとお前の将来が心配だぞ。

 

「涼宮ハルヒ……よ。よろしくね?ミヨキチさん」

 

史上これほど怖い自己紹介もないだろう。
手を差し伸べてるが握りつぶす気満々じゃねーか。

 

「長門有希……よろしく」

 

長門も俺に分かる程度に微妙におかしい。
まぁミヨキチから見れば普通の女の子に見えるだろう。

 

「吉村美代子です。よろしくおねがいします」

 

相変わらず丁寧な物腰だな。
一応『ミヨキチ』というのはあだ名だと俺がフォローを入れる。

 
 

「ねぇねぇ〜キョンくんたちはなにしてんの〜?もしかしてデート?」

 

妹の『デート』と言う言葉に違う意味で豹変する二人……

 

「ちょっ、妹ちゃん!?何てこというの?そんなわけないじゃない。あたしたちはただ……」

 

テンパりすぎだぞハルヒ……そこまで否定されると悲しいものがある。

 

「デートではない。私たちはまだそんな関係になっていない」

 

長門もそうはっきり否定しなくても……って『まだ』ってなんだ?
だが妹のおかげで空気は暖かくなった。ありがとう妹よ。

 

「コラ、あんまり馬鹿なこと言って人を困らせるんじゃありません。おにいちゃん怒るぞ?」

 

「そうよ。あんまりキョンお兄さんを困らせたらダメじゃない」

 

ミヨキチもフォローしてくれる。いい友達を持ったな妹よ。
だが次のミヨキチの言葉に再び空気が凍りついた。

 
 
 

「それにどうみてもデートしてるようには見えないでしょ?」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:18 (2732d)