作品

概要

作者Thinks
作品名長門有希の、いわゆる一つの萌え要素  −第13744回−
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-31 (木) 00:59:12

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 
 今日は、長門と俺は電車に乗って、とある街に来ている。
 とある、、俺にとってはもう、閉鎖空間のビル街と言うイメージしかなくなってるんだがな。
 あの時、青くて馬鹿でかいヤツが一撃でぶっ壊したビルの中にある本屋で、
 腹ごなしついでに背表紙を眺めているわけだが、、、。ちなみにここは、マンガ専門店である。
 マンガに興味があったのか、長門?
 
 俺には少し気になるところがある。ここの所、長門が妙なのだ。
 いつも無表情で感情を表に出すどころか、音の一つも立てない時もあるこいつが、
三日連続で俺をデートに誘って来たのはどういう訳だ?
 
 
 長門から電話があったのは一昨日の事だ。
 妹が取り次いだ電話を取るなり、受話器から聞こえてきた言葉はこうだった。
「遊びに行く。付き合って欲しい」
 二つの文だけの短い台詞だったが、両方に激しく違和感を伴っており、
「はぁ!?」
 と、返答をした俺に長門は、同じ台詞をもう一度繰り返し、
「はぁ」
 俺は同じような台詞を返したのだった
 別に暇だから良いんだけどな。妙に忙しかったような気もするが、実際は暇。
 そんな心境だった俺は、断る理由も無いので要望に答えたのだった。
 
 一昨日は山登り。ロープウェーに乗って行ったんだから楽なもんだ。
 この山の山頂には誰でも着ける様になってる。夜景スポットになってるくらいだ。
 冬はスキー場になる緑の斜面を眺めながら歩いた。
 緑の中を走る道路、その中に白いワンピースの少女がいる。うん、絵になるかな?
 その後、世界中のありとあらゆるオルゴールが置いてあるらしい建物に入ったりした。
 長門は、パイプオルガンみたいなオルゴールが、バイオリンを自動演奏するのをしげしげと眺めていた。
 
 昨日は動物園。この動物園にはジャイアントパンダやコアラもいるのだが、
長門は真っ先に『ふれあいコーナー』に行き、ウサギとかハムスターと戯れていた。
 長門は、白くて赤目の結構でかいウサギを両手で持って俺の前に差し出し、
「撫でて」
 なんてな事を言う。この辺りから妙だなとは思ってたんだが。
 
 
 そんな訳で、今、俺らは観覧車の中にいる。
 二人きりの観覧車だ、良いねぇ。…なぜかこの観覧車はビルの上に立っているのだが。
 見た目のインパクトはたいしたもんだ。だが、最も高い地点に至っても、
さっき俺らがいた本屋があるところから見下ろされているのが変なのだが。
 などと、誰にともつかないツッコミを入れていた俺の方に、長門がふらっと移動してきた。
 しかし、俺のほうに倒れこんできて、俺の胸に顔を埋めて、
「あ…」
 と、呟いたまま硬直する長門。何事ですか!? こっちに来ると同時に少し揺れたのか、、、
そんな感じはしなかったが?
 長門は硬直から逃れると、俺の隣にちょこんと座って来た。そのまま俯いて無言でいる。
 
 変だ。なんか嬉しいほうに変だ。
 よく解らないが変だ。無言で無表情なのはかまわんのだが、身の振る舞いが全く違う。
 長門、どうした、何か言いたいことがあるのか?
 
「………何も………」
 
 
 翌日。
 今日はお呼び出しがなかった。
 大分寂しい思いをしながら、誰かに会わんもんかと適当に街をぶらついているうちに日が暮れた。
 飯喰って、風呂入って、白紙のノートなんぞを溜息つきながら眺めていると、
こんな時間にお呼び出しである。
 今日は携帯に直接だった。
 
「覚悟は出来ている」
「はあぁ!?」
 
 
 電話がかかって来たのは二十二時を数分回った時だった。
 チャリをぶっ飛ばしながら俺は考える。
 ここの所、妙だった長門の態度。あれはもしかして俺に、、?
 長門はさっきの電話で、
「わたしなら、かまわない」
「どうなってもいい」
「また、繰り返す」
 そんなことを譫言のように言い始めたのだ。
 
 何だそれは、最近話しに聞く「ヤンデレ」ってやつか?
 俺にはそんな属性は無いが、良い具合に妙な長門は悪かなかったぞ?
 
 
 部屋に入るなり、お茶を入れてくれることも無く、何の会話があるわけでもなく、
長門はいきなり、三年間、俺が寝ていた部屋の扉をすっと開け、中に誘ってくる。
 
 畳敷きのその部屋には。今回は確実に一組の布団が敷かれていて、枕が二つ置いてあったりした。
 
 な、長門。俺が悪かった。これは瞬時に理解させていただいた。
 だから落ち着け、な?
 おまえが俺をどう思っているのか、そんなこと考えたことが無かったんだ。
 なんていうか、その……おまえは友達だ。いやそれ以上だ。
 俺が危なくなったとき、いつも助けてくれた。頼りになる。
 うぁ、本当になんと言っていいのか解らんのだが、その、、、。
 いきなり布団を敷かれていても、俺はおまえを、、、そうして良いのかどうかが解らんのだっ!!
「……………意気地無し」
……ああ、反論は出来ない。しかし俺はおまえの事を、俺なりに…
 
「…あなたが強気だったら、……わたしはとっくに…」
 
 長門は、呆然としている俺に向かって、続けて言った。
 
「わたしは、あなたに興味をもたれる存在になる事を希望した。
故に、あなたが興味を持つ、萌えと言う物についても調査した。
適度な違和感が、それに繋がるとも理解した。そして、行動に出た。
この一万三千七百四十四回のシークエンス中、一度も欠かしたことは無い。
なのに、あなたは、どうして、気づいてくれない………の……」
 
 俺は何も言わずに、俯いている長門を抱きしめた。
 すまん、俺、おまえの気持ちを…
 ピピッ
 腕時計の時報が鳴った、ような気がした。
 
 
                         …時間の経過を忘れていた。うかつ。
 
 
 
 八月十七日、一万三千七百四十五回目。
 涼宮ハルヒに呼び出された。
 夏休みの予定表。その後の探索。
 凡そ、三回に二回がこの展開。
 
 くじ引き、情報操作。彼と二人。
 彼が何か言いたそうにしている。
 わたしが、告げたい。意気地無し。わたしは、あなたに。
 
 仕方が無い。彼は、絶望的に鈍いのだ。
 しかし、諦めたくは無い。
 ループを抜けることが最優先であると、情報統合思念体からの命令が来た。
 指示には従わなければならない。アプローチプログラム・ストップ・アッド・フォース。
 
「あなたが強気に出たならば、……わたしはすでに……あなたの、所有物(もの)」
 
 
                           何をぶつぶつ言ってんだ?長門?

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:18 (1776d)