作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんと美的ランキング
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-30 (水) 17:24:12

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

※下につちのこさん画の挿絵が添付されています。

 
 
 
 

ある日の昼休み。
俺と国木田はいつものように谷口の絶対に成功しないナンパ話を聞いていた。
というより俺たちは二人とも奴のセリフをBGMに弁当を食べていた。
それにしても、こいつは女性心理と言うものがまったくわかってないということに
いつになったら気付くのだろうか。
全開のチャックと共に早く気付いて欲しいものである。

 

第一谷口のセンスは地に墜ちている。
毎度毎度聞かされる奴の美的ランクもそろそろ粛清……じゃない訂正が必要だろう。
学校全体の女子のランキングをした努力は買ってやるが、
いちいち俺にそのまとめを紙に書いて渡してくるな。
処分に困る……学校のゴミ箱に捨てて誰かに見つかれば後が大変そうだ。
ハルヒが見つけた日には……想像したくもないね。
あと、長門がメガネを外したことを残念がっていたようだが、
長門はメガネがないほうが絶対にカワイイ。これだけは譲れん。

 

そんなことを考えながら俺は今日もSOS団室に向かった。
団室についた俺はノックをする。
SOS団の癒しの精である朝比奈さんが着替え中だと困るからな。
何が困るかはあえて言わないでおこう。
いつもならここでセイレーンでさえ舌を巻くような甘い声が聞こえるのだが……

 

「……」

 

どうやら朝比奈さんは不在のようだ。
かわりに沈黙で返事をいただいた。ということで中にいるのは……

 

「よぅ、長門」

 

寡黙な美少女宇宙人だ。
長門は本から目を放し、俺に分かる程度に頷く。
一度でいいからちゃんと挨拶をしている長門が見てみたい。

 

「他のみんなは?」

 

「涼宮ハルヒと朝比奈みくるは新たな衣装を買いに行っている」

 

……またコスプレか……ったくハルヒの奴は……
正直大感謝です。

 

「古泉一樹は用事があると言って帰宅した」

 

「また……閉鎖空間か?」

 

「違う。本当にただの用事」

 

古泉の『用事』は気になるが、長門がそういうなら間違いないだろう。
それに俺が気にしたって仕方ない。
いまはハルヒ達が帰ってくるまでこの静寂を楽しむとしよう……

 

そこで俺の意識は途絶えた。

 
 
 

……う〜ん?ん?
何か夕日がまぶしいな……
あれ?もしかして俺……

 

どうやらあまり静かすぎて寝てしまったらしい。
数少ない静寂な時間を無駄にしてしまった。もったいない……

 

ふと横を見ると長門が何かを読んでいる。
どうみても本ではないな……レポート用紙か?
適当に紙を束ねただけの書類みたいだな……でもどっかで見た気がす……

 

「ぬぁっ!?」

 

反射的に飛び起きる俺。
長門が持っているものに見覚えがあるのは当然だ!
なんたってさっきまで俺が持ってたんだからな。

 

飛び起きた俺の声に驚いたのか、長門はこちらをゆっくり見上げる。
その長門が手にしている紙束にはしっかりとタイトルが書いてあった。

 
 

「谷口様の美的ランキング 北高編」

 
 
 
 

「これは何?」

 

珍しい、長門が疑問詞を使った。
できれば普段の生活の中でももっと使ってくれると嬉しいぞ。

 

「あ〜それは俺の友達の谷口っていう奴が無理やり押し付けてきたんだよ。
それで処分に困ってたんだ」

 

くそっ、何で谷口のアホのせいでこんな目に……
だが見つけたのが長門でよかった。長門ならこんなものには興味を持たな……

 

「この中に私の名前があった」

 

しっかり見てるー!?
やっぱり女の子だもんね。興味持っちゃうよね?でも持って欲しくなかったな〜

 

「あ〜それはその谷口ってアホが独自に北高の女子生徒を調査してだな……」

 

「このA-って……何?」

 

まさかそんなトコまで見てらっしゃるとは……
って長門さん?何でそんな黒いオーラ出してるんでしょうか?
なんだか息苦しいんですが……

 

「まさか……」

 

更にオーラを増す長門。
よく見ると物凄い目をしてる。映画撮影のみくるビームよりはるかに怖い。

 

「このA-は……」

 

長門さんのお怒りはごもっともです。でも俺にも弁解をさせてください。
そんな目で見られると俺の声帯が動きません。

 

だが、次の長門の一言で俺は声を取り戻した。

 
 
 

「……バストのサイズ?」

 
 

……はい?

 
 
 
 

一体何が起きたかわからない俺をよそに、
長門は言葉を続ける。

 

「確かに私の胸部は一般女性と比べ小さい。」

 

あのー……長門さん?

 

「しかしこれは……活動しやすいようにしているだけ」

 

もしもーし。

 

「胸部に余分な脂肪がつくことは……行動に支障が出る」

 

何か涙目になってません?

 

「それに……私の胸……はA-で……はない……そのよう……な単位は存在……しない」

 

なにやら嗚咽じみたものが聞こえてきそうですが。

 

「頑張れば……Bくらいにはなる……」

 

……泣いてるのか?

 

「泣いて、ない」

 

涙目だぞ?

 

「……原因……不明。異常動作……」

 

長門の泣き顔……といっても少し目が潤んでる気がするだけだが、
俺に罪悪感を感じさせるには充分すぎる威力を持っていた。

 

そして俺は思わず……本当に考えるより体が動いた……

 
 
 

長門を抱きしめていた。

 
 
 
 

冷静に考えれば、今ハルヒ達が戻ってきたら間違いなく俺の命はない。
ついでに古泉のバイトも20倍くらいにはなるだろう。

 

だが俺は長門を抱きしめる腕を緩めなかった。
長門も抵抗せず顔を俺の胸にうずめている。

 

そうだよな……長門も女の子だもんな……
『美』なんて書いてあったら反応したくもなるよな……
しかも自分の名前の横に謎の評価がついてるんだもんな……

 

俺はそのあとじっくりと長門の誤解を解いた。
これは身体に関するデータではなく、
谷口というアホが自分の好みによって勝手に作ったランキングだ。
それにA-っていうのはかなりの高評価なんだ、ってな。

 

長門は少しだけ落ち着いたのか、俺の話を静かに聞いていた。
涙目の長門も可愛かったけど、やっぱり長門は今の顔が一番だ。

 

「俺の不注意でお前に不愉快な思いをさせちまった。本当にすまん」

 

俺は心底謝った。いくらチャックバカが原因とはいえ、
俺が紙束を受け取った時点で捨てていればこんなことにはならなかった。
しかもそれが原因で長門を泣かせてしまったんだからな。
だが長門は

 

「いい……あなたの物を盗み見た私が悪い」

 

といって俺には非がない様に言ってくれた。
とはいえ、本当に俺の不注意が原因だ。ここはきちんと謝らないといけない。

 

「いや、しかし……」

 

「本当にいい……それより……」

 

何だ?言いたいことがあるなら何でも言ってくれ。
お前の言うことなら何でも聞いてやる。
ていうか即答してやる。

 

そう心に決めていた俺だが、
長門が続けた言葉と行動によりそれは不可能となった。

 
 
 
 

「あなたから見た私の美的ランクが知りたい」

 

そういって今度は長門のほうから俺に抱きついてきたからな……

 
 
 
 

たっぷり放心状態に陥った後、俺が長門に言ったことや、
俺の美的ランキングのぶっちぎり頂点に誰が君臨しているか、
ってのは各人の想像に任せることにしよう。
俺と長門の二人だけの……秘密だ。

 
 
 

P.S.
長門が朝倉より低評価を受けていると知って、
谷口をホンジュラスに飛ばそうとした話はまた後日……

 



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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:17 (2735d)