作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんとそばかす 2
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-27 (日) 00:38:07

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

正直に言って、眼鏡をかけたそばかすのある長門は……かなり可愛かった。
長門の純朴さが増している。花でいうと……例えエーデルワイスでも風に乗って逃げていくだろう。

 

だが俺は知っている。

 

男から見れば、そばかすの有無などそこまで取るに足らない。
少なくとも俺は女の子の顔のそばかすの有無ごときで一喜一憂はしない。

 

しかし女の子が顔にそばかすがあるのは好ましいことと取ることがあるか?
女に詳しくない俺だが、その可能性は低いと思う。
少なくとも目の前にいる純朴少女は自分の顔に突如表れたものを好ましく思っていない。
俺でなくても分かる。

 

ここまで沈んだ眼と表情をした長門は……正直見たくなかった。

 
 
 

この日の団活は終始静かなものだった。
というより気まずい。俺としてはとっとと帰りたかった……がそうはいかない。
長門を元に戻してやらないといけないからだ。

 

突然の長門の文学少女化はおそらく昨日のハルヒの発言が原因だろう。
ハルヒの変態パワーにより長門は表面だけ文学少女になったのだ。
そしてハルヒパワーは絶対的であるがゆえに長門の力をもってしても、
元の状態に戻すことが出来なかったのであろう。

 

何とかない頭を使って策を考える。
古泉とオセロをやっている場合ではない。
だが、いつもどおりにしないと長門に負担がかかるかもしれない。
心の方にな。

 

「どうしたんですか?今日のあなたはいつもの強さが感じられませんよ?」

 

今考え事中だ。空気読め!

 

「そうですね……もっと真剣にやってもらうために賭けをしましょうか?」

 

本気でぶん殴るぞ?朝比奈さんだって睨みまくってるじゃねーか。

 

「負けたほうは顔に落書き、でいかがでしょうか?」

 

視界の隅で『顔』という言葉を聞いた長門がビクッとする。
もう許さん。そのニヤケ面が2度と見れねぇようにしてやる!

 

……だがその時俺は古泉のニヤケ面に何かを感じた。
何だ?古泉は何が言いたい?今さっき古泉はなんと言った?
必死に考える俺。そしてある一つの答えにたどり着いた。

 
 
 

……そうか古泉……そういうことか……

 

準備は既に整ってますよ、と言わんばかりの古泉の笑みを受けて
俺は今頭に浮かんだ『長門有希元通り作戦』を開始した。

 
 
 
 
 

はぁ〜何で有希の顔に急にそばかすなんか出来たのかしら?
昨日まではなかったのに……
有希はかわいいからちょっとくらいそばかすがあっても問題ない、
ていうかそっちの方がいいって言う男もいるだろうけど、
有希自身は……やっぱり嫌よね。
だって女の子だもんね。

 

そうやって考え事をしているあたしに急にキョンが声を掛けてきた。

 

「おいハルヒ……お前長門になんか言うことないのか?」

 
 
 
 

今朝、私の顔面部に通常とは異なる要素を確認。
眼鏡と黒色メラニンの集合が発生。
そばかす……その言葉が浮かぶたびにエラーが蓄積する。

 

何故か彼に顔を見られたくなかった。
行動には何の支障もないはず。何故?

 

涼宮ハルヒが彼を吹き飛ばした時に、彼と眼が合った。
見られた。
エラーが大量に発生する。
本で顔を隠す。この距離では読めない。異常動作。何故?

 

私に詰め寄る涼宮ハルヒに彼が立ちはだかる。
私をかばって……嬉しい。
けれどこのままでは彼が危険。
やむをえず、顔をさらけ出すことにした。
彼に嫌われてもいい……彼を守らないと……

 

その後の団活動は静かなものであった。
彼の一挙一動が気にかかる。彼に嫌われてないだろうか?

 

古泉一樹が『顔』と言った時にまた異常動作を感じた。何故?
胸が熱くなる……当該部位の体温上昇を確認。
そしてその言葉を聞き考え込む彼。
何を考えているのか心配になる。何故?

 

すると彼はおもむろに涼宮ハルヒに声を掛けた。

 

「おいハルヒ……お前長門になんか言うことはないか?」

 
 
 
 

「おいハルヒ……お前長門になんか言うことはないか?」

 

俺はハルヒに聞いた。

 

「あたしが有希に言うことって……何よ?」

 

「お前が昨日言った馬鹿なことのせいで長門はこんなことになったんだぞ?」

 

視界の隅で朝比奈さんが物凄い顔をしている。
蚊帳の外にしてすいませんがしばらく大人しくしていてください。

 

「どういうことよ……」

 

動揺するハルヒ。
閉鎖空間が出たらすまんな古泉……だが覚悟はしてるだろ?
その覚悟を見せるように古泉が続ける。

 
 
 

「涼宮さんの願いが現実のものとなったのですよ」

 
 
 
 
 
 
 
 

「涼宮さん……長門さんはあなたの言うことを真に受けたのです。
だからこんなことをしたんですよ」

 

長門がこっちを向く。

 

「こんなこと?」

 

何も分かってない様子のハルヒ。当たり前だ。気付かれては困る。

 

「あぁ……」

 

俺が続ける。

 

「長門はな、お前の言った文学少女像に合わせるためにな……」

 

そして俺はあるものを取り出す。
そこらへんに転がってたもんだけど何とかなるだろ。

 
 

「このペンで自分の顔にそばかすを書いたんだよ」

 
 

そういって俺は1本の黒ペンをハルヒに見せた。

 
 
 
 

俺と古泉の作戦はいたってシンプルなものだった。
目的はただ一つ。

 

ハルヒに長門のそばかすは偽者だと思わせることだ。

 

そうして最後に一言……

 

「……じゃあ、有希の顔はすぐ元通りになるのね?」

 

……作戦成功だ。

 
 

このハルヒの言葉どおり長門のそばかすは顔を洗っただけで取れた。
髪の毛に雫をつけた長門はかなり本能を揺さぶられたが……
やっぱり長門はどんな格好でもかわいいな。

 

ほっとした顔になるハルヒと……長門。
この顔を見れたなら俺の脳みそも働いた甲斐があったってもんだ。

 

そして俺は最後にもう一つフォローを入れた。
というか言いたくなった事を言った。

 
 

「長門……そばかすがあるお前も可愛かったぞ」

 
 
 

ま、フォローというか本心を伝えただけなんだけどな……

 
 

P.S.
俺の言葉を聞いた長門がいきなり黒ペンで自分の顔に落書きしようとした話はまた後日。

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:14 (2706d)