作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんと雪見大福 1
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-26 (土) 13:03:05

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

……俺の目の前では今特撮映画も真っ青になるくらいの火花が飛び散っている。
一応言っておくが、別に溶接作業や花火をしてるわけではない。
そんな大層なことをこの部屋……文芸部室兼SOS団室でできるわけがない。
そう……目の前で起こっていることは、傍から見ればほんの些細なことで起きた些細なことなんだ。
なんてくだらない……お前は子供かと言いたくなるくらい些細なことなんだ。

 

じゃあなんでそんな困ってるのかって?
賢明な諸君には言わなくてもわかるだろう……

 

……その子供みたいなことをやってるのが誰あろう団長様と、無口宇宙人であり、
その原因を作ったのが……他ならぬ俺なんだからな……

 
 
 
 

今から1時間前、いつものように古泉のキングを虐殺していた俺に、
パソコンをいじっていたハルヒが声を掛けた。

 

「ねぇキョン……暑いんだけど」

 

「知るか。俺だって暑い」

 

「ご、ごめんなさいキョン君。今冷たいお茶を……」

 

「あぁ……気にしなくていいですよ朝比奈さん」

 

朝比奈さんの煎れてくれたお茶ならば、たとえ灼熱のマグマより熱くても
一気飲みすることだって出来ますよ。
それに暑いからといって冷たい飲み物に頼りっきり、っていうのは体に良くない。
俺の妹も冷たいジュースばっかり飲んでるからただいま絶賛夏風邪中だ。

 

「ねぇキョン〜」

 

「何だ」

 

お前の声を聞くと暑苦しくなる。まぁ目の前のニヤケエスパーよりはマシだが。
もうすぐお前の王様は逃げ場が無くなることに気付いてないのか?
俺が哀れな王様に止めの一手を打とうとしたとき、ハルヒは叫んだ。

 

「そうだ、キョン!アイス買ってきて!」

 
 
 
 

そうして俺は一人とぼとぼと買出しに行った。
何で断らなかったかって?……断らなかったんじゃない。
断ったのに無視されたんだ。まっ、いつものことだけどな。
アイスの代金は古泉に請求しよう。あんだけ負けたんだしな。

 

店についた俺はさっそくアイス売り場に向かった。
……しまった。何を買えばいいか分からん。
希望を聞くのをすっかり忘れてたぜ。

 

まぁいいか。適当に選んでも文句は出ないだろう......
え〜とまず……

 
 

そして俺はアイス購入の使命を達成するために、暑い中坂を登った。
途中で谷口に出会ったが華麗にスルー。
チャック全開の変態と話してるところを誰かに見られたら困る。

 

更に修験道の苦行を続けていると今度は校門の前で国木田に会った。

 

「また涼宮さんのお使いかい?ご苦労様」

 

そう思うなら手伝ってくれればいいのに。まぁあとは団室に行くだけだけどな。

 

「遠慮しとくよ。キョン以外に涼宮さんの執事役は務まらないよ」

 

執事はこんなことしないぜ……
本当の執事ってのは料理が出来たり芝居が出来たりカーチェイスが出来る人のことを言うんだ。
ちなみに本当のメイドさんは怒らせると怖いからな。よく覚えとけよ。

 

「なんだかよくわからないけど、あとは団室までの階段くらいだね。頑張って」

 

「キョン君頑張るのね。涼宮さんたちも待ってるのね」

 

阪中もいたのか……ハルヒたちが待ってるってあいつらは雛鳥にでもなったのか?
……確かに餌を待ってやかましく騒いでいそうだが……

 
 
 
 

団室に無事たどり着いた俺は買ってきたアイスを配った。
ドライアイス入れてるからそこまで溶けてないな……とりあえず一安心。

 

「どうぞ。朝比奈さん」

 

「わぁありがとうございます〜」

 

いえいえその笑顔が見られるならお安い御用ですよ。
俺はそういいながら朝比奈さんにピノを渡した。

 

「ほれ。古泉。お前の分だ」

 

「ありがとうございます」

 

あとできっちり請求するからな。
ちなみに古泉のアイスは爽だ。さわやか君にぴったりだろう。

 

「長門とハルヒは……これだ。」

 

「ちょっと何よコレ。有希と私は二人で一つなの?」

 

「……」

 

せっかく買ってきてやったのに文句を言うなハルヒ。
長門もそんないじける様な眼で見ないでくれ。ちょっと辛いからな。
しかも二人で一つって言ってもそれは12本入りだ。
一人当たり6本は食えるだろ。大食いのお前たちのために551買ってきた俺にもっと感謝しろよ。

 
 

「ところであんたの分は?」

 

「ん?あぁ俺はコレだ」

 

そういって俺は袋から自分の分のアイスを取り出した。
実は買ってきたアイスの中では一番安上がりだったものなんだが、
俺は迷わずこのアイスを手に取った。

 

この……雪の様なアイスを……

 
 
 
 

「それ…雪見大福よね?」

 

ハルヒは2本目のアイスキャンディーを食べながら言った。
食べるの早すぎるぞ。もっと味わって食ってくれた方が買ってきた身としては嬉しいんだが。

 

「……」

 

長門も3本目のアイスキャンディーを食べながらこっちをじっと見ている。
静と動が混在している光景はかなりシュールだな。

 

「あんたそれ好きなの?」

 

「あぁ……結構好きだな」

 

実は昨日の晩テレビを見ていたら偶然この雪見大福のCMが流れた。
それを見た俺は懐かしい気分になって今日学校の帰りに買いに行こうと思ってた。
雪見大福は風味といい口ざわりといい、とてもただのアイスとは思え……

 

「それって2個あるのよね?」

 

人がせっかく感傷に浸ってるのにこいつは…
雪見大福が2個あるのは食ったことない奴でも知ってるぜ。
なんせパッケージに2個入りって書いてあるからな。

 

「ふ〜ん」

 

そういってハルヒは何だか考え事をする顔をした後、急ににやりと笑い出した。
あ……ヤバイ。何か考えてる顔だ。早く逃げないと。

 

 戦う
 アイテム
rァ逃げる

 

▼逃げられない!!

 

……諦めておとなしく雪見大福食っちまおう。
そう思って俺は雪見大福を一つ食べた。うん、うまい。
この皮がいいよな。もっちりしてるところがなんとも…
…どっかのドーナツライオンとは比べもんにならんぜ。

 

悦になりながら雪見大福を一つ食い終わった俺はもう一つに手を伸ばした。
正確には付属のフォークを突き刺しさぁ食べようかと思ったその瞬間、
ハルヒがまたわけのわからんことを抜かしやがった。

 

「キョン!その雪見大福をあたしによこしなさい!」

 

……断る。何故俺がお前にやらにゃならんのだ。
第一お前の分のアイスがまだあr……

 

ってない!!6本のアイスキャンディーがなくなってる!
こ、こいつ……一体どんな邪道食いしやがったんだ!?

 

あっけにとられているといつの間にかハルヒが目の前に迫ってきた。
マズイ!このままでは盗られる!!
俺は何とか残り1個の雪見大福を死守しつつハルヒに言った。

 

「そんなに欲しいなら、もっとちゃんと『下さい』とか言えんのか!?」

 
 

「下さい……」

 

そうそう、そんな感じでに上目遣いに言われたら俺だって考え……
ってえぇ!?

 

「ちょっと有希!?あんた何言って……」

 

「私もそのアイスが欲しい。だから下さい、と言っただけ。」

 

あぁ〜確かにそうは言ったけどな……でもそんなことを言ったらハルヒの奴が
また怒r……

 

「……あ、あたしが先に言ったんだからあたしの物よ!!」

 

ほらな……
とりあえず先に言おうが言うまいが所有権は俺にあるはずだぞ。

 

「先に『下さい』といったのは私。あなたは言ってない。だから私が貰う」

 

長門さん?俺の意思は無視ですか?

 

「うぅ〜」

 

「……」

 

そして冒頭の睨みあいに戻る。いつも前振り長くて申し訳ないな……

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:13 (2622d)