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作者 | 書き込めない人 |
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作品名 | 長門さんと悪ふざけ 5 |
カテゴリー | 長門SS(一般) |
保管日 | 2006-08-22 (火) 13:27:49 |
キョン | 登場 |
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キョンの妹 | 不登場 |
ハルヒ | 登場 |
みくる | 不登場 |
古泉一樹 | 登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 不登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 登場 |
谷口 | 登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
……なんだ?状況がまったくつかめない……
俺の想像とはまったく違う光景が目の前に広がってる……
茫然自失でドアの前に立っている俺に誰かが声を掛けてきた。
「キョン……さっき長門さんが言った事は本当かい?」
国木田……長門が何を言ったのか分からないんだが……それを聞いてから判断させてくれ。
などと思っていると今度は阪中が話しかけてきた。
「あのね。長門さんがさっきココに来たのね。それでこう言ったのね……」
阪中の話はにわかには信じられなかった。
誰かためしに俺を殴ってくれ。それで眼が覚めるなら何発でもどんとこいだ。
……と数秒ほど現実逃避していたが、どうやら事態は待ってくれないらしい。
気付いたら目の前にハルヒがいたからだ。いつの間に来たのか分からなかった。
どうやら俺にSPの才能はなさそうだ……などと馬鹿なことを考えていると、
ハルヒは眼を伏せたまま小さくこう言った。
「キョンは……有希を選ん……だの?」
いつもの元気がない……まるで『あの世界』の長門みたいだった。
俺はハルヒと長門を交互に見ていた。途中視界の隅に古泉の顔が映ったが、
今まで見たことないほど難しい顔をしていた。
そりゃそうだろう。以前の古泉なら迷わず眼で『今はとりあえず涼宮さんを』と言っただろう。
世界が終わってしまう可能性があるからだ。だが今は違う。
今世界を改変できるのはハルヒだけではない。ハルヒの力がある限り、
長門も世界を改変することが出来る。そして俺はそれを体感した。
つまりどちらを選んでも世界は終わる可能性があると言うことだ。
史上最恐の修羅場だ。これが誰かの作り話なら作者は相当な修羅場好きに違いない。
しかしそんなことを考えている場合ではない。俺は何とか誤解を解こうとした。
「落ち着けハルヒ、長門。俺は長門とそんな関係になった覚えはない」
……言葉の上でもこんな否定語を使うのが気がひけるが、今はそうも言ってられない。
ハルヒは少しだけ元気を取り戻した顔をした。……コレはこれでかわいいな、などと考えていると、
「……そう。私と彼はまだ付き合ってない」
さすがに長門は落ち着いたか……って『まだ』?
「そう。私はあなたが好き。だから今から私と付き合って」
ちょ……長門さん落ち着いてください。ハルヒがまたすごい顔になってるし、
他の連中の顔も似たような感じになって……
「あなたは私の願いを聞いてくれるといった」
……はい言いました。
「不利益があっても最優先で聞いてくれるといった」
……それも言いました。
「だから私と恋人になって」
……確かに長門のお願いは叶えたいが……
「私のことが嫌い?」
それはない。断じて言える。2人きりで今の言葉を言われたら、
ワン切りよりも早く返事が出来る自信がある。だがこの状況では無理だ。
周囲から『さっさと決めろよヘタレ野郎』という視線が突き刺さる中では無理だ。
ハルヒか長門か……傍から見れば羨望あること山の如しだろうが、
今の俺は変な汗かきまくりだ……ハルヒも少しぐらい喋ってくれ。
とはいえここは意を決しなければなるまい。俺も男だ。
古泉のバイトがおそらく10倍増になるだろうが構いやしない。
「俺は……」
その瞬間、場にそぐわないものが聞こえた。女の笑い声。
笑いをこらえるのが我慢できなくなって吹き出しそうな声。
誰だこんな時に……むっとしながら見るとなんとそれは阪中だった。
というか阪中だけじゃなく、古泉も肩をすくめてやがる。
国木田もニヤニヤしてるし、谷口に至ってはチャックも開いている。
そして……俺には奴らの笑いの意味がよ〜く分かった。
違う意味で呆然とするハルヒ。そりゃハルヒには分からないだろう。
俺が今見てるものがハルヒの位置からは見えないからな……
……長門の掲げる……『ドッキリ』の看板が……
今回のドッキリの首謀者はやはり古泉だった。
奴は罰として喫茶店で全員に奢るハメとなった……というかそれ俺がいつもやってるのだが。
ちなみに長門と阪中と国木田は協力者らしい。谷口は何だったんだ?
あと俺も協力者だと名乗り出ることにした。長門との電話の内容について言及されたからだ。
おかげで俺も奢りが増えたわけだが、それくらいなら悲しいかなお安い御用だ。
そしてハルヒは『タチの悪いドッキリね』と怒りながらも、何処かほっとしたようだった。
そして団長様の機嫌が悪くならなくて一安心……と家に帰った俺に『返事を聞かせて欲しい』と
無口のかわいい娘さんから電話が掛かってきた話はまた後日…