作品

概要

作者書き込めない人
作品名長門さんと悪ふざけ 1
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-22 (火) 13:09:17

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

地獄の業火だってもう少し気持ちいいんじゃないかと思えるくらい暑苦しい太陽の下、
古泉と二人で食堂の机で昼飯を食うという、これまたむさ苦しいことをしたあと、
教室についた俺は走ってきた暑さを忘れるくらい凍りついた。

 

自分でも何が何だか分からない。いや、まずは落ち着かなければ。
素数を数えよう。1……は素数じゃないんだったか?
いやいや現実逃避はもっと良くないぞ俺!何とかして落ち着くんだ。
だいたいなんで俺はこんなことになったんだ?
とにかく素数を数えながら思い返してみなければ……

 
 
 

……常日頃、俺の昼食は母親お手製の弁当であり、今日もきちんとそれを持参してきた。
普段なら母親の至高の出し巻き卵を食べ、安らかな時を過ごしているはずだ。
しかしあの我らが暴虐な悪魔将軍……もといSOS団長がおかしな事をぬかしたせいで、
俺のささやかな幸せは露と消えてしまったのである。

 
 

数学の時間に眠気と言う人類史上最強最悪の敵と戦っていると、
背後からハルヒという宇宙史上最強最悪の人間が声を掛けてきた。

 
 

「キョン!あたし今日財布忘れちゃった」

 
 

そうかい……それはご愁傷様なこった。言っておくが普段の謎の団活動のおかげで、
俺の財布は氷河期よりお寒いことになってるから、人に貸す金などないぞ。

 

「誰もあんたに金貸してなんて言わないわよ!」

 

この前の謎探しの時にアイスが食べたいからお金貸してって言ってたのはどこの団長だったか?
俺の記憶が正しければお前みたいな顔にお前みたいな体つきにお前みたいな性格だったぞ?

 

「何それ?記憶にないわ。もしかしてあんた私のドッペルゲンガーでも見たんじゃないの?
今度その現場を教えなさい。私に断りもなくドッペルゲンガーがいるのは不愉快だわ。
って、今はそんなことはどうでもいいわ。私が言いたいのはね……」

 

こいつ……あくまでとぼける気か。貸した金を返してもらえないと、俺の財布はいよいよ
キグナス氷河になってしまう。自分でも何言ってるかわからないが。

 

だがこのとき素直に金を貸していれば悲劇は起こらなかったかもしれない。

 

「このままじゃお昼ご飯が食べられないから、あんたの弁当をよこしなさい」

 

「断固拒否する。何故俺が財布を忘れたお間抜けさんに弁当をやらねばならんのだ。
そもそもこの弁当はだながはぁっ!!」

 

俺のセリフも途中だと言うのに、ハルヒの奴はジダン並みの頭突きをかましてきやがった。
マテラッツィはこんな物を喰らったのか……やばい、肺に空気が入らない。シュパパンシュパパン
そしてあわれSOS団の最下層に位置する俺の弁当は、カーストの頂点のはるか上に立つ
ハルヒ団長様によって召し上げられてしまった。

 

仕方なく食堂に向かおうとすると、隣りのクラスの廊下で長門と目があった。
長門なら頼めば金を貸してくれそうだが、何となくそれはしたくない。
迷惑かけたくないしな……などと考えてると長門が意外なことを言い出した。

 

「食堂の外に古泉一樹がいる。あなたは先週だけで彼に将棋で75試合勝ち越している。
昼食代がなければ、その分を彼におごってもらえばいい」

 

なるほど、それは名案だ。さすが長門……ってお前がそんなフランクなことを言うとは……
やっぱりこいつの内面はずいぶん成長してるんだろうな。
俺にとってはこれほど嬉しいことはない。ここが学校の廊下でなければ狂喜乱舞だ。

 

「あぁ、そうするよ長門。心配してくれてありがとな」

 

「気にしなくていい。それよりも急がないと食堂が混んでしまう。
あなたは速やかに食堂に向かうべき」

 

「そうだな……じゃあとっとと行くよ。またあとでな!」

 

長門はこくりとうなづき、とぼとぼと廊下を歩いていった。
そのとき長門は何故か5組の方に向かって行た。
気にはなったが、急がねば食堂が混んでしまうため、
仕方なく俺は昼飯にありつく為走っていった。

 
 
 

……で、だ。分かると思うが「あとでな」っていうのは放課後の文芸部室をさしてたつもりだった。
しかし俺はまったく予想外のところで長門に出会ったわけだ。そして冒頭の光景に戻る……と。

 

昼休みはまだ残ってる。5組の教室。ハルヒの机の前。表情が良く見えない。
長門がいる。そこは俺の席。そして俺のほうを向き……長門は微笑んだ。

 
 
 

「私の恋人のお出まし」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:09 (2730d)