作品

概要

作者おぐちゃん
作品名長門さん結婚式ですよ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-20 (日) 00:41:24

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「どこへ行くの?」
 日曜日の午後、街角で偶然長門に出会った。よそ行きの服を着た俺たち兄妹の姿に、長門はけげんそうな目を向ける。
「結婚式に行くんだよー!」
 どこぞのお嬢様のような格好をした妹が、嬉しそうに言う。
「……あなたたちの?」
「そんなわけ無いだろ。親戚の姉さんだよ」
 大安吉日の日曜日。姉さんに限らず、日本中で結婚式が催されているのだろう。
 長門は少し首をかしげて俺たちを眺めたあと、
「わたしもいく」
 あっさりと爆弾発言をした。

 

 その後の長門の手際は見事なものだった。ドタキャンした出席者の存在を突き止めた長門は、出席者名簿に情報操作を施し、招待状を偽造してまんまと結婚式にもぐりこんだ。
 なんと俺たちと同じテーブルである。ちゃんとご祝儀まで持参していたから、俺には文句の付けようが無い。世間は狭いのねぇ、などと母は感心していたが。

 

 結婚式が始まった。
 司会者は滞りなく式を進めていく。長門は料理を神速で胃に収めつつ、壇上に座る新郎新婦を見つめていた。
 こいつもやっぱり女の子なんだな。こういう場所に興味があるなんて。
 そしてクライマックス。新郎新婦が、馬鹿でかいケーキにナイフを入れる。
 その姿を、長門は瞬きひとつせず見つめていた。
 …………マイフォークとマイスプーンをしっかり握りしめて。

 

 今ならまだ間に合う。長門が心に傷を負う前に、真実を伝えておこう。
「長門。あのでっかいケーキはな、イミテーションなんだよ」
「イミテーション?」
「そう。あれは食べられないんだ」
 ちゃりーん。長門のマイフォークが落ちる。
「────う、そ」
「本当」
 あ。マイスプーンも落とした。
「気を落とすな長門。おれのデザートをあげるから」
「……………(しゃくしゃくしゃくしゃく)」
 デザートのシャーベットをかき込みながら、長門は泣いているように見えた。
「おい長門、そんな急いで食べると……」
 ……やっぱりこめかみにキーンと来たか。頭を抱える長門に、俺は熱いお茶を手渡した。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:08 (2711d)