作品

概要

作者Thinks
作品名ある日のデート
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-15 (火) 01:05:12

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 やけに月がきれいだと思ったら、名月だったなんてことをテレビで知った夜のこと。
 じゃれ付いてくるシャミセンと妹をかわしつつ本を読んでいると、携帯が震えた。
 この震え方はメールだな、とサブウィンドウを見ると長門からである。
 いそいそと携帯を開き、内容を確認する。このワクワク加減は吉報に違いない。
 
『明日、午前十一時。光陽園駅前公園にて待つ』
 
 そっけないこのメールだが、実は、長門と俺の中ではデートの符号だ。
 長門はなぜか、俺の予定が空白な時だけに、このメールを送ってくるので、
返信の必要は全く無い。しかし形式的なこともあって、俺はこのメールに、
『了解した』
と返信するのが常になっている、今日この頃である。
 
 翌日。
 いつものベンチにちょこんと座っていた長門を見つけた。
「待たせたな」
「いい」
 ほんとに待ってて、それを「いい」と言ったのか、そんなに待っていないと言う意味なのか。
 そのあたり、少し興味があるぞ。
「両方」
 両方?
「少し、待った。長く、感じた」
 そうか。
「そう」
 最近はこんな感じだ。「さて、今日のご予定は?」と訊いてみると、
長門は小さめのバスケットを、すっと持ち上げて、斜め下に視線を外した。
 悪い悪い。気を利かせるべきだったな。
 
 ご要望どおり、少し外れた場所の芝生に、ランチョンマットを広げて早めの昼食である。
 長門の作ってくれる弁当は、冷凍食品をレンジでチンって感じの、普通の弁当なんだが、
これがまた実に美味い。よく解からないが、冷凍食品の選び方にコツがあるらしい。
 どれだけぶん回しても、決して一方方向に片寄らない程度に詰まった白飯も最高だ。
 ただ、おかずと白飯の割合に若干の問題があって、後半は白飯だけを喰うことになるのだが。 
 今回もそのパターンにハマり、お茶と白飯を交互に口に運んでいると、 
 
「食べる?」
 長門が自分の弁当箱の、おかずのほうを向けて差し出してきた。
「あ、悪いな、んじゃひとつだけ」
 俺は何気に、エビフライをひょいと摘んで、そのまま口の中に入れた。
 
「……ばか」
 
 ん?ばか? 言葉に驚き長門を見ると、恨めしそうに俺の顔を見ている。
 あ。もしかしてこれか?俺は自分の口から飛び出ているエビの尻尾を指差してみた。
 こくり。いつもより大きく頷く長門であった。よく見りゃ、エビフライだけが最後の一つ。
 どうやら最後の楽しみに取っておいていたらしい。それを俺が喰っちまった、ってなわけである。
 
 
 長門の機嫌が直るまでには、少し時間がかかったけれども、何とか許してもらえた。
 食い物の恨みってやつをしみじみと味わいながら、自転車の後ろに長門を乗せて走り出す。
 行き先は図書館。ここからだと結構な距離があるが、ペダルを扱ぐ足は軽い。
 情報操作なのか、腰に手を回されているからなのか。どっちにしても長門のおかげだ。
 天気も季節もちょうど良い。
「なぁ、長門。俺、今、めちゃくちゃ気分が良いから、遠回りしていくぞ」
 そんな我侭を言ってみたくもなる。その我侭に、長門はこう答えた。
 
「……わたしも」
 
  
                               デートはまだ終わらないにょろ〜。
 
 

 Special Thanks to 長門有希に萌えるスレ36冊目 >>874 >>878

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:03 (2729d)