作品

概要

作者おぐちゃん
作品名ながキョン 第八話
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-09 (水) 00:33:50

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 あわてふためくハルヒに、古泉は知人の経営する外科の場所を教えた。
 そこに行くと、やたら威勢のいい女医さんが出てきて、まずは俺を診察してくれた。
 俺の怪我はほんのかすり傷で、入れ替わりに長門が診察を受けた。朝倉が守ってくれてたから怪我は無いだろうが、ハルヒの手前、一応は医者に診てもらわないとな。
 待合室に出ると、ハルヒが待っていた。
「なんだ。大丈夫そうね」
 素っ気ない台詞とは裏腹に、ハルヒは床を見つめて、居心地悪そうにしている。
「やめてよね、あんなタイミングで転ぶなんて。まるであたしのせいみたいじゃない」
 どうやらハルヒは、階段から落ちてみろと言った事を気にしているようだ。
 ……すまんハルヒ。あれは俺の作戦であって、お前に非はないんだが。
「なんだよ。ありゃ偶然だろ」
「当たり前よ」
 そう言いながらも、ハルヒは診察室を気にしていた。

 

 数分後、診察室のドアが開いた。長門の左足首には包帯が巻かれている。
「有希! 大丈夫?」
 長門はミクロン単位のうなずきを返すと、右足でぴょこぴょこ跳ねながらこっちにやってきた。
 そのまま、俺の左腕にきゅっとしがみつく。
 唖然とするハルヒ。いつもの表情の長門。俺? たぶん間抜け面をさらしてたんだろう。
「左足をひねった」
 長門は淡々と説明する。あの長門さん、その、当たってるんですが、胸とか。
「一人では歩けない。補助が必要」
「ちょっ……駄目よ! あたしが肩かしたげるから、ほら!」
 ハルヒが促すが、長門は動こうとしない。
 そもそもお前、どんな怪我でも一瞬で治せるだろうに。何がしたいんだ?
 すったもんだしていたら、鶴屋さんが長門にフォローを入れた。
「まーまーハルにゃん、有希っちもさっきは怖かったのさっ!
 キョン君のそばなら安心できるんだよっ!」
 その台詞に、ハルヒがちょっと固まる。やっぱりまだ負い目を感じてるんだな。
 それに。言われてみれば、長門だって不安だったのかもしれない。男の体なんてな。
 仕方ない、長門のわがままを少しは聞いてあげるとするか。
「……ま、今日くらいは許したげるわ。キョン、有希にやらしい事したら死刑よ死刑」
 ハルヒは俺をにらみつけると、他のメンバーにくるりと振り返った。
「仕方ないから午後の探索は中止! そのかわり、みんなして遊び倒すわよ!」

 

 団員のみんなが、病院を出て行く。さて、これからどこに行こうか。
 と、長門がこっちを見上げていた。何だ長門。
「…………どう?」
 長門は、ワンピースの裾をちょっと持ち上げて見せた。
 もちろん、答えは一つだ。俺が選んだ服だが、こうやって見てもやっぱり……
「よく似合ってるぞ、長門」
「そう」
 素っ気ない返事をしつつも、長門は俺の腕をぎゅっと抱きしめてきた。
「こーらーキョーン! 早く来なさい馬鹿!」
 おっと、団長様のお呼びだ。行くぞ長門。
 夏の陽射しの中。俺たちの影は、アスファルトの路面で一つにとけあっていた。
 二人そろって足を踏み出す。今日は忙しい日になりそうだ──。

 

ながキョン 完

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:01 (3088d)