作品

概要

作者おぐちゃん
作品名ながキョン 第七話 −KYON SIDE−
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-08 (火) 02:07:32

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 一つ聞こう。今までヒーローもののマンガにあこがれて、真似をしたことはあるか?
 恥ずかしながら、俺もある。
 子供というのはだいたい、自分もヒーローになれると思っているもんだ。
 そんでもってヒーローの真似をして怪我をしたり、恥ずかしい思いをする。
 結果として、一般人とヒーローの間には越えられない壁があると思い知るのだ。
 ハルヒだって同じだろう。
 映画に影響されて世界を改変してしまったハルヒ。その影響を消し去るにはどうすればいいか。
 簡単なことだ。映画の場面が、現実にはありえないと思い知らせてやればよい。

 

 ……だからといって、このやり方はちょっと無謀だったか。
 階段から転落しながら、俺は後悔していた。
 俺、と言うか長門の体は、朝倉がきっちり守ると請け合ってくれた。だからといって恐怖が無くなるわけでもなく。
 長門(俺ボディ)が、打ち合わせたとおり飛び込んでくる。長門と俺の手が触れる。

 

 火花が散った。

 

 目の前が回転する。わけがわからん。どうなってるんだこりゃ。
 だが、俺の右手は何かをつかんでいた。細くて暖かいもの。
 決して放すな。心がそう叫ぶ。
 だから俺は、それを必死で腕の中に抱えた。
 視界が回る。体のあちこちが階段にぶつかる。朝倉め、手抜きしやがったな。
 そして。
「ぅげっ!!」
 我ながら情けない声とともに、俺は背中からコンクリートの床に落下した。

 

「   !? 有希! キョン!」
 なにか聞こえる。
 かしましい声。でも、今は不快ではない。
 何より腕の中には、暖かくて心地よい感触がある。
「返事しなさい! キョンってば!!」
「……聞こえてるって。がなるなハルヒ」
 思わず、邪険に返事を返していた。
「もうっ……! 平気なら起きなさいよ馬鹿キョン!!」
 え?
 俺は目を開けた。目の前にはハルヒの涙目。
 そして俺が抱きしめていたのは、
「………………」
 猫のように体を丸め、満足げに目を閉じた長門だった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:02:00 (2729d)