作品

概要

作者おぐちゃん
作品名ながキョン 第六話 −HARUHI SIDE−
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-08 (火) 02:04:57

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 今日の有希はどこかおかしい。
 たとえば服を着替えさせようとした時、変な声を出して抵抗された。有希を着替えさせたのは初めてだけど、あんたなら無表情でスルーするとこでしょ。
 違和感は昼食時に確信に変わった。キョン達と合流した有希は、時折ちらりとキョンを見てはおどおどしている。
 もっとおかしいのはキョンだ。あまりにもいつも通りすぎる。
 他のことには鈍感なくせに、有希のことには人一倍鋭いキョンが。
 キョン、あんた有希になんかしたんじゃないでしょうね。

 

 もっとも、サンドイッチをほおばる有希はいつもの有希だった。
 あの小さな口いっぱいにサンドイッチを詰め込んで、ほっぺふくらませてむきゅむきゅと可愛く噛む。
 あ、パンくずこぼれてるわよ。おろしたての服なんだから汚しちゃ駄目よ。
 こういう時だけは、この娘も年相応っぽい。いっそ一日中食べてればいいのに。そしたら北高の有希ファンも倍増するだろう。
 事件はその後起こった。

 

 あっという間にサンドイッチを食べ終えた有希は、どこか物足りなそうにしていた。そりゃそうだろう、あたしだってあれっぽっちじゃ足りない。ちなみにあたしが注文したのはクラブハウスサンドとペペロンチーノだ。うん、ニンニクの香ばしい薫りが最高。
 ともあれ有希は、やっぱりどこかおどおどしながらメニューをチラ見している。一体何を遠慮してるのよ。
 それとも、誰かさんに大食いだと思われるのは恥ずかしい? 手遅れだと思うけど。
 そのとき、キョンがあり得ない台詞を吐いた。
「良かったら食うか、長門」
 ……何それ。唖然として声が出ない。
「実は俺、朝メシ食い過ぎて、あまり腹減ってないんだよ」
 おかしい。いくらキョンが無神経でも、女の子に自分の食べかけをすすめるなんて。
 有希も有希だ。たぶんいつもの有希なら、誰の食べかけかなんて気にしない。なのに今、有希はお皿とキョンの顔を見比べて言葉に詰まっている。
「こら馬鹿キョン。有希に食い残しを食べさせるつもり!?」
 仕方ない。ここは団長のあたしが助け船を出そう。
「足りないってんなら、これ食べなさいよ」
 さよならあたしのクラブハウスサンド。断腸の思いで残り二切れを差し出す。
 有希はキョンに目配せすると、黙ってあたしのサンドイッチに手を伸ばした。
 キョンは残念そうにホットドッグを引っ込めると、やけ食いするかのように一口で飲み込もうとして、思いっきりむせていた。

 

 ともあれ、キョンと有希の間になにかあったのは確かだ。
 後でキョンを締め上げてやろう。これもSOS団の綱紀粛正のためだ。
 もっとも、わたしはすぐにそのことを忘れてしまった。あんな事があっては無理もない。
 今は反省している。
 ……人の不幸を望むようなことは、冗談でも言っちゃいけなかった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:59 (3084d)