作品

概要

作者おぐちゃん
作品名ながキョン 第六話 −NAGATO SIDE−
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-08 (火) 02:03:03

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 映画の話が終わり、頼んでいた昼食がやってきた。SOS団員に鶴屋女史と朝倉涼子を加えて、テーブルはいつもより会話が多い。
 一方、彼は空腹が相当こたえているようだ。やはり朝食を抜くのは健康に良くない。
 サンドイッチが届くと同時に、わたしの肉体──彼は勢いよく食べ始めた。
 口いっぱいにサンドイッチを頬ばって咀嚼する。もきゅもきゅと言う音が聞こえてくる。
 わたしも自分の昼食に専念することにした。ナポリタンにホットドッグ。彼の体格ならこれくらいは食べるだろう。
 よく噛んで、なるべくゆっくりと食べる。涼宮ハルヒのような暴飲暴食は、地球人の消化器官には負担が大きすぎるだろう。彼の健康が第一だ。

 

 わたしがナポリタンを半分食べたころ、彼の動きが不意に止まった。
 サンドイッチの皿は空っぽだ。だが彼は、他の人の料理をちらちらと盗み見ている。
 なんたること。わたしの胃袋は、あれしきの量ではとうてい満腹にはならないのだ。
 しかも彼は、追加を頼もうとして躊躇している。すぐ目の前に大食らい女が三人いるのだから、恥ずかしがることはないのだが。
 しかし、これはいい機会だ。前に本で読んだシチュエーションを実行に移すことを決断。
「良かったら食うか、長門」
 彼の表情をまねて、ホットドッグの皿を差し出す。もちろん端っこは一口かじってある。
「実は俺、朝メシ食い過ぎて、あまり腹減ってないんだよ」
 これは本当のことだ。お義母様の朝食は栄養バランス・味覚とも申し分なかった。ついつい食べ過ぎてしまって、義妹に疑惑の目で見られてしまったが。
 わたしも缶入りカレーで満足している場合ではない。料理スキル取得の必要性ありと判断。これも最優先事項として登録。
 ……思考にノイズが入った。そのことは後で処理しよう。とにかく今は、彼にわたしのホットドッグを食べさせることだ。
 同じ物体を分けあって食べることは、男女間の関係を進展させる可能性が高い。一例として、わたしのデータベースには「ポッキーゲーム」なる用語が登録されている。
 またこの状況は「間接キス」なるものとも合致する。というわけで食べて。すぐ。
 だが、彼はわたしの顔と皿を見比べるだけで、食べようとしない。
「こら馬鹿キョン。有希に食い残しを食べさせるつもり!?」
 そこに涼宮ハルヒが割り込んだ。
「足りないってんなら、これ食べなさいよ」
 そう言って、彼の目の前にクラブハウスサンドの皿を置く。
 彼はわたしと一瞬目を合わせると、涼宮ハルヒのサンドイッチを食べ始めた。
 食べてくれてよかったのに。少し気落ちしていると、別方向から熱視線を感じた。
 古泉一樹がわたしの皿を見ている。ホットドッグのかじられた部分を凝視している。
 危険。古泉一樹にこのホットドッグを食べさせてはいけない。
 そう判断し、わたしは一口にホットドッグを頬ばった。
「んがくく」
 むせた。呼吸困難。エマージェンシーモード発令。水が必要と自己診断。
 彼が水を渡してくれたおかげで、難を逃れた。
 ……危うく彼を殺害してしまうところだった。莫迦だわたしは。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:59 (3087d)