作品

概要

作者De lorean
作品名続・長門書店
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-07 (月) 16:50:13

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 
 
 
 

えーと、このあたりでよかったのかなぁ・・・。
あの通りから、一本入った裏路地だって、キョン君言ってたけど・・・。

 

・・・あぁ。

 

「長門さぁーん。」
「・・・・・(顔をこちらに向ける)」
「こ、こんにちは。」
「・・・・・(わずかにうなずく)」
「よかったあ・・・迷子になったかと思いました・・・。
          すごぉい・・・立派なお店ですね。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・えーと・・・」

 

とってもおしゃれなおうちでした。長門書店って書かれた看板がかかってます。
私の時代にも、クラシカルな物を愛好する文化があるけれど、
このお店は形だけじゃなくって、本当に歴史があるんだろうなぁ。
     きっと、ずっとむかしから、この場所にあったんだぁ・・・。

 

「・・・・・・・・・・」
「・・・えーと、えーと・・・」

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

「お、お天気がいい、ですね!」
「そう。」
「あ、暑くて暑くて・・・なんだか、ふわーって、なりませんか?」
「別に。」
「そ、そうなんですかぁー。長門さんは、暑いのは平気なんですねー。」
「・・・・・」
「で、でも、こんな日に、こんなふうに日陰で読書するのも、気持ちいいですよね!」
「・・・・・(うなずく)」
「・・・えーと・・・」

 

そ、そうだっ! 用件を、言わなきゃ。ちゃんと・・・。
お、落ち着いて・・・みくる、落ち着きなさい・・・よ、よおし・・・。

 

「あ、あのっ! 長門さんっ!」
「何?」
「き、きょう、このお店を、訪ねたのは・・・ですね・・・」
「・・・・・」
「・・・えーと・・・えーと・・・」

 

・・・だ、大丈夫だよー。みくる、怖くないよ、怖くなーい・・・!

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

「ほ、本を、探してるんです!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

ふえっ?

 

「・・・・・・・・・・(じっと見つめる)」

 

ふええっ! ど、どうしてそんなに、み、見つめるんですかぁ!
わわ、わたしなにかわるいこと、い、いっちゃったんですかぁ?
・・・わわわるいことを・・・どうし、どうしよ・・・

 

「・・・・・わかった。」

 

・・・えっ?

 

「待ってて。」

 

・・・・・・・・・・

 

・・・ふぅ〜ぅ・・・(涙)

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

お店の中もすごい・・・。
本棚が奥までずらーっと並んでて・・・本がぎっしりと置いてあります。
あ、長門さん戻ってきた・・・。

 

「これ。」

 

―「夏への扉」―

 

「うわぁ・・・確かにこの本です。なんで分かったんですかぁ?」

 

何も言わなくても、長門さんが欲しい本を探してきてくれるって、キョン君言ってたけど・・・
これだけの本の中から、あっという間に探し出してしまうなんて・・・さすが、長門さん。

 

「えっと、御代はいくらですか?」
「いらない。」
「ええっ? そ、それはいけません。申し訳ないですし・・・」
「受け取って。サービス。」
「ほ、ほんとにいいんですかぁ・・・?」
「・・・・・(うなづく)」
「あ、ありがとう・・・」
「座って。今、お茶を用意する。」

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

「懐かしいなー。この本は、私がこのお仕事に就こうと思ったきっかけなんです。」

 

私は、教養家の両親の影響もあって、幼いころから本が大好きでした。
日記や短編小説も、少しだけ、書いたりしていたんです。
あ、内容は・・・禁則事項ということにしておいて。

 

この本とは、いわゆる「中学校」の図書室で出会いました。

 

「過去、そして未来の改変と、その行為の倫理について。私は夢中になりました。
 あ、内容に関しては、むしろ長門さんのほうが、よくご存知ですよね。」
「・・・・・(うなずく)」

 

その後、タイムマシン―航時機が、すでに実用化されていることを知りました。
小説の中のフィクションが、現実の世界に再現されたことを知って、私は・・・
・・・私は少しだけ迷って、この道を志願しました。

 

そして、奇跡的にも採用されて、今に至ります。
学校の成績には、正直、自信がなかったんだけれど・・・

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

―ボクは、未来を創り出してる過去へと向かいさかのぼる。

 

「そしてピートと・・・連れ立って・・・君を迎えに、戻るだろう・・・」
「その歌は何?」
「あ、えっと、この本をテーマにした歌なんです。」
「そう。」

 

そっか・・・長門さんは、この曲のことまでは、さすがに知らなかったんだ。

 

「・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・えーと・・・」
「いい歌。」
「な、長門さんも、そう思いますか?」
「ぜひ、音源を購入したい。」
「そ、そうですかー。曲名は、本とおんなじで・・・」

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

「では、私はそろそろ、おいとまさせていただきますね。」
「そう。」
「今日はありがとうございました。お茶までごちそうになって・・・」

 

「こちらこそ、感謝する。」

 

えっ?

 

「通常、私とあなたが会話する機会は、それほど多くない。
 たとえ顔を会わせても、あなたは私に対して、積極的に会話しようとしない。」

 

ご、ごめんなさい。

 

「あなたの感情や思考は、各種の情報から予想することができる。
 しかし、今回は、あなた自身の口から、それらの一端を聞くことができた。」

 

「 楽 し か っ た 。 」

 

「この書店は、書籍を愛好するすべてのモノのために開業した。
 あなたは書籍を愛している。だから私は、あなたの再びの来店を望む。」

 

・・・わかりました。また、お邪魔させていただきますね。

 

「どうぞ。いつでも。」

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

・・・今日は、とりとめの無いことを、たくさん話してしまいました。

 

私は、やっぱりまだ、長門さんのことが苦手です。でも・・・

 

・・・私も、楽しかったですよ。

 

「だ か ら、リッキー ティッキー タビー♪ その 日 まで♪」

 

「・・・リッキー ティッキー タビー・・・その日まで・・・」

 

「「おやすみ・・・」」

 
 
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
 
 

「こんばんは、朝比奈さん。」

 

あっ、キョンくーん。

 

「方向からして、長門の本屋ですか?」
「うん。キョン君の言ったとおりでした。
 ・・・ほら。本も選んでもらったんですよ。」

 

ハラリ

 

「あら?」

 

なんだろう、この紙。本に挟まってたけど・・・

 

「なんでしょうね。」

 

───────────────────────────

 

・あなたのいらなくなった本
 買い取り 引き取りいたします
 古書 珍しい本でも大丈夫
 お掃除 お片付けの際にはぜひどうぞ

 

・希少 良状態の古書 数多く取り扱っております
 掘り出し物がみつかるかも
 立ち読み歓迎 ティーサービスあり 心行くまでお探しください

 

・ブッククリーニングサービス実施中
 古くから読まれてきたあなたの本を 新品同様に蘇らせます
 一冊につき\100 お気軽にご利用ください

 

          長門書店 電話番号(×××) ××× ××××

 

───────────────────────────

 

な、長門さん・・・

 

「ははっ、けっこう真面目に商売してるんだな。」

 

や、やっぱり、きちんとお代を払ったほうがよかったのかなぁ・・・

 
 
 

 
 
 
 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:59 (1950d)