作品

概要

作者心音
作品名隣に彼がいる。初日のお風呂編
カテゴリー消失長門SS
保管日2014-04-22 (火) 21:20:46

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

有希との同棲を開始した夜。アルバイト騒動(アルバイト編参照...しなくていいです。)も無事終結し、レトルトカレーとキャベツの千切りサラダを食した俺たちはリビングで寛いでいた。
「あ。お風呂沸いたみたい...」
「ん?あぁ。有希の部屋なんだし先に入っていいぞ。」
そう返すと有希は少し考えるように俯いた。
あ、もしかしたら自分が入った後のお湯に男が入ることに抵抗があるのかもしれんな...
でも男が入った後の残り湯に入るのにも抵抗がありそうだし......有希が嫌なら俺はシャワーだけでもいいが。
とりあえず聞いてみることにしよう。
「自分が入った後の残り湯に俺が浸かることに抵抗があるのか?もしそれだったら俺はシャワーだけでも...」
「あっ...あの......そうじゃ、ない。」
違うのか。
「えっと...離れたく、ない。」
「いやいやいやいや!一緒に入れと?無理だ!」
「でも...恋人......だし...恥ずかしいけど」
「でも、ほら。流石にまずいだろ?俺たちはまだ高校生だ。」
「やっぱ...私と入るのはいや......だよね」
「そうじゃない。ならこうしよう。有希が風呂に入ってる間、ずっと脱衣所に居てやるから。な?頼む。それで妥協してくれ。」
はっきり言おう。俺だって一緒に入りたいさ。
洗いっこしたり一緒の湯船に浸かったりしてみたいさ。そりゃ俺だって男だし...
でも、なんていうかな...有希とそういうことをするのはまだ大事にしときたいというか......
そしてそんなことしてしまったら間違いなく理性が消失する。
「...じゃあ、お願い...」
良かった。妥協していただけたようだ。

 

「俺は後ろ向いてるからな。」
そう言って有希に背を向けつつ脱衣所の床に座り込んだ。
「その...振り返らないで、ね......」
「わかってるさ。」
やっぱりこの状況もかなり恥ずかしいようだ。さっきまで一緒に入ろうとか言ってたのに。
そんなことを考えているうちに後ろから布の擦れる音が聞こえ始めた...
あ、多分上着を脱ぎ終わったな...
恐らくスカートに手を掛けて......
......振り返りてぇ。
いやしかし有希を裏切るわけにはいかん。
頑張れ理性、負けるな理性。
「じゃあ...お先するね。」
「おう。」
律儀にお伝えしてくださったあと、風呂場のドアの開閉音が聞こえてきた。
理性よ。よくぞ耐えたな。
それにしても有希があがってくるまで暇だな...本でも持ち込んで置けば良かったかもしれん。
俺はBGMと化した水の音を聴きつつ辺りを見回す。流石に本好きの有希でも脱衣所にまで本を置いているわけではないようだ。
こっそりリビングに本を取りに行ったら怒られるかな...
そう考えつつ立ち上がってキョロキョロしてると、有希の先ほど脱いだ下着が視界に入ってしまった。
俺も健全な男子高校生であるからして...興味がないなんてことはない。いや、しかし、でも。
俺の数メートル先には持ち主が入浴中...脱いで数分の恐らく肌の温もりが残っている下着。今日1日有希がつけていた下着が...目の前に......
「...いる?」
その声で俺は崩壊寸前の理性を取り戻した。
身体を洗い終わった有希が浴槽の中から声をかけてきたらしい。
「ああ。ちゃんといるぞ。」
「...そう。退屈、でしょ?ごめんね...すぐあがるから......」
「いや、気にしなくていいぞ。ゆっくり浸かってるといい。」
「...ありがとう」
「なに、気にすんな。」
「......今、何してる?」
あなたの下着を眺めてました...なんて死んでも言えない。 
「さっきの格好で座ってる。」
「ごっ...ごめんなさいっ...もう、あがるから!」
有希が浴槽から出る音が風呂場に響く。
大丈夫だ。と言おうとしたが有希が脱衣所のドアを開ける方が早かった。
今俺の後ろには風呂あがりでほかほかしてる有希がいるのか...全身水浸しで.....
 「別に気を使わなくてよかったんだぞ?確かにちょっと退屈ではあったが」
「ごめんなさい......あっ」
「ど、どうした?」
「着替え持ってくるの忘れてた...」
「あー...取ってこようか?」
「......大丈夫、取りに行く」
いやまぁ確かに男に着替え持って来られるのはあれかもしれんがまさか裸で出ていく訳じゃないだろ?
「えっと...バスタオル巻いて、行く...一緒に、来て」
あ、やっぱりそうなるのね。バスタオル1枚の有希は目に毒なんだが......
「わかった、行こう」
「あっあの...恥ずかしいから、あんまり見ないで......」
「極力そうするよ」

 

有希はリビングに置いてあった着替えを取ると、俺に後ろを向くように言った。
が...
俺の目の前にはカーテン全開の窓。
今は夜なので7階からの綺麗な夜景が......
って違う!
反射で映ってるんだよ!!バスタオルを外して素っ裸になった有希が下着をはこうと屈んでる姿が!!
「どうしたの?.........っ!!」
慌てている俺に気づいたのか声をかけてきた有希だがガラスに映る自分の姿を確認したらしく、絶句している...
「.........見た?」
声だけで、ものすごく落ち込んでいるのがわかる。
一緒に風呂入ろうと言っていたとは思えんな。
「...見ました。」
「............どこまで、見た?」
「えっと...全部、見ました......ごめんっ」
「いい...不可抗力、だから...」
「...悪い。」
そう言うと俺は床に伏せた。
間違っても見てしまわないように。 

 

「もう、大丈夫...」
有希から声がかかり、ようやく顔をあげる。
ピンクのパジャマに着替えた有希は、耳を真っ赤にして体育座りで顔を伏せていた...
やばい。負のオーラが立ち込めている......
とりあえず有希の後ろに座り、そっと抱きしめる。
「ごめんな...顔あげてくれよ...」
「...顔見られるの恥ずかしいもん......」
「悪かったって...」
「あなたは...悪くない、から」
そう言いつつもちっとも顔をあげようとしない有希の頭を撫でてやる。
「なんだ、髪びちょびちょじゃないか。風邪引くぞ。乾かしてやるから」
「...うん。」
「ドライヤー、どこある?」
「そこの戸棚。上から二つ目のとこ...」
有希は顔を伏せたまま近くの戸棚を指差す。
「あぁ、これか。ほら、そこまでコンセント届かないんだからこっち来てくれよ。」
「...恥ずかしい」
「ったく...」
「ごっごめんなさい!」
慌てて有希が顔をあげて謝る。
「いや...別に怒ったわけじゃないんだが...ちょっと強い言い方に聞こえたかな。悪かったな。」
「あ、ううん。大丈夫...」
俺は有希の後ろに屈み、そっと腰に手を回して抱き抱える。
「うわっ...軽すぎだろ......もっと栄養のあるものたくさん食べた方がいいぞ?」
「あっあの...降ろして......」
「ダメだ。」
「うぅ...」
恥ずかしがってる有希を抱き抱えたまま、コンセントの近くまで運ぶ。
...柔らかい。それに石鹸のいい香りが......
あ、断じて変なところは触ってないからな。
俺はコンセント付近に胡座をかき、その上に有希を座らせて髪を乾かし始める。
「髪すっごいさらさらしてんな...俺の髪とは全然違うや。」
「......ん...」
時々有希がピクッと身体をくねらせる。
「くすぐったいか?」
「ぁ...ちょっと、だけ......」
「そうか。でもちゃんと乾かさないと風邪引くからな。」
「うん...」
最初はちょっと身体を強ばらせていた有希も、次第に俺にもたれかかるように身体を預けた。
「ほら、乾いた。」
「...ありがと......」
有希が体を起こして立とうとする。
だが、俺はその前に抱きしめていた。
「あっ...その...はな......」
「はな?」
「......さなくても、いい。」
「そうかい。」
俺は有希の腰に回った腕に少しばかり力を込めた。
「んぁ......あなただけ抱きしめるのはずるい...」
そう言うと有希は俺に抱かれたままくるりと身体を反転させ、両手両足を俺の背中に回して抱きしめてきた。
柔らかい...主に胸あたりに夢のような感触が......
まだ、年齢制限かかんないよな?セーフだよな!?

 

しばらくその状態で身体をすり寄せてきていた有希は満足したような顔で腕を離した。
「次は、あなたがお風呂に入る番。」
「お、そうだったな。じゃあ...」
入ろうかな。と続けようとしたが、
俺の唇は塞がれていた。有希の唇で。
あぁ。そういや恋人になって1ヵ月半、手を握ったり抱きついたりはしてたがキスはまだしたことなかったな...まさかあの引っ込み思案の有希に先にされるとは......
「ぷはっ...えっと...これは......その...」
有希が真っ赤な顔で言い訳を考えている。
別に恋人なんだし普通だろうに...
「そう、お礼。同棲してくれる、お礼...」
「そっか。じゃあこれから毎日お願いしようかな」
俺きめぇ...イケメンに限るセリフを堂々と履いてんじゃねぇよ......
「あなたが...それでいいなら......あ、あなたからも...毎日して欲しい......」
「わかった。」
それだけ言うと、俺は有希の唇に自分のそれを重ねた。
さっきは不意打ちだったから思考が追いついてなかったが女の子の唇はこんなに柔らかいのか...
っとまぁ(俺的に)Sランクの超かわいい女の子とこういうことすれば当然男性特有の生理現象は起こるわけで......
「どうしたの?お風呂、入らないの?」
俺の上から降りた有希が照れ隠しのように聞いてくるがとても立てる状況じゃない。
「ちょっと...今、立てないんだよ......」
「...足痺れちゃった?......重かったかな...?」
「い、いや全然重くなかったぞ。別に足が痺れたわけじゃなくて...その......」
「?」
ああ!その純粋な、疑問を先生に尋ねる小学生のような目で見ないでくれ!!
女の子のお前にはわからんだろうが色々と大変なんだよ...
「......あ」
有希はそれだけ呟くと慌てて目を逸らした。
どうやら察していただけたようだ...
「あ、えっとこれは...」
「大丈夫、生理現象...気にしてない......」
「......そうか」
まぁいくらこういう事に関わりが無さそうな有希でも流石に保険の授業とかで知ってるわな...
「んじゃ、風呂入るか。俺が入るときはどうするんだ?やっぱ脱衣所にいるのか?」
「そう、する。」
「そっか」
そう言って俺は立ち上がる。
「........もう、いいの...?」
「っ...あ、ああ。」
俺は着替えを、有希は本をもって風呂場へと向かう。脱ぐときは有希に後ろを向くよう言ったのだが、「さっきの仕返し」と一瞬振り向かれてしまった。
毎日こんなやり取りしなくちゃいけないのか...?
俺は精神と理性の鍛え方を思案しつつ身体を洗うのだった。

 


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Last-modified: 2014-04-22 (火) 21:20:47 (1104d)