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作者 | ケット |
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作品名 | 寒い、雪 |
カテゴリー | 長門SS(一般) |
保管日 | 2012-01-23 (月) 22:30:48 |
キョン | 登場 |
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キョンの妹 | 不登場 |
ハルヒ | 登場 |
みくる | 登場 |
古泉一樹 | 登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 不登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
「うーっ、さむ。てか雪ふってんじゃねーか」
窓から見ると、外の強い風とみぞれは、硬く叩きつけるような雪に変わっていた。
ハルヒが元気よく、薄手の上着一つで帰る。
朝比奈さんと古泉も、一礼して部室を出た。
閉じた本を棚に戻した長門は、当然のように出ようとした。
「おい、上着は?」
この寒いのに制服だけ?いくら有機インター何とかでも死ぬぞ。
「涼宮ハルヒが、今朝の高気温で判断を誤り上着を着てこなかった。そのままでは72%の確率で病気になる。ゆえに彼女の記憶を操作し、私の上着を情報操作でサイズを合わせて着せた」
「おまえはどうすんだよ!」
「問題ない。私は病気にならない」
「そうは言っても、寒いだろ」
呆れて言うと、長門はおれの腕を軽くつかみ、
「調整できる」
と首筋に寄せた。確かに長門の周囲だけ、暖かい。便利なもんだ。
「でもなあ、見てるだけで寒いんだ」
なんだか腹が立って、おれは自分の上着を長門に着せかけた。
「あなたは情報操作で温度を調節することも、身体免疫を調整することもできない。危険」
「おれの精神衛生のほうが危険なんだよ」
「理解不能」
「いいから着てろ。恥かかせるんじゃねーよ」
それだけ言って、なんだか腹が立つままに昇降口を飛び出した。
あっさりと長門に追いつかれる。
「私はあなたに寒い思いをして欲しくない」
小さな、平板な声が耳に触れる。
これは、長門の心なのか?だとしたら…自己満足だけ押しつけるのも、悪いか。
そうだな…
「じゃあ、次の信号まで行ったら返してくれ。その次の信号で、また貸すよ」
「意味不明。でも、あなたがそれを望むなら」
と、長門は表情を変えないまま、おれに歩調を合わせ坂を下りはじめた。