作品

概要

作者陵くん
作品名さらば長門 フォーエバーその3
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-08-23 (火) 19:52:36

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「長門?なに言ってんだ」
何かの冗談だよな?まだ、SOS団にも俺にもお前は必要だぞ?そんな勝手をハルヒが許すとは思えん。
「わたしはあなたとお別れしなければならない。これから、わたしは大規模なエラーに侵される、だから、わたしは喜緑江美里に自律判断基準をすべて譲渡することにした。明日からあなたたちを守るのは喜緑江美里もしくは…」
「長門!ちょっと待て、落ち着け。お前は今、どこにいる?」
俺は長門の言葉を制止させ、叫んだ。シャミセンがベットから飛び起き部屋を出ていくことなんて構わない。
「どこにいる?」
頼む、答えてくれ長門…
「………」
長門は何も答えない、答えてくれない。長門もう一度聞く、今どこにいるんだ?
「約束、の、場所」
壊れかけたCDのように長門の言葉が途切れていた。約束?約束の場所?わからない何処だ?
「あなたが来るのを待ってる…」
「まて長門!何でいきなり?」
「あなたを…待ってるから。約束したあなたならきっと来てくれるはず。」
長門はその言葉を最後に電話が切れた。
「長門!」
長門、長門…!いつだ?…っ!今日のだよな。…長門が行きたい場所…行きたい場所?
あそこしかないよな…長門?

 
 
 

こんな深夜の時間だが、俺は廊下をドスドスと走って玄関をでる。親に気づかれても別に気にせん。これは一大事だ。
自転車に乗り、通りなれた道を今までにないくらいのスピードで走る。そのおかげか、十分ほどでその場所に着いた。いてくれよ、長門…
自転車を乗り捨て、見慣れた建物の門を軽々と乗り越え、中に入る。警備員に見つかったってしるか、なんなら警察につきだしたっていいぞ。長門を見つけてからだ。
あの無愛想な宇宙人モドキだったあいつが、最近は感情も少しは出せるようになった。なんなら最後まで、長門が笑うまで共にいたい。俺は階段を上り、ある部屋の前に立った。…ふぅ、ここにいるはずだよな?長門…、たしか冬のあの消失事件のときもこうだった気がするな。ハルヒも古泉も消えちまって、朝比奈さんも俺を知らなかった。そんな時でもお前はしっかりここにいてくれた。今回もいてくれよ。階段の方から音が聞こえる、警備員だろうか?しらん。俺は文芸部兼SOS団部室の扉を開けた。

 
 
 

その少女は何年間もそこにいたかのようなたたずまいで、パイプ椅子に座っていた。
「長門…」
いつもなら本を開いて、俺に薄くだが挨拶をしてくれる。だがそんな状況ではなかった。ただひとつ、長門はいつも通り驚いた顔を見せず俺を直視していた。
「来てくれると、わかっていた。」
だろうな、俺も途中気づいたよ。お前は俺に出来ない頼みを言わない、俺が来ることはお前の頭のなかでは規定事項だったんだろ?長門はミリ単位で頷く。
「私は去年の冬から、エラーを抑え込むことが出来なくなった。原因はあなた」
長門は少しだけ悲しそうな顔をする。やめてくれ長門、その顔は好きじゃない。
「わかっていた、だけどどうしようも出来なかった。出来たとしてもしなかった。」
なんでだ?どうにかできたら、一緒に居れるんだろう?
「情報ナンタラ体ってのがお前をつれていこうとしてるんだな?ならハルヒを使って…」
「違う」
俺の言葉を長門が遮られた。え?違うってなんだよ?
「わたしは自ら、あなたたちから離れることを選んだ」

 
 
 

…長門は俺には嘘は言わない。そんなことはわかっていた、だけど今回ほど嘘であって欲しいと思ったのは初めてだぜ長門。やっぱりお前の考えてることはわからないな。
「わたしの中のエラーが増え続けていることは無視できない問題、いつかまた世界を変える行動に陥るかもしれない」
長門は震える声で話した。正直可哀想だ、でもな…!
「そんなのは、俺がどうにかしてやるって言っただろうが!」
俺は声を荒げ、拳をテーブルに叩きつけた。だが長門はゆっくり顔を横に振るう。
「それは…出来ない。わかってる。」
長門は悲しげにうつむいてしまった。朝比奈さんを誘拐犯から守れなかった時にも思ったが、つくづく俺が情けなく無力かわかる。
「ごめんなさい…」
謝るなよ、お前は悪かない。俺が悪いんだろう?そうさ、誰がなんといおうが…。
「わたしの気持ちはあなたに届けられない、あなたの瞳にわたしは映れない…」
「やめろ、長門言うんじゃない」
「出来ることならあなたの暖かい手を本当は離したくなかった」
無表情な顔から出てる悲しみが重い。辛いだろう長門、やめてくれ…。

 

「ごめんなさい、記憶凍結させる。これでお別れ、さようなら。」
俺は長門の腕を掴んでいた。
「やめろ、それを言うんじゃない。長門!」
「ごめんなさい。お別れ…」
無表情なその顔から涙が一粒だけ垂れている。その瞬間、俺は倒れこんだ。
「だから、最後にひとつだけ…」
目が開けられない。やめろって、頼む、やめろよ?お別れなんてムリだぜ?なぁ…長門…意識が遠ざかったとき聞こえた。
「あなたが大好きでした。」 

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:55 (1921d)