たまにCSSが抜けた状態で表示されてしまうようです。そのような時は、何度かリロードすると正しく表示できるようになります。
作者 | 陵くん |
---|---|
作品名 | さらば長門 フォーエバーその2 |
カテゴリー | 長門SS(一般) |
保管日 | 2011-08-21 (日) 23:21:26 |
キョン | 登場 |
---|---|
キョンの妹 | 不登場 |
ハルヒ | 登場 |
みくる | 登場 |
古泉一樹 | 登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
もう恒例となっているだろう俺奢りの喫茶店でつまようじを引き、俺は古泉と不思議探索になった。
「何か不満なことでもあるんですか?」
これまたいつものように、古泉は微笑みながら俺に聞く。
「いや」
俺は無愛想に返事をした。
「そうですか、涼宮さんに聞きましたがあなたは長門さんとデートがあったらしいですね?」
ハルヒ…お前古泉にまで話さなくていいだろ。こいつはダメだ、いつも、にやけやがって。
「一応言いますが、涼宮さんの機嫌を損ねるようなことはしないでくださいね」
どんなことだよ、説明しろ古泉。お前は俺にいつまでもハルヒの言いなりになれっていうのか?
「そこまでではありませんが…SOS団の休日活動をサボったり…」
古泉は少し時間をおき言った。
「長門さんと何かあったり」
おい、古泉?いい加減にしておけよ。じゃないとぶっとばすからな。今の俺の理性はあてにならんぞ?長門との…
「そう、それです。あなたはSOS団のことより長門さんとのデートがいいと思ってます」
当たり前だ、長門には何度も助けられてるし、長門の頼みはなんとしても叶えてやろうと思ってるからな。長門との約束より大事なものはない。
「長門さんがそう思うなら妥当です。ではなぜあなたがデートのほうがいい思うんです?」
俺たちは朝比奈さんに未来人話を聞いたベンチに座った。
「それは」
「長門さんとデートがしたかった…違いますか?」
…そんなこと、知ってるさ。俺だって一高校生なんだ。部活よりデートのほうがいいに決まってる。
「それは長門さんだからですよ。」
「………」
そうかもしれないな。俺は長門だからなんだろうな?だがな古泉、それがどうした?ハルヒには関係のない話だろ?
「昨日、涼宮さんからの電話のあと、神人が二度出現しました。何でだとおもいます」
何でだ?知らない。てかわかってたまるか。ハルヒの精神が安定してないのは俺のせい?違うよな古泉
「本気ですか?…そこまで鈍感だと、逆に尊敬しますよ。」
お前に尊敬されたって意味がない。そうだな、朝比奈さんや長門とかなら自慢になる。
「…あなたは幸せですね」
古泉はいつものようににやついてはいなかった。
幸せ?…あぁ、幸せだ。このバカげたSOS団にいて、ハルヒに巻き込まれて、お前と勝負にならないオセロをやって、朝比奈さんのお茶を飲めて、幸せじゃない訳がない。たとえ消失事件での長門が感情持てる普通の女の子で、朝倉も普通で、もちろんあっちでもSOS団は作れたさ、朝比奈さんだってハルヒが説得しただろう。だけど俺は帰ってきた、宇宙人の長門がいて、未来人の朝比奈さんがいて、超能力者のお前がいる。そしてわがままで自己中なハルヒがおかしな力を持ってるこっちの世界にいたかったんだ。それはお前も一緒だろ?
「えぇ、もちろんです」
あっちの世界ならお前だって恋とかスポーツとか出来るだろう。だが俺は戻ってきた、いくら長門を好きになっても神人なんかどうにかしてやる。その覚悟があってだ。だからお前らが困ることはしない。
「…わかりました、あなたの意見はよくね」
いつの間にいつもの顔に戻ってる。
「あぁだが心配するな、お前が考えてるようにはならんからな。」
その言葉に古泉はあの笑顔を見せ、「頼みますよ」と言った。任せろ。
俺たちはハルヒにからの集合の知らせで、駅前に戻った。ファーストフード店で再度、つまようじでチーム分けをした。
印付きだ。えーと、他に印付きを引いたやつは………
ハルヒの「悪いけど今日はデートじゃないのよ!真剣に探しなさいね!」と睨まれた俺たち二人はハルヒと朝比奈さんと古泉に手をふる。
「行くか長門?」
長門は数ミリ頷き、俺の後ろに歩き始めた。
「長門、昨日言ってた行きたい場所に行こう。」
そうだ、この時間に行ってしまえばいい。別に戻らなくてもいい。
「ダメ。涼宮ハルヒが気づけば怒る。また世界を変えようとする、あなたと涼宮ハルヒだけの世界に…」
「大丈夫だ。」
俺は長門の手を掴み、駅前のほうに歩き始める。
「長門、どこに…」
その時、長門が掴まれた腕を振りほどいた。
「ダメ。」
長門の無機質な目が悲しみに満ちている。…なんて、わからないが、感じた。やめろ長門、そんな顔するな。
「あなたがこの世界からいなくなるのは絶対にいや。」
「…長門」
俺は長門の悲しそうな顔を見てられず、目を反らした。
あぁ。優柔不断な男だな俺は。谷口になら言われるかもしれん、あのバカ…って谷口はいいんだ。
「図書館にでも、行くか?」
俺はそれくらいしか言えず長門をみた。すると長門は少し頷いて、歩き始めた。
結局、図書館でも何も話せず集合時間の十分前に駅前についた。さすがにハルヒたちはついておらず、俺たちは駅前の喫茶店に入る。と、長門は座り、図書館で借りた本を開いた。
「長門?」
「………」
これは怒ってるのか?それとも聞こえなかったのか?…そんなこともわからなくなってきた。まずい…
「………なに?」
返答があったことから、前者の可能性大だ。
「怒ってない」
そうか、それはよかった。
「嬉しかった。だけど、涼宮ハルヒが知ったら大変なことになる。」
長門は悲しそうな顔をまたした。やっぱりその顔は好きじゃないからな
「長門、また今度行こう。約束するよ。」
俺は笑ってやると、長門は躊躇うように頷いた。ここで気づけばよかったんだと思う、長門がなぜ躊躇うのかと。
「ありがとう」
その一言で考えるのをやめてしまった。
深夜、何時かはわからなかったが、携帯が振動していた。
だれだよ?こんな時間に。また朝比奈さんか?違ったら怒鳴り付けてやる。
「もしもし?」
俺が電話に出て聞いたのは長門の一言だった。
「お別れを言う」