作品

概要

作者新人
作品名長門とデート(後)
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-08-11 (木) 15:25:36

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

目が覚めた。見慣れない光景、撫でられる感触、はっとしてバッと起き上がる。長門がいた。
そうだ。俺は昨日長門の家に泊まってこれでもかと言うくらい理性を狂わされそうになり
最終的に長門のオーバーキルによって気を失うように眠ったのだ。

長門「…おはよう」

長門は朝食を作るから着替えを済ませたらリビングに来るように言うと行ってしまった。
鞄から着替えを出しながらよく考えたら今日は長門とデートもどきをすることを思い出した。
昨日あんな目にあったせいもありすっかり忘れていた。ああいうシチュエーションも体験したかったのだろうか?
今日はもうちょっと理性にやさしい方向で行きたいな。

リビングに行くと朝食の定番メニューにはいるであろうトーストと目玉焼きが用意されていた。

長門「…お茶」

キョン「ん?ああ」

そういえば昨日はお茶を入れてなかったな。いろいろ忙しくて。
それにしてもうまい。部室でもたまに長門がお茶を入れるのも悪くないかも知れないな。
そう言いながら長門に目を向けるとある事に気付いた。

キョン「あれ?その服」

私服だった。白の長袖シャツの上に黒のワンピースを来ている。落ち着いた色彩が長門にあっていて似合っている。

長門「デートには私服を着ていくことが多いらしい」

いや、学校のない日は私服を着ているのが普通だぞ。休日まで学校指定の服装に縛られる事ないだろう。
朝食を済ませて一段落したところで俺達はデートもどきに出かけることにした。
長門はダッフルコートにマフラー、ニット帽を身に着けた。これだけ防寒グッズそ身に着けているのに
なぜか手袋をしていない。

キョン「どこか行きたい所はあるか?」

長門「基本的にデートの予定を考えるのは彼氏の役目であることが多い。あなたにまかせる」

それにしても手が寒そうだ。手袋貸そうか?

長門「問題ない、こうすればいい」

そう言って俺の手を握ってきた。多少の同様はあったがもう馴れた。こういったシチュエーションもよくあるしな。
俺は長門の手を握り返し横に並んで歩いた。
俺は悩んだ結果、ゲームセンターに行くことにした。長門に興味のあるものがあるといいのだが…

長門「…これ」

長門の指差した方向にはガンシューティングのゲームが置かれていた。ゾンビを倒しながら進んでいくゲームだ。
4と書かれている事から昔から続いているシリーズの続編らしい。

長門「…一緒にやってほしい」

銃は2つあり同時プレイも可能のようだ。それに見る限りなかなか面白そうだったので迷わずOKした。
主人公は2人の男女でマシンガンを片手にゾンビの群れに立ち向かっていく。
長門の正確な射撃は寸分の狂いもなくゾンビの弱点を撃ち抜きステージ毎のランクは常に最高だった。
俺はというと長門に指示されるままサブウェポンである手榴弾を投げたり銃を振るという特殊アクションの際に
長門の後押しをするのが精一杯だった。しかしお互いまだ1度もコンテュニューしていない。
あっという間にラストステージに突入した。なにやらゾンビと言うよりロボットに近い敵ばかりが出現し
弱点の頭部を撃っているのになかなか倒れない奴までいる。しかし長門は落ち着いて

長門「彼の弱点は唯一胸になっている」

神プレイをしながら瞬時に弱点を見抜くとはやはり長門はすごい。慣れが出てきた俺と2人で敵を倒していく。
海外が舞台なのに和室まであった。なんだこりゃ?和室を抜けると一度に3体もの敵が現れた。
そいつらはさきほどから出てきていて壁にくっついたり姿を消したりと手ごわい奴だったので少々あせった。
長門のおかげもありなんとか撃退に成功するとアイテムだらけの部屋があらわれた。

長門「コンテュニュー無しでここまで辿り着いた者への最後の情け」

長門は遠慮無しにアイテムを打ち抜いていく。俺も負けじと打ち抜く。
そいてラスボス。トンボのような蝶のようなでかい白銀の怪物だ。弱点が表示されなかったがさすがは長門。
胸の切れ目が弱点であると見抜きすばやく撃ち込んでいく。ラスボスだけに形態変化を繰りしたり攻撃方法を
ころころ変えたりでかなり手ごわい。最終形態は腕から竜のようなもんを出して攻撃してくるというもので
うねるように移動するのでなかなか攻撃が当たらない。長門はというと1ステージ目から1発も外していない
と断言できるくらい正確な射撃を見せてくれる。結局ほとんど長門の活躍でラスボス戦を終えた。
ラスボスが死なずに成長を続けるのを見た男の主人公が女の方を残してラスボスとともに自爆するという
終わり方だった。エンドロールのあとに3へ続くというテロップが表示された。5じゃないんかい!!
その後ランキングが表示され長門がトップスコア。点数は異常な数値だった。過去のトップをはるかに越えていた。

キョン「終わっちゃったな」

長門「…終わった。彼の自己犠牲のおかげ」

完全にストーリーに感情移入しているようだ。「ああ、あいつはよくやった」とはげまし後ろを振り返ると
野次馬で溢れていた。

野次A「スコア見たか!?やばいだろ!!」野次B「あんな可愛い顔してすごすぎ!!!」

野次C「男のほう幸せ者だな」

俺は長門の手をつかみその場を離れた。気分を変えてUFOキャッチャーでもやろうと長門に薦めると
今度は意外にも普通の人と同じように無意味に終わった。

キョン「やっぱりこれは難しいか」

長門「ばねの力が弱い。どんなに的確な位置に座標をあわせても取ることが不可能だった」

まあまあ、同じ環境で獲ってる人もいるんだからコツがあるんだろ。

そういって長門の狙っていた景品を狙ってみた。以前テレビでUFOキャッチャーの達人
が出ていたのを思い出したからだ。景品そのものを直接狙わずにタグに引っ掛けたり
景品の重心を考えたりして獲るらしい。
その景品。ぬいぐるみであるが、狙ってくださいといわんばかりにタグがついている。
輪になっている部分は非常に小さくピンポイントでいかなければまず獲れないだろう。
レバーで微調整可能な形式の機械でよかった。そしてここだと思ったところでボタンを押した。
平静を装ってはいるがかなり緊張している。アームはゆっくりと下がりタグのすぐそばで止まった。
ゆっくりとアームが持ち上がる。ぬいぐるみとともに。細いタグの紐1本という頼りない命綱であったが
取り出し口に行くまで落ちることはなく俺は景品を獲得した。とりだしたぬいぐるみを長門に差し出す。

キョン「ほらよ、UFOキャッチャーは馬鹿正直に狙って獲れるものじゃない。ちょっとした工夫がいるんだ」

長門「…わかった、ありがとう」

無表情の中にどこか嬉しそうな顔をしながら長門は言った。

野次A「さっきの2人だ!!」 野次B「今度は彼氏のほうがUFOキャッチャーやってるぜ」

野次C「ガンシューティングにUFOキャッチャー、すごいカップルだな」

いつの間にかさっきの野次馬に囲まれていた。ここは十分満喫した。場所を変えよう。
いい時間だったので俺はカレーの専門店へ連れて行った。
長門は大盛を2杯というとんでもない量を平らげた。また野次馬が沸きそうなのと懐事情で
2杯目でやめさせただけで長門はまだまだいけそうな顔をしていた。
次のデートスポットを考えながら長門を見た。こうしてみると宇宙人なんてとても思えない。
1人で町を歩いていたらすれ違った人が思わず振り向きそうな美少女だ。
風に乗って長門からいい香りがしてきた。しばらく歩くと公園があった。
そういえばデートと公園というのは聞かなくはない。俺達はベンチに腰掛け景色を眺めた。
ちょっと先に自販機が見える。

キョン「自販機があるぞ。何か飲むか」

長門「…あなたに任せる」

俺は暖かいコーヒーを2つ買い長門の元へ戻った。さっきまで座っていたベンチを数人の男が囲っている。
うわっ!!!長門がナンパされてる!!!

男A「なあ君、俺達と遊ばないか?」 あからさまにあやしいだろ
男B「可愛い子なら大歓迎さ !!」 こら!長門に近寄るな
男C「なあ、なんか言ってくれよ〜」 それは無理だろうな

長門が黙ったままなのでついに男達の癪に障ったらしい

男A「おい何とか言えよ!!このアマ」 アm… もう我慢できん

キョン「おい!!お前ら俺の連れに何のようだ」

男達は一斉に振り返り俺のほうを見る。俺らよりちょっと歳は上そうだった。

男A「んだとコラァ!!文句あんのか!!」 大有りだ
男B「ぶっ殺すぞてめえ」 脅しのつもりか
男C「消えろ!!」ブンッ  うぐっ

頬にパンチを貰っちまった。だがここで逃げたら男じゃねえ。ていうか思ったほど痛くねえ
凶器を持っていないことを祈りつつリーダーと思われる男に突っ込み…

男A「ぐあっ!!」自分でもどこで覚えたのか知らないが見事なアッパーを決めた。でも手が痛いな。

男B「野郎!!」 男C「調子乗ってんじゃねえ」 2人いっぺんかよ!! こうなりゃ賭けだ。

2人の間に飛び込む。両手を広げて勢いよくぶつかった。2人と俺は地面に倒れこむ。
その隙に長門を背中に収める。しかし3人はたいした男ではなかったらしくとぼとぼ去っていった。
長門にコーヒーを渡しベンチに腰掛ける。プルタブを同時にあげて乾杯。ようやくゆっくりでk…
さっきの奴ら戻ってきた。2メートルほど離れた位置でこっちを向いた。何だ?

男A「この洗濯板!!」 まだこりてないのか。ん?長門のほうからなにやら黒いオーラが出た気がする。
男B「お前の胸部は水平線だあ!!」 餓鬼か。しかし黒いオーラが増した気がする。なんだかやばい気がする。
男C「生涯ず〜とペーチャーパイ!!」 そんなことをよく公共の場で言えるな。そして長門の沈黙がなんか怖い。

ブシュッ!!!! 

!? 何の音だ。男達はまるでこの世のものとは思えないものを見たような顔をして涙目で叫びながら逃げていった。
何が起こったんだ!? 長門、お前何か見たk…!!!!!!
長門が手に持っている缶コーヒー…だったもの。それはすっかり形が変わり原形をとどめていなかった。
長門の顔はどこの誰が見ても怒りに満ちているのがわかるだろう。というより眼力だけで何人か殺せそうだ。
長門はコンプレックスである胸のことを言われて怒ったのだろうか?ちょっと可愛いな。
でもいくら怒ったからってスチール缶を片手で一瞬で握りつぶすなんて。スチール缶だぞ。アルミ缶じゃなくて。
しかも対角線上に...その細い小さい手で… 長門はやり足りなかったのかベンチの板の一枚を握り締めていた。
とても力を入れているとは思えない。…がまるで斧でたたいたかのように一瞬で握った場所から真っ二つになった。
このまま放って置くと目に付くものすべてを破壊しつくしそうな気がしたので反対の手をつかんだが間に合わず
2枚目のベンチの板を犠牲にすることになった。

長門の気を晴らそうと本屋に寄ったりスーパーで夕飯の買い物をしたりしたのだが水平だとかペッタンコとかに
過剰反応し、スーパーの時なんてスーパーの名前を見ただけで俺の手を握る力が強くなり骨が悲鳴を上げた。
”たいらや”はミステイクだった。
なんとか長門のマンションに辿り着きリビングにへたり込んだ。

長門「…夕飯の支度」 キョン「ああ、わかってるさ」

2人で夕飯を作った。俺の提案だ。できるだけ2人で一緒に何かしたいと思ったんだ。
どうしてそんなこと思ったのかはわからないが…
二人で作ったのは超特盛のチャーハンだ。どうやって作ったかは想像にお任せする。
そのうちに長門の機嫌もよくなってきた気がする。長門と3:1くらいで分けて食べた。しかしのどが渇く。

キョン「長門、お茶くれるか?」ギロッ

長門「ペチャ?」

キョン「違う長門!!!落ち着け。とりあえずレンゲをおけ。砕け散るぞ。お・茶・だ!!!」

長門は「…そう」とか言ってレンゲを置き急須を取りにいった。
テーブルに置かれたレンゲの状態を見ようと身を乗り出したとき腰が炬燵にあたりドンと揺れた。
その衝撃でレンゲがくずれた。あと一歩遅かったら長門の手からレンゲの破片が拡散してたわけか。恐ろしい…
長門の入れたお茶を飲みほし”ふぅ”と一息入れ長門が手に何も持っていないことを確認して俺は何を思ったか
こんなことを言い出した。

キョン「長門も自分の体系を気にするようになったんだな。1年間付き合ううちにどんどん感情が増えてくる
お前を見てると嬉しくなってくるよ」

こちらを向いた長門は百人は軽く葬れそうな視線を向けた。

長門「それは私が体系で悩んでいるのを見て楽しんでるという事?」

キョン「違う。無口無感情無感動なお前がだな…」

長門「でもあなたはさっきから私の胸をちらちら見ている。からかっているとしか思えない」

キョン「それも違う。第一俺はお前を胸にボリュームの無い奴なんて思ってない」

長門「やはりあなたは胸を見ていた」 うっ!!否定できん

長門は静かに近づいてくる。俺は腰が抜けたように動けない。実際は抜けてないとおもうが…
長門の1歩が俺の死へのカウントダウンに思えた。

キョン「長門!!お前は貧乳なんかじゃない。俺は昨日お前のくっきりした谷間を見たぞ」

我ながらとんでもない発言だ。普通なら振られるわな。

長門はぴたりと止まった。そして両手で胸の辺りを隠した。心なしか長門の耳が赤く見える。
チャンスはいまだ。ここで機嫌を損ねれば今度こそ命はなさそうだ。かえって朝倉より怖いな
俺は長門を抱きしめた。ええい自棄だ。デートもどきだった事なんて気にしねえ。

キョン「長門、好きだ」

長門がどんな反応をするのかビクビクしていた。「ふざけないで」と一蹴されるかもしれん...

しかし長門は俺の背中に手を回してきた。

長門「…ありがとう」

ふう…どうにかなったみたいだ。いつ嘘だとばれるかもわからんし気をつけねばならんな。
しかしなんでまっすぐ家に帰らず長門の家の寄ったんだ?ましてあの機嫌の長門の部屋にお邪魔するなど
ライオンの檻に入るより危険かもしれんのに…長門が心配だったから?だとしたらなんでそんなに
長門が心配になるんだ?どうして一緒に何かしようと思ったんだ?もしかして俺は…
俺の胸に顔をうずめていた長門が俺を見上げた。

長門「これからもずっとそばにいてほしい」

はたしてこの状況でこのお願いを断れる人がいるだろうか。
というより自分の気持ちに気付いたのかもしれない。

キョン「ああ、もちろんだ」

俺達はお互いの唇を合わせた。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:54 (1950d)