作品

概要

作者いつまでも新米
作品名イメージソング・フロム・SOS団第五章
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-01-31 (月) 11:04:58

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 そのあとの三日間は、特筆すべきことも起こらなかった。
 ハルヒは宣言した通り翌日中には曲を仕上げ、楽譜を手伝ってくれるスタッフやミュージシャンの方に送ったらしく。
 その次の日には試作の伴奏のみファイルが送られてきた。

 

 おい、普通こんなことしないっつーかできないんじゃないか?
「僕も音楽のことは詳しくないのでわかりませんが、確かにあまりこういうことはないでしょうね」
 いいのか?機関はこんなに甘やかして。
「涼宮さんが本気で音楽業界の華やかなところにかかわる仕事につきたいのなら、もっと現実的なプランを用意しますが、そうではないようなので。
 第一、プロの方がアルバムを作るとなれば半年や一年かけると聞きます。
 さすがにそれでは都合が悪いでしょう?」
 たしかにな。
「金持ちが自分たちの道楽に付き合ってくれた、だから多少の特別扱いもアリなんだ。
 それぐらいの感覚でいてくれたほうがこちらとしても気が楽なんです。
 以前、定年退職なさった人のためにレコーディングスタジオとスタッフを貸してその人の所属するバンドのアルバムを作成してあげるというサービスのことを聞いたことがありますが、一曲当たりの値段がいくらかご存知ですか?」
 わからん…もしかして十万とかすんのか?
「正確なところは覚えてませんが、一曲あたり百万単位でかかるはずです」
 ひゃく…。
「ですから、甘やかす云々でいうならそもそも最初からなんですよ」
 機関には迷惑をかけるな…。
「まぁ、田丸さんが大金持ちでスタッフ、ミュージシャンは全員知り合い、スタジオは個人所有という設定を加味すれば、さすがに百万単位でお金がかかるってこともないでしょうが」
 なんかもっとまじめにやらなきゃって気がしてきたぞ。
「そんなに気負う必要はありませんよ。
 どうせ僕たちがここを使ってない時は機関のお偉方の遊び場になるんでしょうから」
 そうなのか?
「当然ですよ。
 こんな良い建物をこのためだけに作って壊すなんてもったいなさすぎます。
 それに涼宮さんが『また行きたい』って言い出した時にありませんじゃ話になりませんから。
 だからまぁ、上のほうでのんびりしてる方々に一矢報いるぐらいの気持ちでかまいませんよ」
 そう言われると気が楽になるな。
 しかし、百万か…。
 やはり俺たちには過ぎた贅沢だな。

 

 後は、そうだな。
 余興として、ハルヒが俺に与えた罰ゲーム『ハレ晴レユカイをバラード調で』をみんなの前で披露したな。
 アレはバラードというよりフォークソングな感じになってたと思うが。
みんなの反応?
 ハルヒ、鶴屋さん、朝倉、妹は大爆笑。
 古泉と朝比奈さんは笑わないように体をプルプル震わせ、つーか笑うなら笑え、そっちのほうがまだいい。
 長門は面白いところはどこなのだろうと探しているような雰囲気を。
 一番なにを考えているのか分からない喜緑さんは、終始微笑みを浮かべていたのだが、どうなんだろう。
 ひとしきり笑い終わったハルヒが、
「みんなの分のハレ晴レユカイも収録しましょ!」
 といったのは驚いたが、俺のようにひどいアレンジはないらしいのでがっかりである。

 

 あ、それから長門たちの部屋に行ったときに朝倉に謝られた。
 どうやら、再構成されてから人間の感情について学び、自分もそれを獲得するにつれて、自分がどんなにひどいことをしたのか気づいたとか言う話だった。
「本当にごめんなさい、キョンくん」
 眼に涙を浮かべながら頭を下げて謝られて許さないでいられるやつがいるだろうか。
 すくなくとも俺はそうではない。
「気にすんな、もう済んだことだし、春先の事件じゃ助けてくれたからな」
「えへへ」
 次に顔をあげたときには涙の一滴も見られなかったのには、一瞬謀られたかと思ったが、この満面の笑顔をみてたらどうでもよくなった。

 

 そうそう、食後の風呂の時間では、俺と長門は毎回二人きりで話す時間を作っている。
 一度朝倉が潜り込んで盗み聞きをしようとしていたらしいが、あえなく長門に撃退されたようだ。
 俺は毎回気持ちを伝えようとしたが、なんとなく良い雰囲気の沈黙が続くと、俺が耐えられなくなって上がってしまう。
 一度長門が何か言いかけた時に上がろうと言ってしまい話を切ってしまったのも痛かった。
「まだ時間はある」
 そう思っていた俺にもすこし焦りが出てきた。

 

 そのほかは、送られてきた伴奏音源をもとにさらに練習を重ねていったのみだ。
 それぞれ何度かハルヒの歌唱指導が入ったがな。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:50 (2711d)