作品

概要

作者いつまでも新米
作品名幕間:イメージソング・フロム・SOS団
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-01-31 (月) 10:36:57

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 涼宮ハルヒが『イメージソングCD発売計画』に喜緑江美里と朝倉涼子と鶴屋女史を参加させることを決定した日の夕刻。
 私は自宅のリビングで、喜緑江美里と昨晩の情報増幅現象に関する調査、及び情報統合思念体への報告作業を行っていた。
 朝倉涼子は台所でおでんを作っている。

「データ採取完了。
 当該情報を思念体に送信する」
「有希ちゃん堅いわねぇ。
 彼にもそんな調子なんですか?
 それじゃあ彼もコミュニケーションを取りにくいでしょうに」
「…!
 喜緑江美里、今は情報の送信中。
 余計な発言は集中を阻害し作業の正確性を損なうおそれがある。
 それに、彼は私の言いたいことをわかってくれる、あなたの発言は事実に反している、不適当、的外れ」
「あら、私は『彼』としか言っていませんよ?
 組織がらみの話しあい等の可能性を考慮すれば古泉さんの可能性がないわけではないのに有希ちゃんは完全にキョンさんのことだと思っていたみたいですが?」
「!…情報の送信に失敗。
 再送信を試みる。
 喜緑江美里、あなたのせい」
「えぇ〜、勘違いしたのは有希ちゃんじゃないですか。
 それに、自分的にどうでもいいことだったらそんなに取り乱したりしませんよ。
 ふふっ、本当にからかいがいがあるんだから」
「喜緑江美…」
「はいはい二人ともそこまで。
 おでんできたわよ、食べましょ」
 朝倉涼子が話に割り込んできた。
 今まで上がっていた心拍数がすこし下がるのを確認。
 これは人間で言う「ホッとした」状態であると思われる。
「あら、有希ちゃん。
 なにをホッとしてるのか知りませんけど、まだまだあなたに聞きたいことがあるんですからね」
 …自分の認識が甘かったことを実感。
 これからはさらなる警戒が必要と思われる。
「ま、江美里さんは少しやりすぎじゃないかとは思うけど、私もそこは気になるんだから。
 今日こそは吐いてもらうわよ、長門さん」
 彼女たち二人を相手にして情報の秘匿が成功する確率は限りなく低い…このままでは。
 私は情報操作を行い感覚器官、情動を一時的に封印することにした。
 情報操作開始…できない?
「いつもいつも同じ手をつかって、私たちが気付かないとでも思いました?」
「さっき長門さんが食べた大根。
 アレにちょっと細工させてもらったわ。
 今のあなたは一般人類と変わらない。
 そして…」
 そう述べる朝倉涼子の背後では喜緑江美里が局地的非浸蝕性融合維持空間を単独発生させているのが見える。
「この中ならどんなに大騒ぎしても周りに迷惑をかけることもありません。
 さ、長門さん、ため込んでるあなたの思いをすべてさらけ出してもらいましょうか」
 にじり寄る二人を前に、私の肉体は何時間耐えられるかを考えることしかできなかった。

 

 結論からすれば私は一時間も持たず『彼』への想いを吐露することとなった。
 

 

「まぁ、有希ちゃんたら見かけによらず熱いのね」
「それをそのままキョンくんにぶつけたら間違いなく落ちるわよ、間違いなく」
「彼は涼宮ハルヒと結ばれるべき。
 私が彼を望むことは許されない…」
 彼は涼宮ハルヒに選ばれた。
 それは紛れもない事実。
「ねぇ、長門さん?」
「なに」
「最近古泉君の『機関』の人たちと情報交換する機会が増えてね、彼らはある仮説を立ててるのよ」
「それは?」
「それについては追々ね。
 でも、それが正しいとすれば、あなたにもチャンスはあるの。
 一ついいこと教えてあげる。
 確かに涼宮さんはキョンくんのことが好きよ。
 だけど、それと同じくらいSOS団の仲間のことを好いている。
 あなたに至っては唯一無二の親友でライバルだとすら思ってるわ。
 勉強や運動だけじゃなくて、恋もね。
 だからあなたがなにもしないうちからあきらめることないわ」
「しかし確証もなく行動に出て涼宮ハルヒが世界を改変したら…」
「やらなくて後悔するより、やって後悔したほうがいいっていうわよね?
 大丈夫よ!涼宮さんがそこまで子供なんだったら、自立進化の鍵云々以前にこの宇宙が危ないから思念体が手を打つわ。
 後は、あなたの心次第よ」
「私は…」
「キョンくんのこと好きなんでしょう?」
「…好き」
「では、明日から私たちがそれとなく彼に長門さんを売り込みますので」
「え?」
「たしか今回のレコーディング合宿というのはそれなりに滞在期間が長かったんですよね?
 その間に勝負が決するように私たちが暗躍するということです」
「そんな、私はまだ心の準備が…」
「そうなるとやっぱり私服を買い足さなくちゃね!」
「有希ちゃんのイメージとしては…」

 

 私の意見を無視し、二人は盛り上がっている。
 どうしていいかわからないが、いやな気分ではない。
 彼ならたぶんこう言うのだろう。

 

「…やれやれ」

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:49 (2711d)