作品

概要

作者Thinks
作品名名も無き北高生のこと
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2006-08-06 (日) 15:14:30

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「長門有希」
「…はい」
 
 長門さんが小さく返事をした。
 
 僕は、彼女がとても好きだった。
 過去形になってしまうのが少し、悲しいかな。
 
 彼女はクラスの中で、ひときわ目立たない存在だった。
 いまでもそう。女子同士で話す事なんかほとんど無い。
 話してたとしても、一言、二言返すだけだし、昼休みにはどこかに行ってしまうから。
 いつも何してるか良く解らない。一つ解るのは、
僕と一緒で、本を読むのが好きってことくらい。
 
 でも、その本を読む姿がとても魅力的なクラスメイト。
 それが、長門、長門有希さん、、、だ。
 
 授業のとき、彼女が答えられなかった質問はないし、
体育祭のときなんか、世界記録かと思う速さで走ってた。
 でも、無表情なんだよな。全然他の顔見たこと無かった。
 
 一回だけ、僕、長門さんと話した事があるんだ。
 それが今の僕が唯一自慢できる事。クラスの男子じゃ珍しいと思う。

 僕が読んでた本に興味を持ってくれた。
 その時読んでた本は、真ク・リトルリトル神話大系って言う、
普通の高校生は読まない本だったんだけど、、。
 
「その本、どう?」
 
 って、僕の横に立って訊いてきてくれた。
 僕がなんて答えたか、全然覚えてないのが残念。
 多分、だけど、挿絵も翻訳も黒いとか、そんなことをあわてて、
僕の事だからどもって、言っていたかもしれない。
 顔がちゃんと見られなかった。せっかく、僕に話しかけてくれたのに、、、。
 
 長門さんは僕に、作者の個性がすごく出てる事とか、
作者が病んでいなければこんな本が書けたのだろうかとか。
 いろんな事を話しかけてくれてたと思うんだけど、、、。
 全然話ができなかった。情けないな、と思う、自分でも。
 
 でも。この間、中庭のところで見たんだ。
 別のクラスの男子と話してるところ。
 その時、なにか長門さんが楽しそうに見えたんだ。
 
 だから、僕は、長門さんを好きなのを、止めた。
 
 彼女は今日も、僕の隣の席で本を読んでる。
 僕は、たまにこうやって、彼女が本を読んでる姿を見つめる事ができたらいいんだ。
 
 そう、思った。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:49 (3093d)