作品

概要

作者いつまでも新米
作品名イメージソング・フロム・SOS団第三章
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-01-31 (月) 09:40:45

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木登場
橘京子不登場

SS

 

 全く寝た気がしない。

 昨日はずーっと長門が歌っている夢を見ていたのだが、現実に聞いたのは一曲だけなのに他に候補に挙がってた曲、果ては聞いたことのない曲すら、妹のボディープレスが俺を夢の世界から引きずり出すまでの間聞き続けていたのだ。

 

 聞いている間は幸せ夢気分もいいところだったのだが、全く寝た気がしない。
 というか徹夜した後のような倦怠感がオレを蝕んでいる。

 

 わかるだろ?
 妙に頭が冴えたような、しかし瞼と胃袋が一切言うことをきかないようなあの感じだ。

 

 あまりにも現実的過ぎるんだが、後で長門に聞いてみるかね。
「力を使って一晩中ソロコンサートを開いてなかったか」って。
 それがもし本当でもオレは長門を怒らんだろう。
 よっぽど嬉しかったんだろうし、事実夢の中の長門は嬉しそうだった。
 それに、普段言わない分あいつはわがままを言うべきだ。
 その矛先が俺を向いたってんなら結構な話じゃないか。

 

 などと回らない頭で考えているといつの間にか教室についていた。
 教室には明後日以降の予定について声高に話すクラスメートで溢れており、教室のカレンダーを眺めるとなるほど、明日は終業式だった。

 

 一学期の終業式とくれば、その後にくるのは学生にとって一年間最大のイベント、夏休みである。
 今年も初日ではないが初めの方からレコーディング合宿があるとのことで、
 去年の『合宿をするために合宿をする』というゲシュタルト崩壊を起こしかねないスローガンを掲げたSOS団夏期合宿と比べれば遥かに有意義と言えるかもしれない。

 

 夢疲れで思考が取り留めなくなってきている俺は、自分の机でつかの間の休息を…と思ったんだが、後ろの席の我らが団長様が何事かを書き込んでいるレポート用紙が目に入るとそうもいってられなかった。

 

 チラッと目に入った文言に度肝を抜かれてしまうのも無理からぬことだろう。
 今、『有希:宇宙人』て書いてなかったか!?
 マズい!
 もしやハルヒに正体がばれたのか!?
 思考力の鈍っていた俺はまた恥ずかしい思いをすることになる。
「お前、ソレ!」
 アホみたいな大声を出しちまった。

 

 当然クラスメート達は静まり返ってこちらを見る。
 大声を出された当人のハルヒは鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていたが、すぐに俺がぼうっとしているのに気づいたらしく、
「ちょっとキョン、どうしたのよ!
 あぁ、もう、みんなごめん何でもないわ、キョンが寝ぼけてるだけ」
 この時のオレは
 おぉ、ハルヒがクラスメート達に呼びかけるなんて珍しいな。
 なんてことをぼんやり考えていたんだが、ハルヒのシャーペン突っつき攻撃で少し正気を取り戻した。
「ちょっと、ホントどうしたの。いつにも増して間抜けヅラよ?」
「あぁ、スマン。
 よく眠れなかったせいで頭がハッキリしなくてな」
「はぁ!?信じらんない。
 昨日SOS団が素晴らしき大躍進を遂げるための計画を話してあげたのにその初日からそんな下らない理由でそんなにふぬけた顔してんの!?」
「悪かったって。
 その大躍進の為のイメージソングとやらが気になってよく眠れなかったんだよ」
「どーだか、どーせゲームでもしてたんでしょ」
「違うんだがな(まぁホントのことを言うわけにはいかんが)…まぁスマンかった。
 で?その紙はなんだ?」
 俺がハルヒの手元の紙を指摘すると、獲物を見つけた肉食獣のようにニヤリと笑ってその紙を見せつけてきた。
「フフン、聞いて驚きなさい。
 団員にそれぞれに対するイメージソングのコンセプトよ!」
「ほう、見てもいいか?」
「いいわ、感謝しなさい、特別に見せてあげる」
「へいへい」
 そこにはこうかかれていた。
 ――――――――
 イメージソングのコンセプト

 

 有希:宇宙人が人の心を理解しようとしている。
    有希の変化

 

 みくるちゃん:ドジッ娘未来人メイド
        可愛らしさ

 

 あたし:SOS団のテーマ的な
     自分の信条

 

 古泉くん:超能力者的な

 

 キョン:文句たれ

 

 ――――――――

 

「なんだこりゃ」
 つーか相変わらず恐るべき勘の鋭さだな。
「だからコンセプトよ。
 暫定的なヤツだけどね」
「この宇宙人とか未来人てのは?」
「アンタ忘れちゃったの?去年撮った映画。
 アレの役割の分もってことよ」
「アレか…。
 この『有希の変化』ってなんだ?」
「あぁ、なんていうか説明しにくいんだけど…
 有希ってさ、随分変わったと思わない?
 昔は窓辺で読書だけだったのに、最近じゃ意思表示するようになったっていうか…実際に発言したりするわけじゃないけどさ。
 いままでの『あたしの言うことを聞いてる傍観者』から当事者になってきた、みたいな」
 へぇ、驚いた。
 こいつもそんなことまで気づいてたんだな。
「なるほどな。
 俺と古泉が一言だけなのは?」
「一曲だけってこと。
 こういうのは女子の方がウケるからね。
 作ってあげるだけ感謝しなさい」
「俺の歌なんてなくていいんだがな…」
「つべこべ言わないの、コレと明後日のカラオケで曲の原型を作ってみるわ」
「なんだかしらんが任せるよ。
 前にバンドの曲作った時も結構感動したからな、頑張れよ」
「な、な、何言ってんのよ!
 アンタなんかに言われなくたって素晴らしいのが出来るに決まってるんだから!」
 だろうな。
 俺としちゃ秘密がバレたわけじゃなくてホッとしたよ。

 

「朝からアツアツか?ご両人!」
 谷口、お前に『口は災いの元』という言葉を贈ろう。
 それからハルヒ、それ以上辞書を叩きつけるのはやめてやれ、
 俺は殺人事件の犯人の友達にも被害者の友達にもなりたくないからな。

 

 朝のそんな騒ぎの覚めやらぬ内に岡部教諭が入ってきてホームルームがはじまった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:48 (2711d)