作品

概要

作者いつまでも新米
作品名イメージソング・フロム・SOS団第一章:2
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2011-01-31 (月) 09:08:06

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん登場
朝倉涼子登場
喜緑江美里登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口登場
ミヨキチ不登場
佐々木登場
橘京子不登場

SS

 

「団員それぞれのイメージソングを作るって言ったのよ!」

 

 どうやら俺の耳がおかしくなったわけではなさそうだ。

 

「なんなんだ一体。どうしてそういうことになるのか、まずそこを教えてくれ」
「はぁ、キョン。アンタそんなこともわからないの?」

 

 スマン、さっぱりだ。

 

「仕方ないわね、おバカなアホキョンの為に説明してあげるわ」
 バカかアホか、どっちかにしてくれ。
「くだらないことツッコむんじゃないわよ。
 いい?キョン。
 私達SOS団の活動目的を述べなさい!」
「宇宙人、未来人、超能力者なんかを探し出して一緒に遊ぶんだろ」
「そのとーりよ。
 なら、わかるわよね?」
 わかるわけないだろ。

 

「もう!このバカキョン!」
「つまり、こういうことではないでしょうか。」
 む、でたな、超能力者。
 いつもはうざったいが今は許す、解説してみろ。
「我々の目的の第一は超自然的存在を探し出すこと。
 そのために不思議探索等を行っていますが、残念なことにあまり効果を上げているとは言えません。
 そこで、涼宮さんはSOS団の知名度を上げることで団外からも情報を集めようと考えた。
 その方法がイメージソングCD。
 そういうことではないでしょうか」
「さすがね古泉くん!
 まさにその通りよ!」 何がさすがねだ。
「でもそれだけじゃないわ。
 こんな素晴らしい団があるのにそれを知らない世間の人は不幸以外の何ものでもないじゃない。
 このイメージソングはそんな人達に私達SOS団の存在を知らしめてあげるためでもあるのよ!」
「さすがは涼宮さんです。
 僕はそこまで考えが至りませんでした。
 やはり団長は一味も二味も違いますね」
「あら、古泉くんだってなかなかのものよ。
 そこのバカキョンなんかとは比べものにならないほど団長のことを理解しているわ」

 

 アホらし、二人で永遠に褒めあってろ。
 じゃなくて
「冗談じゃない、俺は嫌だぞ。
 そんなイメージソングだなんて。大体なぜなんの取り柄もない俺が歌なんぞを…」
「あら、キョン…」

 

 俺の抵抗の最中にハルヒがニヤニヤ笑いで割り込んできた。
 おかしいぞ、いつもなら俺の意見なぞ完全無視で突っ切るか異様に不機嫌になるかのどちらかなのに。

 

「そんなに歌うのヤなのかしら?」
「あ、あぁ、俺は目立ちたくなんか…」
「自分の歌に自信がないからでしょ」
 ウッ。
「夏休みにカラオケ行った時に聞いたけど、なかなか個性的だったものねぇ」

 

 そうなのだ。
 朝比奈さんほどではないにしろ、俺も歌がうまい方ではない。
 テンションで押し切れるようならまだしも、コイツなら面白がってバラードとかを歌わせるかもしれん。 そうなれば身の破滅だ。クソ、どこかに助け舟は…と見渡すと、ハルヒの最初の発言以降トレイを抱えて青い顔のまま硬直していた朝比奈さんが勇気を振り絞るようにして発言した。

 

 おぉ、あの朝比奈さんがハルヒに意見しようとしている。
 俺にはそれがジャンヌダルクの号令であるかのように感じられる!
 うぉぉぉ、我らフランス軍に敵はなし!
「あ、あの、わ、私も歌が上手じゃないのでその、し、CDとかは…」
「あ、みくるちゃんはそれでいいの、その方が可愛いから」
 我らが戦乙女は玉砕であります!
「はうぅぅぅ…」
 やはり朝比奈さんには悪いが、彼女の抵抗なぞハルヒにとっては蚊が止まったほどにも感じないらしい。 こうなったら…長門!
「………」
 あ、あれ?長門?
 いろんな所で散々言ってきたことだが、俺は長門の表情を読むことにかんしては自信がある。
 ここのところは更に表情が読みやすくなってきて、少し嬉しそうな長門を見た時など俺は…ゲフンゲフン。
 何を言ってるんだ俺は、違う違う。
 今俺が長門に感じたのは『迷い』『戸惑い』だったように思う。

 

「おい、長門?」
「………私は別にかまわない」
「ほら、有希もいいって言ってるわ!」
 聞いても無駄なのはわかってるが一応聞いておいてやる、古泉。
「おやおや、僕が反対するわけないでしょう」 
 …だよな。

 

「諦めなさいキョン。
 それに、歌なんて練習すればいくらでもなんとかなるわ。
 最後に聞いたのが随分前だからちゃんとは覚えてないけど、アンタの声質と音域、それから音の取り方なら自分にあった歌は結構歌えるようになると思うわ。
 アンタの歌はそこまで音程が目立たないようにしてあげるし」
「いつになく優しい心使いだがどういうことだ?」
「あ、あの、私のお歌も音程が目立たないような…」
 お、朝比奈さん再び。
「バカねぇ。
 別にアンタの為じゃないわ、これはSOS団の重要なプロモーションなんだから真面目にやらなきゃダメなの!
 男の音痴なんて誰も望んでないわ。 それからみくるちゃん、あなたは『歌のヘタな子が一生懸命歌ってるのに萌えさせる』のがポイントなんだから厳しくいくわよ!」
「ふえぇぇぇ…」

 

 哀れ、朝比奈さん。

 

「そうと決まったら早速歌のコンセプトとか詰めなきゃね、それが終わり次第作詞作曲…あ、スタジオも借りなきゃいけないし、楽器とかも私達だけじゃ足りないわよねぇ…。
 ねぇ、古泉くん何か良い案はない?」

 

 ありませんように!

 

「そうですね、僕の知り合い、と言っても田丸さんなんですが。
 田丸さんの趣味の一つが音楽活動でして、別荘の一つにレコーディングスタジオを完備したものがあるとおっしゃってました。 以前僕たちでバンドをやった時はタイミング的にお伝えできませんでしたが、またそういう機会があれば喜んでスタジオを貸してあげるよ、とのことです」
 クソ、やはり機関に隙はなかったか。
「素晴らしいわ!古泉くん!
 是非使わせてもらいましょう!」
「レコーディングを手伝ってくれるスタッフやミュージシャンの方も田丸さんの伝手で格安で雇っていただけるようですよ」
 出来過ぎた話じゃないか、普通こんなうまい話には裏があるもんだが、ハルヒはそんなこと一切意に介さないようで
「ますます素晴らしいわ!
 古泉くん、この貢献に対する報償を考えておくわ!」
 何て言ってやがる。

 

 つーか興奮して声がでかくなりすぎてる。
 それ以上でかい声を出すと、俺の鼓膜がいかれてしまうぞ。

 

「じゃ、古泉くんは田丸さんに連絡とってくれる?
 それから、作曲するにあたってみんなの声の音域とか質をちゃんと知っておきたいから、今度の日曜日の不思議探索は中止、カラオケに行くわよ!」

 

 どうやらもう逃げ道はないようだ。

 

 やれやれ。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:47 (2708d)