作品

概要

作者
作品名風邪と長門
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2010-06-01 (火) 22:12:54

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 あぁ、だるい。
 どれくらいだるいかと問われば、迷わずに俺はこう言い放ってやる。
「最近、どっかの団長にこき使われまくった」と。
 おかげで足腰はボロボロだし、はっきりいって前もうつらうつらとしか見えん。
「という訳だ、俺は強制的に学校を休まなければならんのだ。岡部によろしく言っといてくれ」
「分かったよ、キョン。それにしてもよっぽど酷いんだね凉宮さんって」
 今更感が漂っているぞ国木田。もっとも、俺ももっと早く気づいていればよかったんだがな。
「まぁ、俺はもう寝る。電話ももう切るぞ」
「うん。ゆっくり休みなよキョン」
「朝から電話かけて悪かったな」
「仕方ないよ。あ、今度だし巻きをもらってもいいかな」
「それぐらいなら構わんさ」
「じゃ」
 さて、俺もそろそろ寝るとしよう。
 と、俺が自分の部屋に戻ってベッドに横になろうかと思った時だ。ベッドの上に誰かいることに気づいた。普段ならもっと早く気づいていれただろうが、生憎コンディションとテンションは最低値な訳で、実際のところ気がついたのは今だった。
 ……。まぁ、どう考えても、
「長門?」
 なわけであるが、意識が朦朧しているなかであって、故に疑問系だ。
「なに」
 こりゃ完璧に長門だわ。それはいいとして(よくない点もかなりあるがあえて触れないでおきたい。疲れるしな)、何故に長門は俺の部屋に来てるんだろうかが、一番の疑問点だな。
「で、なんで俺の部屋に居るんだ長門」
「……」
「何か言ってもらえると大いに助かるのだが、どうだ? 後、そこで横になりたいんだが」
「……問題ない」
 いや、大アリですよ長門さん。
 ……あぁ、モノローグでツッコむのもだんだん疲れてきたぞ。できるだけ早く寝たいんだが、いかんせん偉大な長門様が我がベッドに移住を決め込んでおり、俺は安住の地を失いかけていたんだ。
 第一、長門はどうやってここに入ってきたんだ? ……言わずとも分かってくるから不思議なもんだ。
「で、長門さん。いったい何しに来たんでしょうか?」
「看病」
 と言って、自信あり気に自分の隣をポンと叩く。
 いや、勝ち誇った感じをだしてもらって悪いが……。正直、早く寝たい。
「そうか、じゃあ頼む」
 この時の俺はきっと頭がおかしくなってちまったんだろうな。実際、それからの記憶が結構抜けてて、次に気がついたのが夕方だった。
 因みに長門はまだいた。あ、いや。『いた』って表現はまずいな。『いてくれた』が正しいか。
「あ、れ……?」
 朝に比べて頭や体が軽い。それに、額に濡れたタオルがあり、きっと冷めているであろうお粥も長門の手の内にあった。
「長門、それ……」
「お粥、食べる?」
「お前が作ったのか」
「そう」
 なんと、現在世界中を探しても只一つであろう長門のお粥を食べる権利を俺は無条件で獲得した。
 この時だけはあのハルヒに礼を言っても構わんな、長門の(文字通りの)手料理なんてこの先、拝むことすらできなさそうだと思うしな。
「じゃあ、ありがたく貰うとするぞ」
 備え付けてあった木製スプーンを合掌した両手の親指と人差し指の間に挟み、俺はいただきますをしてからそれを一口食べた。
 やはり冷えていたが、どこか暖かみがあるお粥だった。これを長門が作ったなんて驚いたな。長門に悪いから口には出さんが。
「これ、美味いぞ長門」
「そう」
 それだけ言って隣に置いてあったハードカバーに手を伸ばし、読み更け始めた。
 俺はそんな長門に、改めて礼を言ってからもう一度眠った。
 次に起きた時はもう深夜だったわけで、長門はいなかったわけだが置き手紙がしてあった。
 それは明朝体みたいな凄く綺麗な字でこれだけ書いてあった。
『お大事に』
 そういや、俺ずっと寝てばっかだったが長門は退屈しなかったんだろうか。まぁ、長門のことだ。何かとしていたんじゃないんだろうか、きっと。
「さて、もう一眠りするかね」
 誰かに言いたかったわけでは無かったが、そう言った方が返って寝やすいしな。それに明日は学校行かないと団長と……。

 
 

 俺なんかのために看病してくれた長門のためにもな。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:41 (2711d)