作品

概要

作者
作品名とても暑い日のこと
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2010-04-11 (日) 11:28:12

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 夏本番もいい所、今年は猛暑と騒がれていたがこの日はかなり暑かった。そんななかでの団活なんてもう地獄と隣り合わせなんじゃないかって俺は思っていたが、特等席でふんぞり返っている団長も同意見だった様だ。
「んもうっ、何でこんなに暑いのよ」
「んなもん仕方ねえだろ、今は夏で今年はかなりの猛暑なんだから我慢しろ」
「もう、帰る。皆ももう帰って良いわよ」
 そういってスタスタ歩き出し、部室の扉に八つ当たりしながらハルヒは帰っていった。
「それじゃあ、私は着替えたいんでちょっといいですか」
「あ、はい了解です」
 麗しの朝比奈さんの生着替えとなれば少し見てみたいものだが、やはりここはやめておくことにしておいた。
「それにしても本当に暑いな、今日は」
「そうですね、ここのところこれのせいで涼宮さんの閉鎖空間が相次いでいるんですよ」
 暑いぐらいで何様だアイツは。
「それは大変だな」
「もう、大丈夫ですよ。それじゃあ、さようなら」
「あ、朝比奈さん。さようなら」
「お疲れ様です。では、私も」
「おう、じゃあな古泉」
 俺はもう一度部屋に戻って、長門の隣に座る。
「長門はどうするんだ」
「……もう少し」
 その時、俺の携帯がなった。
「もしもし?」
『もしも〜し、きょんくん?』
「ああ、どうしたんだ急に」
『きょうね、ばんごはんがながしそうめんなんだって。だからはやくかえってきてね』
「分かった。もうすぐ帰るな」
 電話を終えると、長門がこっちを見つめていた。
「どうした?」
「……帰る?」
 何故だか、少し残念そうだったが俺の気のせいであろう。
「ああ、今日の晩飯が流しそうめんらしくてな。最近かなり暑かったからちょっと楽しみだしな」
「流し、そうめん?」
 長門は首を数ミリかしげ俺に聞いた。
「知らないのか?」
「……知らない」
「食べたいか?」
 待て、俺はなんてことを口走っているんだ。これは夕食を誘っているようなものじゃないか。いくら長門が流しそうめんを食べたことがないからって、流石に
「いい」
 なんて……。今長門なんていった?
「いい、と言った。というより、できるなら行かせて欲しい」
「じゃあ、一旦帰った後俺が迎えに行こうか」
「宜しく」
 そういう訳で、長門も一緒に晩飯を食べることになった。

 
 
 

「ただいま」
「おっかえり〜」
 帰宅一番で飛びついてきた妹をかわすのは流石に可愛そうなので、しっかりと受け止めてやり、その足で母さんの元へと向かった。
「お帰り、キョン」
「ああ、ただいま。そうだ母さん、今日の晩飯に友達呼んでいいか?」
「いいけど、誰を呼ぶ気なの?」
「長門だけど」
「ゆきちゃんがくるの?」
「ああ、流しそうめんを食べたことが無いらしくてな、誘ってやったんだが駄目だったかな母さん」
「有希ちゃんなら大歓迎よ。泊まって貰っても結構だわ、今日は金曜なんだし明日は学校休みでしょ」
「それは色んな意味で駄目だと思うが、まぁ聞いてみておくよ」
 そしてポケットから携帯を取り出し、長門に電話した。二コールも無いうちに、長門は電話に出た。
「もしもし、俺だ」
『……何?』
「お袋と妹がな、家に泊まってほしいっていうんだけどさ、良かったら泊まってくれないかな」
 何か言っておいた後で後悔しそうな言葉いってないか俺。
『問題ない、だが少し準備の時間が必要』
「ああ、いきなり言って悪かったな」
『いい。ではまた』
「おう、じゃあな」
「ゆきちゃんとまれるの?」
「ああ、良かったな」
「わ〜い、ゆきちゃんとおふろだぁ」
 そんな妹を横目に俺は自分の部屋へ上がり、そこで俺は着替えてから自転車に乗り、長門のマンションへと向かった。
 思えば、この道もかなりの回数通った気がする。去年は一万ええと、何回だったか忘れたがそれ位も繰り返した二週間があったがその記憶はもうほとんど無いのでノーカンで良いよな。
 そんなことを考えながら自転車を走らせていくと、長門のマンションについた。インターホンを押し、長門が出るのを待つ
『……』
「長門、俺だ」
『入って』
 長門の声とほぼ同時に自動ドアが開き、俺は長門がいる708号室へと足を進めた。
 708号室の前で一度止まって、深呼吸をする。
 ピン、ポーン。
「長門、来たぞ」
「……準備はできている」
「にしても、やっぱり制服なんだな」
「高校生としては問題ない」
 俺としては、もうちょっと可愛い服とか着てもらいたいものだ。長門なら結構何でも似合いそうだしな。
「じゃ、行くか。荷物は持ってやるよ自転車できたし」
「お願いする」
 やはり長門との会話はあまり進まないようで、エレベーターの中では一言も交わさなかったが自転車の後ろに乗るときだけは何故かかなり嬉しそうだった。
 長門は思った以上に軽いから情報操作でもやってるんじゃないかって思ったりもするが、長門に限ってそれは無いだろうと俺は信じたいね。
 それはともかく、長門を後ろに乗せた感触だけは早々忘れるものではないことだけは伝えておこう。
 そんなこんなで我が家に戻ってくる時は、妹が早々に長門を歓迎していて流しそうめんの準備も整っていたようだ。
 言い忘れていたが、何故家に流しそうめんの竹やらなんやらがあるのかというと、昔俺がガキだったころに田舎の爺さんやばあさんがこっちに来る時に持ってきたもんで夏になると毎年食べていた。去年は俺だけ食べてなかったけどな。
「じゃ、お父さん流して頂戴」
 お袋がそういうと少々ダルそうだが、長門がいる手前何かしらの意地が生まれたのか文句一つ言わずにそうめんを流してきた。
「いいか、長門。この流れてくるそうめんを上手にとらないとそうめんは食えないんだ、つまり晩飯がなくなっちまう」
「……そう」
「かといって、ルールを破ってはいけないぞ」
「ルール?」
 長門は数ミリ首を傾げた。その長門に俺はルールを説明してやった。
「まず、欲張らないこと。自分だけじゃなく、皆で食べるものだからな。長門も食べれないのは嫌だろ?」
「嫌」
「そういうことだ。そして二つ目は箸をきちんと使うこと。取れないからって、ずっとそうめんの流れをせき止めてはいけないんだ。まぁ、長門は初めてだし最初の方は俺がとってやるよ」
「……そう」
 それを告げた後、俺はそうめんをひょいとつまみ、長門の露入れに入れてやり、そのまま口へ持っていった。
「ほら、食べていいぞ」
「……」
 ここまでいったら普通のそうめんと同じだが屋外で食べるそうめんは格別なのか、長門はそのそうめんをじっと数秒見つめていたがすぐさま食べてしまった。……今思ったが結構恥ずかしい行為じゃなかったかこれ?
「どうだ、うまいか」
「……美味しい」
「そうか。まぁ遠慮しないで食べてくれ、長門はお客さんだしまだまだそうめんはたくさんあるからな」
「……そう」
 それからというもの、長門は俺の言ったことをきちんと守って妹やお袋、それに俺までにもそうめんが行き届くように時に我慢をしていた。その姿といったらもうかなり可愛かった。長門には内緒だがな。

 
 
 

 時間は流れ、今は夜も更けてきたところだ。お袋と親父はそろって流しそうめんの台の片づけを行っていたがそれも終わり、俺は何もなくなった庭をただじっと見ているだけであった。妹は長門と風呂に入っている今俺はすることがそうないからな。
「それにしても、今日は本当に暑いな」
 などと独り言を言ってしまうほどに今日は暑い。
「今日は例年に見ない猛暑だった」
 えっと……。
「長門、いつからそこにいたんだ?」
「今さっき」
 その長門は、薄いピンク柄のシンプルなパジャマを着ており、まだ髪が乾ききっていないところから見てその言動は正しいことを証明している。
「そうか」
 その時、俺はふと思い出し冷蔵庫に向かった。俺が開いたのは冷凍室であり確かまだアイスキャンディーが残っていたはずだった。
 俺の思惑通り、シンプルなソーダ味のアイスキャンディーが二本残っていたので二本とも持っていった。
「いきなり行って悪かったな。ほら、これ食べてもいいぞ」
「……そう」
 長門と二人で並んで食べるアイスキャンディーは何故だかいつもより美味しく感じて、こんな時間がいつまでも続けばいいのに、と柄でもないことを思ってしまった。

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:40 (2314d)