作品

概要

作者分からないもの制作委員会
作品名長門有希と生命体の感情
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2010-02-07 (日) 11:41:24

登場キャラ

キョン不登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

私は念のため、情報生命体を生み出した。この先何か危機が迫っても涼宮ハルヒたちに心配をかけないように…。
もし私に何かあれば喜緑江美里を使って生命体に連絡できるようにした。
生命体は、許可が下りないので実体化することはできない。けど、私とコンタクトすることはできる。

今日は雪がふっていた。
「ユキ?」
ちかちかしている生命体はきいてくる。
「それって長門さんの名前?」
「私の名は雪ではない。けど名前の由来はそこからきている。」
「それが有希?」
「そう。」
まだこの生命体には知識がない。並大抵のことは知っているが、感情のような有機生命体にしかないものは、私たちには理解できない。生命体は私のコピーのようなもの。有機生命体とコンタクトはできないがインターフェースによく似たもの。
「ねぇ、何で長門さんは何も感じないの?」
「なぜ?」
「私はあなたの感情がわかるけどこのユキを見たときの感情が伝わってこない。」
「私には理解できない。なぜ雪をみればかんじょうよいうものができるのか。」
「長門さん寂しくないの?」
「なぜ?」
「だって何も感じないでずっとこの部屋にいるんだよ?寂しくないの?」
いつしか彼にもきかれたこと。「寂しくないか?」私には分からない。感情というものが。どうしても理解できない。」私の指命は涼宮ハルヒの観察。感情など必要としていない。
「長門さんはあのユキと同じなんですね。」
「…?」
「だってあのユキも感情なんて持ってないでしょ?」
「…。」
「ユキも有希も同じなんだね。」
生命体のいうとおり雪には当然感情なんてない。そして有希にも。
なぜ情報統合思念体は私に感情をあたえてくれなかったのか。有機生命体とおなじように、気持ちに変化がないのはなぜ?

どうしてだろう?感情というものがほしい。私にできないことは0に近い。けど、1つだけできないことがある。それが、感情というものの理解。

生命体は私のコピー。もちろん感情などというものはない。ならなぜ私を問い詰めることができるの?あなたは感情を持っているの?
「感情っていいますか、なんというか、自分の気持ちを持つことは簡単です。私はそれを感情と考えています。長門さんにもそのような気持ち、ありませんか?」
「……分からない。」
「長門さんが困ったときとか、彼を救ってあげた時とかの気持ちは感情っていうんじゃないですか?」
「…。」
「長門さんもまだまだ未熟ですね。私はコピーですけど、そのくらいはわかります。コピーでも1人1人個性があります。」
「個性?」
「私のようなものもいれば、長門さんのような人もいます。人それぞれですよ。」
「しかし感情というものは理解できない。」
「ほら、そうやって分からないとか思ってる時点で長門さんにはすでに感情があるじゃないですか。」
「この気持ちは感情なの?」
分からないというこの気持ちは…。
「これも感情なの?」
「そうですよ。長門さんも感情をきちんともってます。」

私はまだよく分からない感情という言葉を考えながら、窓を見た。

雪はちらちらとふっていた。そういえば私は何で名前にこの雪を選んだのだろう。そのとき何かを感じたから。雪を見て私は少し切なくなった。なは、有希。希望が有ると書いて有希。でもなんだか今の私には希望というものがない気がする。

「長門さん。外に行きましょう。」
生命体は私をさそいだした。マンションを出ると、コートを着て寒そうに歩く人がたくさんいた。明日は有機生命体の言うバレンタインという日だ。いろんな人が、チョコレートをもっている。
「長門さん寒くないですか?」
「私は暑い寒いを感じることはない。」
「それってなんか寂しくないですか?」
「なぜ?」
「なんとなくです。今日は自律モードにしたらどうですか?」
「分かった。」

「…寒い…。」
「コートを持ってきましょう。」
コートを着て、再び外に出ると、雪はさっきよりも強くなっていた。
「長門さんはだれかにチョコ、あげないんですか?」
「予定はない。」
「彼にあげたらどうですか?」
「…。」
「あっ!まってくださーい!」
生命体は歩き出した私を追いかける。雪はずっとふっていて寒い。フードをかぶる。
ふとたどりついた店には、きれいなつつみがみのチョコレートがたくさんあった。

私はひとつ、青い包み紙のチョコレートを買い、店をあとにした。

「彼にあげるんですか?」
生命体はにやつきながら、きいてくるがすべて無視する。

チョコを買ったけど渡せるだろうか。会にも義理だけど。

降り続く雪が私を、応援しているように見えた。雪にも有希にも感情というものが本当にあるのかもしれない。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:37 (2708d)