作品

概要

作者
作品名『the X,mas』 THE END
カテゴリー消失長門SS
保管日2009-10-03 (土) 22:27:15

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

関連SS

SS本文

 
 
 

三人で遊んだ次の日、つまりクリスマスイブだ。
この日は、有希の申し出により早朝から有希の家に出向いている。
現在時刻は七時だ。まぁ、早いっちゃあ早いが、俺も有希に早く会いたかったからいいとするが。今日は泊まらなければならないという。・・・頑張れ、俺の理性。
ってか、一緒のベッドで寝る訳じゃないしな。そこら辺はなんとかなると思う。・・・多分。
そんな他愛もないことを考えたって仕方がないので、てりあえず、有希を呼びにいこう。
『・・・・・・・・・』
「有希、俺だ」
『・・・入って』
俺は、自動ドアをくぐってエレベーターのボタンを押した。
この間に俺はどれだけのシミュレーションを施してきただろうか。今日は昼飯は予約しておいたが(俺が電話かけた直前にキャンセルが入りラッキーなことに予約を入れることが出来た)晩飯はどうしたものか、有希の家で食べるかやっぱ。なんてことを考えていた内に七階について、俺は驚いたね。だって有希がエレベーターの前で待っているんだからね。
『おはよっ』
満面の笑みとはこの事を言うんだと俺は思ったね。
「おはよう、有希」
俺の頬も思わず緩んでしまう。分かるか?
今更ながら、有希が彼女でよかったって思う。まぁ、有希のこと否定するやつがいたら俺がぶん殴ってやるところだな。全治三ヶ月は確実にやってやる。
で、話を元に戻そう。
「有希、今日は何処に行くか決めてるのか?とりあえず昼御飯は予約しといたぜ」
「じゃあ、図書館がいい。あなたとの・・・・・・思い出の場所だから」
この有希の上目遣いの攻撃は、俺にとって至福の極みである。
朝比奈さんのメイド姿に匹敵いや、それ以上に可愛い。
で、今は図書館にいる。その間の移動は割愛させて戴きたい。
別に『禁束事項』って訳じゃないけど、男のノロケ話なんて聞きたくもないだろ?
谷口とかがきいたら気絶しそうなシチュだったとだけ言っておこう。
さすがにクリスマスイブだから大した人がいないと思ったが、全くの逆で人で溢れかえっていた。
その後、座る所を確保するのに少しの時間がかかった。
「一つしか空いてないから有希が座れよ」
「それではあなたが座れない」
「俺はいいよ」
「それではダメ。私はあなたの上に座るから、あなたに座ってほしい」
さらっと、恥ずかしいこと言いましたよ長門さん。
「分かったよ。ホラ、これでいいだろ」
「いい」
そう言って、有希は読書を始めた。
俺は有希の頭の上から有希が読む本を一緒に読んでいる。やっぱり有希の読むスピードは早い。三秒に一回はページを捲っている。
おかげで俺は眠気との戦いを強いられていた。
「眠いなら、寝てていいよ?お昼になったら起こしてあげる。昨日は涼子ちゃんに振り回されっぱなしだったもん」
「悪いな、じゃあ十一時半になったら起こしてくれ」
俺は有希に頼んでから深い眠りについた。

 
 

「スー、スー」
上から彼の寝言が聞こえる。こんな風に彼と一緒にいられるなんて、半年前の私が見たら羨ましいだろう。いや、先月の私でさえ羨ましく思ってくるだろう。
「全部、あなたのおかげ」
思わず声に出てしまった。大丈夫、彼は寝ているはずだから。
彼がいなかったら私は退屈で無色な日常を過ごしていただろう。
無口で恥ずかしがりやだったけど、彼と会ってから変わった。
彼と話がしたいが故に。
彼の傍にいたいが故に。
私は努力した。涼子ちゃんには笑われちゃったけど、彼が私の全てを受け止めてくれた。
今では、かけがえのない人になってしまった。
ありがとう。
私の傍にいてくれて。
私は幸せです。
あなたはどう?
こんな私でいいの?
私は彼の顔を少し見た、彼は相変わらず寝ていたけど、きっと肯定してくれるはず。私は信じてる。
ふと、携帯を見ると十一時半になる前だったので、私は彼を起こすことにした。「起きて、時間」

 
 
 

『起きて、時間』
体を揺さぶられて、俺は目が覚めた。
「おはよう、有希」
「もうお昼だよ」
それもそうだな。
「じゃあ、お昼ご飯食べに行こうか」
俺が予約していたのは、図書館からさほど遠くない場所にある少し洒落たお店だった。
「高くない?」
ちょっとばかし高かったけど
「ああ、問題ない。晩飯諸々有希ん家でもらうんだからそれ考えたらこの店は俺が払わせてくれ」
「じゃあ、お言葉に甘えていただくとします」
有希はあの時見せた笑顔を見せてくれた。
これさえ見れれば、幸せだろ。
まぁ、高い分メチャクチャ旨かったけど。
俺達が食べ終わった頃を計らって、ある店員が一つの小さくて、綺麗にラッピングされた箱を持ってきた。これは、俺が忙しいなか頼み込んでやってもらったサプライズプレゼントだ。
「ありがとうございます」
俺は、持ってきた店員にお礼を言った。
『頑張りなさいよ』
こそっと、激励されてしまった。
まぁ、言われなくてもそのつもりだったが。
「有希、これは俺からのクリスマスプレゼントだ」
有希はラッピングを綺麗にはがし、二つ折りの箱を開いた。
そこには、指輪が入っている。
「これって」
「まぁ、さすがに本物はまだ買えなかったが、俺は至って本気だからな。受け取ってくれるか」
それから、暫くの沈黙が俺達二人の周りに漂った。忙しく、片付けだって急がなければならないのに、俺達の周りには店員一人としていなかった。
付き合ってから数える位しかたってないが、なぜだか有希とならいつまでもいれる気がした。と言っても、俺が有希の傍にいたかっただけなんだがな。
有希が嫌なら俺はきっちり身を引くつもりだ。
そりゃ、有希が良いって言ってくれることを望んでいるが。
どちらにしろ、今は待とう。それが俺に出来ることだ。
「決めた」
有希が口を開いた。
YESかNOか。
「こんな私でいいなら、いつまでもあなたの傍に居させて」
有希は左手の薬指に指輪をはめて、微笑んだ。
その瞬間、店内で拍手が沸き上がった。
『熱いね〜』『喧嘩しちゃダメよ〜』『おめでとう〜』
店員や全く知らない人までもが、俺達を祝福してくれた。
俺と有希はどちらともなく笑った。

 
 
 
 
 
 
 

そして、俺達が十八になった年のクリスマスイブ。
俺は、高一の時と同じシチュで『本物』の婚約指輪を渡した。
「受け取ってくれるな」
「うん、この日を楽しみに待ってた」
あの日から少し身長も伸びて大人びた有希はそれでもまだ昔の有希を思わせる微笑みを浮かべながら左手の薬指にはめてあった婚約指輪を外し、今俺が差し出した『本物』の婚約指輪をはめた。
「メリークリスマス」
「merry,X'mas」
発音が良いのは有希の方な。俺がカタカナ発音なのは了承してくれ。
あ、ちなみに俺は手に職をつけたんだ。
しかも、作家ってわけだ。笑えるだろ?
まぁ、有希のアドバイスももらったけどな。文芸部の冊子を作るときに、眠っていた才能が開花して、そのまま成長していってある大会で大賞を貰うほどになった。
まぁ、そんなわけで若干十八ながら小説家をやっている俺であった。
もしかしたら、『長門』がこうしてくれたのかもな。これで良かったのか?『長門』。
まぁ、今は幸せだし何も文句はないさ。ただ、
『ありがとう』
これだけ言わせてはくれないか。
いいだろ『長門』

 
 
 
 
 

最後の情報操作、平行世界の彼と『長門有希』が幸せになれるように、少し彼の才能を開花させる必要がある。
私を覚えてくれていたら、きっと思い出すはず。
さてと、私の仕事ももう終わり、彼を失った凉宮ハルヒの暴走は誰にも止められなかった。
この世界もそろそろお別れ。彼が向こうの世界を選んだのは嬉しかった。彼だけでも、幸せになってほしかった。
『さようなら』
私の意識は途絶えた。

 
 
 
 
 

とうとう、ここまで来てしまった。
二年前のあの日から今までずっと傍にいてくれた。そして今からはもう離れることがない。
今、一番言いたいこと。
『ありがとう』
お父さんもお母さんも涼子ちゃんもそして何より一番貴方に。
「あなた」
「有希」
「私、幸せ」
「ああ、俺もだ」
今思えば、本当に良かったかなって言ってしまいそうだけど、きっとそんなことは関係なしに笑って、私に優しい言葉をかけてくれて、そして抱きしめてくれるのかな。
私ながらちょっと恥ずかしいかな。でも、いいや。
だって私にはあなたが一番なんだもん。

 
 
 
 
 

幸せか。『長門』幸せか今?
まぁ、ありがとな。
できることならもう一度会いたいこともない。ってか会いたい。
有希も好きだ。一番好きだ。でもな、『長門』お前は俺にとって『永遠のヒロイン』だからさ。
「なぁ、有希」
「何?」
せめて忘れないように。
「『長門』の姓を俺にくれないか」
「何故?」
「ほしくなったんだ、ダメか?」
「いい。でも、あなたの姓から少し私たちの子供に授けること。じゃないとあなたがあなたであったことを示せないから」
「ああ、そうしよう」
『長門』、幸せになってくれよ。
『私は大丈夫、幸せだから』
って聞こえた気がした。

 
 
 
 

THE END

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:36 (3088d)