作品

概要

作者
作品名キョンと長門の休日… SIDE 長門
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2009-09-11 (金) 19:48:26

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ不登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

今日は、不思議探索と呼ばれるものもなく、私は観察対象を見ることもない。要するに、何もすることがない。
久しぶりに『ハイペリオン』でも読もうと、本棚に手を伸ばすとインターホンがなった。
「………」
『長門、俺だ」
彼、だった。今日は会えないと思っていたが、ここまで会いにきてくれるなんて。
「………入って」
『あ、ああ』
少し、そっけなかっただろうか。私には想定外のことだったので驚愕している。
……そういえば、彼からここにくるのは初めてだった。
あと、四十六秒後には彼がくるので、私は彼を玄関の中で待つことにした。
三、二、一。
ピン、ガチャ。
「……入って」
成功。彼を待たすことなく招くことが出来た。私はすぐさまお茶を用意して彼に渡す。
「……お茶」
「ああ、ありがとな」
彼は、私のお茶を一口飲んで、少し嬉しそうな顔をしてから
「長門、おいしいぞ。朝比奈さんに負けず劣らずってところだな」
「……そう」
よかった。彼に不味いなんていわれた日には私の情報連結を解除してしまいそう……。
「で、用件なんだが。長門、今日の今から暇か?」
「……暇ではない。でも得にする事はない」
今日は、今から本を読もうと思っていたところだった。
「俺とどっかに出かけないか」
前言撤回。
「行く」
彼の誘いはどんな場合でも最優先される。これは、私のルール。
「今日は、図書館じゃないぞ」
「……あなたが連れていってくれるならどこでもいい」
「そ、そうか。じゃあ行くぞ」
私は、軽くうなずき、彼の後に続いた。彼は自転車を出すと
「長門、後ろに乗るか」と声をかける。
私の答えはもちろん。
「乗る」
一万五千四百九十八回ループした夏休み最後の二週間では、涼宮ハルヒも後ろに乗っていたが、今回は私だけ……。
「ちゃんとつかまっていろよ?」
「……分かった」
私は、彼の腰に手を回し、その手に精一杯力を入れた。もちろん、情報操作は使っていない。
彼はこういうときにこの力を使うのを好まない。
彼が私を乗せて向かった先はいつぞやの映画撮影でも使ったあの商店街だった。
「ついたぞ」
「………」
私は、彼の腰から手をはずさなかった。
……はずせなかった。
これを離してしまうと、もうこの感触はもどってこない。だから離したくなかった。
彼に迷惑がかかるのは分かっていたけど…。
「長門、いつまでもつかまってたらどこにもいけないぞ?」
「…あなたの感触をもう少し感じていたい」
頭ではいけないと分かっているのに、やめられない。
「じゃあ、今日は手を繋いで歩いてやるからな?だからはなしてくれよ」
「……分かった」
彼は優しい。こんなに迷惑をかけた私をすんなり許してくれる。
……誰にも同じように接するのが少し不満だけど。
今日、少なくとも今は私だけにこの言葉は発せられている。
それが私には嬉しい。
彼は、私が降りた後手を差し伸べてくれた。私はその手をしっかり握った。
「じゃあ、まず服を買いに行こう」
「……あなたの?」
「いや、俺のじゃない、長門のだ」
「……私の?」
私は、少なからず私服を持っている。ただ、着ないだけ。
彼に見せるのは恥ずかしいから……。
「ああ、長門っていつも制服だろ?だから、たまにはオシャレしてみるのもいいかなって思ってな。まぁ、実のところ俺が長門の私服を見たいからなんだけどな。あの孤島のときの服は可愛かったぞ」
彼が、私の私服を可愛いといってくれる。それだけで十分なのに彼は私のために服を選んでくれる。
「……あなたがいうならそれでいい。私も、あなたがどんな服を選らんでくれるのか楽しみ」
そういうと、彼は少し照れた様子で私を目的の服屋へと連れて行った。
『いらっしゃいませ』
……これを見ると古泉一樹を思いだす。……忌々しい。あのガチホモはあまり好まない。
「どんな服を着てみたいか?」
「……あなたに任せる」
彼は、私を連れてあるところへと向かった。
「これなんてどうだ?」
彼は、純白といってもいいぐらい真っ白なワンピースを差し出した。
このときだけは、さすがに手を離した.…少し悲しかったけど。
「……可愛い?」
「ああ、可愛いさ。それにとてもよく似合っていると思うぞ。」
「……そう」
私は、彼が選んでくれたワンピースをもう一度見つめ
「そう」
とつぶやいた。
「他の服も見てみるか?」
「これがいい」
私は、彼が出すといったがそれを阻止した。
選んでもらったのにお金まで出してもらうことにはいかない。
「あなたが選んでくれただけで十分。それにお金は情報統合思念体が払うので問題ない」
情報統合思念体にも了解を取っている。日常に使うといったらすぐに了承してくれた。
支払いを済ませ、次の目的地に向かった。。
「長門、携帯持っているか?」
「……所持していない」
本当はほしいのだけれど…。
「よし、じゃあ買いに行ってもいいか?お金かかるけど、便利だし」
彼は、鍵となる存在だからこの要求も通るはず……。許可がでた。
「いい、さっきも言ったように金銭面では心配要らない」
「じゃあ、行くぞ。機種は俺と同じでいいか?」
「いい、本体もおそろいがいい」
「これか?」
彼の携帯かどうか確かめてから
「……それ。あなたと同じ色だと間違うかもしれないから、私の好きな色でもいい?」
「ああ、それなら問題ないぞ」
それから数分後、彼が契約した店へと行った。
「え〜と、これだな」
色は……白がいいかな。
「どれがいい?」
「……これ」
私はさっきのワンピースと同じような色を選択した。
これを受付へともっていくと……。
「そちらの彼氏さんの番号を登録すると、そちらの彼氏さんとは通話料金、メール料金、さらにTV料金も無料になりますよ」
私は、彼氏というキーパーソンに反応した。これを行うことにより、間接的にも彼と恋人関係になれる……。
「長門、どうする?」
「あなたがいいなら、それで」
「お前の携帯だ、お前が選べ」
私はもちろん
「じゃあ、お願い」
「かしこまりました。じゃあ、ここに彼氏さんの電話番号をお願いします。メールアドレスはこちらで検索しますので書かなくても大丈夫です」
彼は電話番号を書いて受付の人に渡した。
「はい、では登録まで少しお待ちください」
そして、二人っきりでお店のベンチに座っている。
私は、今日楽しくて楽しくて仕方がなかった。
これを幸せというらしい。

 
 

『……俺は長門が好きなんだろうか』

 
 

という彼の呟きが聞こえた。
私は、思わずビックリして硬直してしまった。
………。
かなりの時間がたって彼のほうを見ると彼は私の方をじっと見ていた
「何?」
そんなに見つめないでほしい…。
「あ、なんでもないぞ」
「ウソ」
さっきの呟きで知っている。
あなたは私のことを考えている……はず。というより、そうであってほしい。
「……そうだな、お前にウソは通用しないよな」
「…しない」
「……後でいいか?ここでは話にくい」
彼は、少しそわそわしていた。私には理解できなかったけど……。
「いい、それより携帯が出来た様子」
受付の方では、私たちを呼ぼうとしている人がいた。
「お待たせしました。もうすぐにでも使えます」
「ありがとうごさいます」
「ありがとう」
本当に嬉しかった。初めて持った携帯。これで彼とどんなときでも話が出来る。
……迷惑にならなければいいけど。
それから、近くのファミレスで昼食をとった。彼は金銭面での収入はあまりよくない。いつも涼宮ハルヒによって皆におごられているのだから無理もない。
私は、私の分だけ支払うことになった。
彼の分も払ってもよかったけど、彼がいいというのでやめておいた。
「……さっきの続き」
「あ、ああ。え〜とだな……」
「…早く」
私は焦っていた。
先程の呟きは私の空耳かもしれなかったし、彼があんなこと言ったという根拠もない。
でも、本当のことが知りたかった。
……ただ、それだけだった。
「単刀直入に言うと」
彼はそこで軽く深呼吸をし
「俺は、長門のことが好きだ」
「………」
私の思考回路がフリーズした。
私は…、いえ、私も彼が好きだった。
そんな事は自分が一番よく分かっていた。でも、彼は涼宮ハルヒを結ばれる運命……。
それなら、今だけでも。
せめてこの瞬間だけでも。
彼と一緒にいたい
「…私も、あなたのことが好き」
この言葉もだすのに精一杯だった。
「じゃあ、付き合ってくれるか?」
「……私としても」
それから、私たちは普通のデートというものを彼から教えてもらい。
それを十分に楽しんだ。
……ちなみに、携帯の待ちうけは彼の笑顔の写真だった。
今度、私の写真を送っておこうかな。
皆は私の笑顔が分からないけど、彼は、彼だけは。
私の表情を読み取ってくれるから。
彼だけに見せても、いいよね。

 
 
 

そして、次の不思議探索の日は、彼は私に続いて一番で。
私の服装が、制服ではなかったことは
また次の話で……。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:35 (2708d)