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作者 | Carzee |
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作品名 | 長門有希のお見舞い |
カテゴリー | 長門SS(一般) |
保管日 | 2009-07-21 (火) 17:38:51 |
キョン | 登場 |
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キョンの妹 | 登場 |
ハルヒ | 不登場 |
みくる | 不登場 |
古泉一樹 | 不登場 |
鶴屋さん | 不登場 |
朝倉涼子 | 不登場 |
喜緑江美里 | 不登場 |
周防九曜 | 不登場 |
思念体 | 不登場 |
天蓋領域 | 不登場 |
阪中 | 不登場 |
谷口 | 不登場 |
ミヨキチ | 不登場 |
佐々木 | 不登場 |
橘京子 | 不登場 |
夏休み真っ只中のある日。
珍しく、ハルヒが団活動を休みにしたその日、俺は暑さによる夏バテからか、はたまた日頃のハルヒのご機嫌取りによる疲れとストレスからか、夏風邪をこじらせて寝込んでしまっていた。
愛くるしい妹は、クーラーを効かせながら自室のベッドで寝ている俺に大袈裟に看病してくる。
「はい、キョンくん、あ〜んして」
そう言って、火傷しそうなくらい熱い粥をフーフーと冷ましもせずに俺の口に入れようとする。風邪とやたら熱い粥のせいで、体中が暑い(口内は熱い)と悲鳴をあげているのがわかる。
妹による口内擬似マグマ地獄が過ぎ去った後、俺は薬を飲み、真の休息をとっていた。
心地よい眠りに入って1時間ほど経つと、またもや我が愛しの妹がノックもせずに部屋に入ってきた。
何だ、せっかくの安らかな眠りを邪魔しないでくれ。
「ごめーんね。でもキョンくんにお客さんだよ。お見舞いだって。」
誰だ、風邪引いたことは誰にも言ってないが…
「有希ちゃん、どうぞー」
なにっ、長門が来たのか…
「じゃ、ごゆっくりー」
妹は長門を俺の部屋まで案内した後、そそくさと退室していった。
俺にしかわからない表情の変化だが、長門の表情は心配そうなものだった。
二人きりになると、長門は口を開いた。
「…大丈夫?」
ああ、薬も飲んだしな。まだ少しボーッとするが…それにしても、どうして俺が風邪で寝込んでる事を知ってるんだ?
「最近、涼宮ハルヒはあなたを普段以上に働かせていた。激しい疲れとストレスが限界まで溜まっていることは容易に推測できた。いつ倒れてもおかしくはない状態だった。そして、今日は団活動が無い日。一気にその疲れが噴き出すだろうと私は予想した。」
だからわざわざ俺の家までお見舞いに来てくれたのか。ありがとよ、長門。
「…別にいい。私がもっと注意していれば防ぐことはできた。私にも責任がある。」
いやいや、ハルヒの命令とはいえ、実際に動いたのは俺だ。自業自得ってやつだよ。
「しかし、このままでは明日の団活動に支障をきたす。あなたが欠席することを涼宮ハルヒは許さない。あなたは今日中に風邪を完全に治さなければならない。」
うーん、でもなぁ…まだボーッとしてるのもあるが、体中がひどくだるい感じもするんだ。明日までに治るかどうか…
「私が看病する。確実にあなたを完全回復させる。」
え……な、長門が、か、看病する!?俺を!?
「あなたの部屋に一晩泊まりながら看病する。明日までに完全に治すにはそれしかない。」
と、泊まる!?つきっきりで看病するって事か?
「そう」
俺は激しく葛藤した。
と、とと、泊まるって…つーか、まず布団とかねーし…
いやいや、問題はそこじゃねぇ。
長門がつきっきり?俺の汗を拭いたり?着替えを手伝ったり?食事を食べさせてくれたり?
……いや、嬉しいよ?このまま天に召されてもいいくらい嬉しいけども…
………いいのか?
「いい」
俺の親もいるんだが…
「あなたの親は私がここに泊まる事を許さないことはない。むしろ歓迎する」
……性格からしたらそうかもな。小躍りするほどかもしれん。
「どうする?」
………わかった、看病を頼むよ、長門。
「わかった」
妹に長門が看病する旨を親に伝えてもらうと、長門の言う通り、呆気なく許可が下りた。
こうして一晩中、長門による看病を受けた俺は、普段以上に健康といえるほどに回復したのだった。
看病の内容が気になる?
えーっと、それは…………
禁則事項ということで。