作品

概要

作者y john
作品名本当の幸せ
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2009-02-20 (金) 22:47:19

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

下半身不随の人がリハビリに挑む。とかいう昨日のテレビ番組をおもいだしながら、強制ハイキングコースを登校中。
学校に着けば、授業は睡眠学習でやりとおした。放課後、もはやどんなに俺の脳が拒否しても体が勝手に文芸部室に向かっている。
いつもと変わらぬように、ドアをノック。
「・・・」
この3点リーダーは、長門しかいないことをあらわす。
ドアを開けて中に入ると、少しだけ困惑した表情をした長門がいた。(俺にしかわからない程度だが)
「涼宮ハルヒのことで話がある」
直感で捕らえた。間違えない、俺が巻き添えを食らう。
「今日、貴方は涼宮ハルヒの作り出した、閉鎖空間の中に送られる」
へ?・・・長門さん?俺はまたあの灰色空間に送り込まれるのですか?
「・・・そう」
Why? 何故?何でまた俺があの灰色空間に行かなきゃ行けないんだよ。
古泉によれば、最近ハルヒの機嫌が落ち着いているとか言っていたぞ。ニヤケ顔で
「・・・」
・・・
「まだ、情報統合思念体も意図をつかめていない。ただ、1つだけ言えることは、今回もまた世界を改変する可能性があること。」
また、世界は貴方にかかっていますパターンか、安くなったな世界。ああもう何度目だ?
「やれやれだ」
おそらく今日の夜だろう。覚悟を決めるか。
それにしても、長門はなぜ俺にそんなことを伝えたのだろうか。それもまるで自分が作るかのように詳しく。

 

目を覚ますと、やはり灰色の空間が広がっていた。
とりあえず、部室に行きお茶を飲んで一息つくとするか。まったくこの状況でも冷静でいられるほど、俺も非常識な世界になれちまったもんだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

誰も現れない。何も起こらない。

どうやらあの後俺は寝てしまったらしい、目を覚ます。

 

どうにもいつものものとは勝手が違うらしい。
だからといって一般人である俺に何ができるわけでもない。
あせらずに待つとしよう。

 

・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

かれこれ3日は、経ったのではないだろうか。
人は、70時間人間と接触しないと、精神がおかしくなる。昔佐々木から聞いた話だ。
幸い尋常ではない毎日を送ってきたおかげかまだ精神は生きている。

 

あのときのようにこれはすでに改変された世界なのではないだろうか。
ハルヒが北校にいないあの世界。

 

やばい、思考がおかしくなってきている。そろそろ俺もやばいのかもしれん。

もう誰でもいい!!誰か出てきてくれ、谷口でもいい、この際なら朝倉でも歓迎だ!
思考に収まりがつかなくなる。誰か来てくれ。
くそ、これほどに人と会えないことが辛いとは。

 

ガチャン

 

ドアが開いた。

 

そこには、谷口がWAWAWAといいながら入ってくることもなく、はたまた朝倉がナイフを持ちながら微笑んでいることもなかった。

 

そこにいたのは、本当の文芸部員。本がとてもよく似合う、無口なインターフェイス。

 

「長門っ!?」

 

おどろいた
長門が俺でなくてもわかるぐらいに悲しんだ顔をしている。
この後聞いた話で、何故俺がここに放り込まれたのか、誰がやったのかをすべて知ることになった。

 

俺はどうやら、この空間に閉じ込められた日、ハルヒのいたずらによって交通事故に遭い下半身不随になったそうだ。

 

それは、その日の帰り道の話らしいのでどうやら俺は部室を出た瞬間に閉鎖空間に閉じ込められたらしい。

 

今は、現実世界の時間を凍結している状態ということだ。
それで俺にこんな選択肢を設けてきた。

 

「貴方の高校入学時から現在までの記憶を消してこの世界にとどまるか、現実世界に戻るか。選択肢は貴方にある。私という個体は貴方にこの世界にとどまっていて欲しいと思う。」
「ちょっとまて、俺の記憶を消してこの世界にとどまらせるというのはわかった。じゃあ元の世界はどうなるんだ?俺がいなくなるって言うことだよなあ。」
「元の世界は、消滅する。」
「!!」
なにいってんだ、といおうとして俺の口は止まった。長門が・・・泣いている。
「すべて・・・私の責任」
今にも消えてしまいそうな声だ
「このような事態になることは、予測できていた。でも、とめることができなかった。」
「なぜだ?」
「情報統合思念体からのブロック」

 

以前も思ったが情報統合思念体は長門をなんだと思ってるんだ?感情のない有機物ロボットだとでも思ってるのか?

 

「貴方には選択権がある・・・」
くそ、長門を泣かせたのは誰だ。俺か?
「大丈夫だ」
そう呟いて長門を抱きしめた。
「俺は、現実世界に戻るさ」
長門が肩を震わせた。
「・・・なぜ?」
もはやほとんど声になっていない。
「俺は、この1年間の記憶を失いたくない。それにあいつらにもお前にも失って欲しくはない。
俺はすでに以前に、元の世界を選んでいるんだ。理由は聞くまでもないだろ?」
「・・・現実世界に戻れば、貴方は一生歩けなくなる。それでも?」
「ああ」
それが俺の運命なんだろう、しょうがない。ここでこっちの世界を選んだところで俺はすぐに戻りたくなるに決まってる。
「俺はSOS団の団員その1だからな」

 

どうやらあと1時間この世界にとどまれるらしい。
俺が歩けるのも後1時間だ。
歩いたり、走ったり。長門を抱きかかえたり(?)おんぶしたり(??)
最後の二つは長門からの願いだ、俺からやったわけではない。あしからず。

 

そして、最後の時間。
「私からの最後の願い」
そういって、長門は俺にキスをしてきた。

 
 

「う・・・ぅ・・」
目を覚ませばそこは、以前入院していた病院のベッド。また古泉の関連の病院らしい。お世話になるな。

 

意識が覚醒してきたころ俺は信じられない光景を見ることになった。
やれやれ、俺はここ数日間で何回寿命縮めれば気が済むのか

 

ハルヒとハルヒのご両親、長門、古泉が俺のベッドの前で土下座している。
ちなみに朝比奈さんは、横の椅子で気絶していらっしゃる。
どうやら俺の意識が回復したのを知らないらしいが、さすがに気まずい。
「あの〜どうされました?」

 

「キョン!」
「・・・」
「キョン君」
「俺の本名」

 

口々に俺の名前を呼んだ。
その後少し間があってハルヒの親父さんが
「すべてこの馬鹿娘のせいです。本当に申し訳ない・・・でも君がこいつにできた最初の友達だったんだ。許してやって欲しい。お願いします。」
涙ながらにそんなことをいってきた。

 

当のハルヒは、もう口もきけないくらいに泣いていた。

 

・・・下手したら長門が泣いたときより驚いたかもしれん。
古泉まで泣いていやがる。
そのせいで俺の一言目は
「古泉、お前泣き顔似合わないな」
なんつー馬鹿みたいなこと言ったもんだ。
しかしまあそういわれた瞬間いつものニヤケスマイルに戻るお前もすごいがな。どういうトレーニングをしてるんだか。
おっと、こんなこと考えてる場合じゃなかったな俺には言わなければいけないことがある。

 

「誰も責任を感じる必要なんてない。ハルヒも長門も古泉も。これが俺の運命なんだ。俺はこの世界で、お前らと一緒にいられるだけで幸せだ。これは俺からの願いだ、俺はSOS団のメンバーとずっと一緒に生きていられたら幸せだ。」

 

ハルヒは「ありがとう・・・キョン」そういうと急に笑顔になって「SOS団は永久に不滅です!!」とか叫び始めた。
うん、ハルヒはこれくらいでないとな、やっぱり。
ハルヒの両親も頭がめり込むのではないかと思うほどの土下座をしている
その後、ハルヒの両親も帰り皆も帰るかというところで長門がとんでもないことをしてきた。

 

「私は、貴方のもの。今度は命をかけてでも守る」
これで2回目となる長門とのキス。そして俺にハッキリと微笑んだ。

 

ああ、傍目に古泉の蒼白した顔とハルヒの真っ赤になった顔が見える。
古泉・・・すまん。頑張ってくれ。
携帯の音で我を取り戻した古泉が慌てて病室から出て行った。
長門もすたすたと病室から出て行った。
ハルヒは、めちゃくちゃ動揺しながら「ま、また明日来るからね!」といって出て行った。
家族は明日来るとかいってたっけな。

 

皆がいなくなり、確認してみる。やはり下半身は動かない。どんなに力を入れたつもりでも、動かない。
これが、俺の出した答えだ。誰になんと言われようとも俺は満足している。

 

「俺はSOS団の団員その1だからな」

 

〜了〜

 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:23 (2704d)