作品

概要

作者ながといっく
作品名長門さんと月刊Newtype
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2009-02-20 (金) 01:11:56

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

 いつもの学校、いつもの放課後の文芸部室。
 ハルヒが何やら面倒なことを言い出すこともなく、
 古泉の野郎とチェスなんぞをやっているいつもの光景。
 の、はずだったのだが。

 

「……」
 どうも長門の様子がおかしい。
 いつもの無表情であることに変わりはないのだが、心なしか元気がないように感じる。
「どうした長門?具合でも悪いのか」
 気になって声をかけると、長門は無言で読んでいた本を俺に差しだした。長門にしては珍しく薄い本だな…っていうかこれは雑誌か。
「月刊Newtype。角川書店発行のアニメ雑誌」
「俺達の情報もたまに載ってるやつか。長門もそういう雑誌読むんだな。で、それがどうかしたのか?」
「ここ、読んで」
 長門が開いてよこしたページにはこのような記事が書いてあった。

 

【「涼宮ハルヒの憂鬱」初のキャラクターブック「超月刊ハルヒ」「超月刊みくる」4月10日発売】

 

 キャラクターブック…か。嫌な予感が全身を駆け巡る。キャラソンの時は痛い目を見たからな。まさかこのキャラクターブックが俺まで回ってくることはないとは思うが。
 で、なんでこの記事で長門が落ち込んでいたのかって?
 さすがにそれくらいは俺にもわかるぞ。
「自分のキャラクターブックについて何も書いてないのが残念だったのか?」
 長門は少し悩むように沈黙した後、
「……わたしは涼宮ハルヒや朝比奈みくると比較して女性的魅力に乏しい。だから人気がないのは当然」
 いつものように俺の目を見るのではなく、床を見つめながらそう呟いた。

 

 不謹慎かもしれないが、俺は少し嬉しかった。
 出会った頃は微細な感情すら読み取れなかった長門。
 それが今ではこんな些細なことで落ち込むようになったんだからな。
 長門が他人の評価を気にするようになった。やっぱりこいつも変わっているんだ。

 

 それにしても長門よ、お前は自分がどれだけ人気があるのか知らないんだな。
 登場人物の人気投票なんかをやれば大体お前がトップだし、グッズの数だって二人に負けてなんかないぞ。
 この間発売されたダンスゲームの特典なんて、お前とハルヒだけだったじゃないか。
 朝比奈さん、怒りのあまりに中の人の素が出そうになって大変だったんだぞ。それにその記事が載ってるNewtypeの表紙だって長門、お前じゃないか。
 Newtypeの表紙なんてのは主役級のキャラしか載れない場所で、そこに載ることは凄いことなんだぞ。
 実際に、俺達の中で載ったことがあるのはハルヒとお前だけだろう。俺なんて一応主人公なのにお声がかかりそうにもない。

 

 そのようなことをかいつまんで説明してやる。
 しかし長門は俯いたまま、
「でも、わたしの本は出ない…」
 消え入りそうな声で呟いた。
 参ったな…しかしなんでここまで気にするんだ――

 ――そうか、本だから、か。
 言うまでもなく読書は長門の専門分野だ。
 自分の好きな分野なのに自分は出ない。それが悔しいのかもしれないな。
「DVDの特別版覚えてるか?あの時は敢えて長門を最後にしただろ?
 あのときみたいに最後のお楽しみにするんじゃないのか?」
「では、わたしの本も出る?」
 ようやく視線を床から俺の方へと向ける長門。
 揺れる水面のような瞳が俺を見つめる。
「もちろんだ。出ないわけないだろ?」
「……そう」
 長門の瞳に暖かみが戻ったように感じる。よし、あと一息だ。
「ほら、もしかしたら長門だけ週刊や日刊なのかもしれないぞ?長門なら毎日見たって飽きないしな!」

 

「ふーん。有希は毎日見ても飽きないんだ。ゆ・き・は」

 
 

 さて、今日は厄日に決定。
 なんたって神様に目をつけられてしまったのだから、厄日に決まっている。
 でも、嬉しそうな長門の顔を見れたんだから、多少の不運じゃお釣りがくるくらいかもしれないな。
 などと思いながら、ハルヒにネクタイを掴まれた俺の意識はどこかへ飛んでいった。

 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:22 (1805d)