作品

概要

作者ながといっく
作品名長門さんの一人娘
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2009-02-20 (金) 01:08:23

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

「キョン、あんたって世界一幸運な男かもしれないわね。有希みたいな可愛いコに、こんな立派なマンションまで付いてくるなんて。これぞ逆玉ってやつかしら?」
 胡散臭いプレゼント商法の口上みたいなことを抜かしているのはハルヒ。
 相変わらずと言えば相変わらずなのだが、前と違っているのは涼宮という苗字でなくなったことだろう。
「全くですね。僕達のように住宅ローンの事で悩まなくていいのは羨ましいですよ」
「夫婦揃って高給取りの癖して何をいいやがる」
 20代になっても無料スマイルが売りの男、古泉一樹に俺はぼやく。

 

 そう、実は今、ハルヒと古泉は夫婦という仲になっている。
 どういういきさつでこうなったのかは省くが、これまた波乱万丈があったとだけ言っておこう。

 

「ところで有希は?」
「ああ、今晩の買いだしに行ってるよ。食っていくんだろ?」
 そして俺と言えば、長門――旧姓で今は俺の苗字だが――結婚して、夫婦ということになっている。
 こうなるまでにはハルヒと古泉の間に匹敵するほどの……ってもういいか。
 どうせ俺達の馴れ初め話になんぞ興味なかろう。

 

 ともかく俺達は高校卒業後も友人としての付き合いを続けてきた。
 そして、俺と有希の子供と、ハルヒと古泉の子供が同じ小学校に入学することになった。
 嬉しいことに子供たちも意気投合し、仲良くしてくれている。
 そんなこんなで俺達の2世代にわたる交流が行われることとなった。

 

 で、俺達が茶の間でお茶なんか飲んで雑談をしている間、子どもたちは和室で宿題というわけだ。
 3人の子供たちがわいわい言いながら宿題をしている。果たしてはかどってるのかね?
「ハルキくんだっけ?お前とハルヒから一文字ずつ取ったんだよな?」
「ええ、そうです。僕は恥ずかしいから辞めてほしかったんですけどね」
 罰が悪そうに苦笑いする古泉。
「何言ってんのよ。あたしと一樹のいいとこ取りなら完璧な子に育つわよ」
 そりゃまぁ、お前も古泉も優秀だからな……顔も頭も。

 

 実はハルヒたちの子供は双子である。珍しいもの好きのハルヒはいたく喜んでいた。
『そもそもぶんすうというのはですね、こだいエジプト時代から…』
 やや大げさなジェスチャーつきで女の子二人に解説しているのがハルキくん。
 常にニコニコしているところといい、理屈っぽいところといい、まるで古泉を小さくしたような奴だ。
 腹立たしいほどに整った顔立ちまで古泉そっくりである。

 

「で、こっちがお姉ちゃんのミハルちゃんか。朝比奈さんから一文字もらったんだっけ?」
「そうよ。みくるちゃんみたく可愛い子になるように、ってね」
 まぁそこら辺は心配する必要はないだろう。
 ハルヒと古泉の子供ならどっちに似ても美形に違いない。

 

『いちいちうるさいのよこのバカはるき!だいたいあんたいっつも口だけでゆうきにテストでかったことないじゃないの!』
 ぷんぷん怒りながらハルキくんを怒鳴りつけるミハルちゃん。
 ……どことなく高校時代の誰かさんみたいだな。
「ハルヒよ、外見はともかく性格は朝比奈さんになりそうもないぞ……」
「たしかにちょっとおてんばよね。ホント、誰に似たのかしら」
 お前だよ、お前。
 第一、外見も朝比奈さんというよりはハルヒよりな気がする。
 頼むから若き日のハルヒみたいなひねくれものにはならないでもらいたい。頼むぞ、古泉。

 

『おとうさん、おなかすいた』
 おお、優希か。もうちょっと待ってろ。もうすぐお母さんが帰ってくるからな。
『まってる』
 そう言うと優希はトコトコと和室の方へと戻っていった。

 

 言わずもがな、優希は俺と有希の娘だ。
 有希に似て物静かでおしとやかに育っている。パパは嬉しいぞ。
 でもそのうち「パパとお風呂入りたくない!」とか「洗濯物は別にして!」とか言われるんだろうか。
 そうなったら生きていく自信がないぞ、俺。有希に泣きつくかも知れんな、うん。

 

「優希ちゃんは本当に長門さ…失礼、有希さんにそっくりですね」
「ホント、有希の生き写しみたいだわ。……あんたに似なくてよかったわね」
 悪かったな。だがまぁ、有希に似てくれてよかったと思うのは俺も同じだ。
「でも、目だけはキョンの目ね」
「そうか?俺にはよくわからんが…」
 そういえば、有希も同じようなことを言っていたな。

 

「そういえば優希ちゃんの名前はどういう由来なの?」
 唐突にハルヒが言う。
 由来…か。もちろん知っているんだが、あまり言いたくないな。
「有希が考えた名前だから、それは有希に聞いてくれ」
「なによ。もったいぶらないで言いなさいよ」

 

 言えるかってんだ。

 

 ――俺は思い出す、まだ優希が有希のお腹の中にいたころ。

 

 有希の希望で、出産前に性別を調べることせず、男の子なら俺、女の子なら有希が命名すると決めていた。
 そしてめでたく女の子が生まれたのだが、有希はそれからひたすら悩んでいた。

 

 初めは、有希の二人の"ともだち"の名前から「涼」という字を使いたかったらしい。
 また、それと同時に「希望」の「希」という字も使いたがっていた。
 だが生憎、その二つを合わせるとどうも猟奇的な性格になりそうだということで、あえなくお蔵入り。

 

 悩みに悩んだ挙句、最後に有希が出した結論が「優希」だった。
 なぁ有希、なんでその名前に決めたんだ?

 
 
 

「あなたのように優しい人になってほしいから」

 
 
Special thanks
長門有希に萌えるスレ 163冊目 >>82
 


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Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:22 (1772d)