作品

概要

作者十六夜
作品名長門有希と栞 〜愛・覚えていますか〜
カテゴリー長門SS(一般)
保管日2009-01-13 (火) 23:07:45

登場キャラ

キョン登場
キョンの妹不登場
ハルヒ登場
みくる不登場
古泉一樹不登場
鶴屋さん不登場
朝倉涼子不登場
喜緑江美里不登場
周防九曜不登場
思念体不登場
天蓋領域不登場
阪中不登場
谷口不登場
ミヨキチ不登場
佐々木不登場
橘京子不登場

SS

 

『また図書館に』

 

 本からするりと落ちた栞には見覚えのある文章が書いてあった。

 
 
 

 正月が終わり幾数日。
 朝、この家では我が妹がサンタからプレゼントとしてもらったぬいぐるみを未だ、片手に大はしゃぎしている。妹の持つあの微笑ましい穢れ無き心は残念ながらこの俺はすでに消失しており、一つ現実を知った寂しい心持ちを感じている今日この頃であるが、プレゼント代わりに現金を我が家のサンタからもらったのと、正月恒例お年玉があったので懐は暖かい。俺は去年の部室にて開催された学校関係者非公認のクリスマスパーティーの余韻プラス、その後日、ハルヒの地元である子供会の集会にゲスト参加しトナカイ役をさせられた疲労感を心身ともに味わい、さらにはイベント盛り沢山でありすぎた冬季合宿によって追い討ちをかけられた事もあり、平日ではあるものの学生特権の冬休みである身ゆえまったりとした休日を過ごしていた。
 肉球のみビンタされたごとく、なんてことのない休日内容をご紹介すると、昨年、長門からクリスマスプレゼントとして頂いたタイムトラベル物SF小説をベッドにシャミセンと共に同じく横になりながら黙読していた。時を何度かかけたことがあり、今後にまだかける事があるかもしれない俺としては他人事でない話である。ちなみに先ほど、寝返りをうったシャミから前足のビンタをもらったが、肉球だけでなく爪が出た状態ではたかれたのは最近、食事の質を下げたせいだろうか?
 この本を読んでいる俺自身はつまらないわけではないが、見ている側からすればつまらないだろう情景が続く間、クリパでの長門からプレゼントを貰ったご様子をお届けしよう。

 
 

「あなたにはこれを進呈する」
 そう言って渡されたのは一冊の本であった。雪を顕微鏡でみたような模様のブックカバーがされてある。
「ありがとよ。ところでジャンルなんだ?」
「サイエンス・フィクション。……ユニーク。わたしも読んだが作者の着眼点に興味深いものがあった」
 ふーむ。SF物というと初めて長門に借りた本もそうだったな。あれは分厚い長編だったがその分、読み応えもあり実に中身も充実していた。将来の職種として司書が似合う長門自身が薦めるのだからハズレというのはまずあるまい。
「なるほどな。早速、今晩からでも読ませてもらうよ。……それじゃ、これはお返しだ」
 俺は長門の薄い肌色の頬に軽くキスを……なんてする関係ではないので、巷で有名なケーキ屋で購入したパウンドケーキを手渡した。
「大事にする」
 大事にしすぎて賞味期限が切れないうちに食べてくれよ。
「キョーン!! そろそろあんたの一発芸の時間よ。さあ、早くトナカイの格好になりなさいっ!」
 やれやれ、ついにこの時間が来てしまったか。自分でもつまらん芸になるとは思うが、審査のほうは角砂糖一つ分ぐらい甘くしてくれよ、涼宮ハルヒ団長さん。

 
 

 腹丸出しのだらしないシャミの寝息とこれまた同じく仰向け状態で読書をしている背景には、上記のようなプレゼント交換の一部始終があった。
 最後の蛇足であった審査は鷹の爪どころかハバネロさえも混ぜ込んだもので消火栓から直接の水を流しこまなければ耐えられん程のスコヴィル値だった。もちろんトラウマものだ。

 
 

 ページをめくる音だけであったこの部屋に俺の言葉が発せられたのは本も残り四分の一に差し掛かった頃、一枚の栞が本から滑り落ちたときであった。
「……栞か」
 栞というと上記にも登場したが長門に初めて借りた本に挟まっていて呼び出しの言付けが書かれていた物、そして長門があの世界からの脱出ヒントを示し残した物と色々感慨深い代物である。
ここで申し訳ないのだが話は冒頭のふりだしの一文にとなる。

 

『また図書館に』

 

 本からするりと落ちた栞には見覚えのある文章が書いてあった。

 

 これはいつぞやの閉鎖空間にて長門からメッセージではないか。なんでまた、この本に挟まれているのだろうか? 長門流の『お願い』ということ……なのだろうか。
 だとすると、俺が次にどうするかは規定事項であり、俺は携帯を手にとって電話をかけた。
相手? この流れでわからん奴は谷口と一緒に補習でも受けに行って来い。
「もしもし、長門。今日の昼からでも一緒に図書館に行かないか?」

 
 
 

 長門の「行く」との二つ返事で決定した図書館へと着いたのは午後一時過ぎ。
 俺は昼飯を済ませた後、長門のマンションまで自転車を走らせ迎えに行き、そこから二人並んで徒歩でここまできた。会話はとくになく、交わした言葉と言えば、

 

「長門。待たせたな」
「いい」
 のセットに首を横に振る動作。
「それじゃ、図書館に行こうか」
「いく」
 のセットに首を縦に振る動作。
 おっと。二つの動作は俺じゃなかったらわからん程度のもの、と付け加えておこう。
 
 ……ぐらいなものだったのだが、別に仲が悪いから会話がなかったというわけではない。これが普通なのであり、長門と一緒にいる無音に近い空間が俺にとっては妙に心地良いものなのだ。出会った当初は思いもしなかった事だがな。

 

 長門に『座るところを探してくるから、お前は先に読みたい本を確保してきていいぞ』と伝え、隣あって空いている窓際の椅子を見つけ出した俺は荷物を置いて席を確保し、長門を探し辺りをぐるっと見渡すと……二十冊ほど両手で抱えてコチラに向かって歩いていた。その一つ一つ分厚い本の積み重なりでご尊顔は拝見することができなかったが、こんな事をする奴は長門ぐらいだろうさ。
 その本たちの高さに圧倒されつつ顔の見えぬ長門に声をかけ、俺達二人は腰を落ち着けることにする。
 ヒジ掛けにそびえ立つ本を上から一冊目の本を取り、それのハードカバーを広げる前に長門は俺に声をかけてきた。
「あなたは本を持ってこなくていいの?」
「ああ、俺は家から一冊本を持ってきているからな。長門がこの前にくれた本が今、残り四分の一ぐらいのところなんだ。新しく本を読む前にこれを読み終えようと思って家から持ってきたんだ」
 俺がカバンから出したのは、ここに来ることになった長門からのメッセージが書かれた栞付きのブックカバーがついている午前中にも読んでいた本である。別に図書館で読むのはここにある本でなくても非常識ではないだろう。
「今日中には読み終わるだろうから、その時には感想でも聞いてくれないか?」
 長門検定1級の俺にも見逃しそうなほどであったがこの時、確かに長門は、

 

 薄く、だが、はっきりと微笑んだ。

 

 まだ記憶新しいハルヒが消失したあの世界で見た顔。違うのは眼鏡がある、ないだけ。
そう。
 何も力も持たない一人の少女であった長門有希を思わせるものだった。

 
 

 俺はあの後、素数を数えてどうにか平常心を取り戻し午前中の続きを読み続けたのだが、残り二十ページほどのところで眠気が襲来してきた。学校での授業中、窓際にいる俺は冬の優しい日光に包まれよく意識が桃源郷へと飛んでしまうが、それは後ろの席に常時君臨するハルヒによって現実へと引き戻されることになる儚いものだ。しかし、今。教室とは違う暖房の入った室内でさらに陽があたる窓際の席、ということで二重に暖かい空気に包まれた俺を邪魔するものはなく、本の物語もクライマックスへ向けての一段落と入った事もありこの天使の誘惑に身を委ねることにした。
「長門。すまないが三十分だけ寝させてもらうよ」
「了解した」
 すでに持ってきた本の山を半分消化した長門に了承をとり、本をめくる音をBGMに一眠りを始めた。

 

 ……この時、俺は夢を見た。
 長門のあの表情を見たせいであろう。
 眼鏡をかけた長門がいる世界で何の疑問を持たぬ俺が高校生活を送る、そんな夢だった。

 
 
 

 冬休みが近づき今年の学校生活もあと少しになった頃、この高校には風邪が蔓延していた。俺は今のところは問題ないがクラスにも欠席している奴が何人もいるし、委員長である朝倉も先日まで休んでいた。あの谷口までもここのところ調子を悪そうにしており、今年の流行は成績優秀者でもバカでもかかる風邪みたいなので俺も気をつけなくてはならん。ちなみに成績優秀者の例が朝倉、バカは言うまでもなく谷口である。俺がどちらかなのかはご想像にお任せする。
 朝倉と同じく成績優秀者であるあいつは大丈夫かな。
 昨日まではなんともないようだが、あの部屋には暖房器具がないのでいつ風邪をこじらせてもおかしくない環境だ。どこかの電気店がただでヒーターでもくれればよいのだが そんな非現実的なことないだろうし、やはり購入するしかないな。
 俺は足を進め、たどり着いたのは別館にある文芸部室である。掃除当番だったため今日は少し遅れた時間ではあるが、待ち人がいる部室へとノックを省略し扉を開いた。
「長門。待たせたな」
 パイプ椅子に座り長テーブルの片隅で本を読む眼鏡をかけた一人の文学少女、長門有希に俺は声をかけた。
「いい」
 長門からの目線を本からこちらに向けた一言を受け取り、俺はカバンをテーブルへと置き本棚から一冊の本を取りだすと、空いているパイプ椅子に腰を落ち着け栞をはさんだページを開く。
 十五分ほどお互いの黙読が続いたが、ここに来る間に浮かんだ懸案事項について長門に言っておこう。
「長門は風邪のほうは大丈夫か? 朝倉は復帰したようだが、俺のクラスはまだけっこう休んでいる奴が多いぞ」
「今はまだ大丈夫。あなたは?」
 本を手元に置いた長門。どうやらしばらく雑談に付き合ってくれるらしい。
「俺も大丈夫だ。……そこでなんだが、お互い風邪にかかる前にこの部屋にヒーターかなにか暖房器具を置かないか? このまま冬を越すには無謀でもないにしろ、あったほうがいいと思うのだが」
「わたしはかまわない。けどお金のほうは?」
「それなら心配後無用だ。ここに来るようになって、谷口らと買い食いをしなくなったから金銭面には余裕があるんだ。小さいヒーターなら二千円もあれば買えるだろ。決まりなら早いほうがいいだろうから、今から買ってくるとしよう。商店街なら日が暮れるまでには帰ってこれるしな」
 俺は本をテーブルへと置き立ち上がり、カバンから野口英世さんが二枚入った財布をポケットへ突っ込み扉へと向けて歩もうとする所で、長門が俺の袖を掴んでいるのに気がついた。
「わたしも行く」

 
 

 そんなわけで二人そろって商店街へ向けて出発した。電車を使いゴールまでの行く道のりで大した会話はなく、電気店に着き一番安い電気ヒーターでも二千円では足らず長門に千円補助してもらうという情けない所を披露し、その気まずさから学校への帰り道にも俺はほぼ無言のままであったので、詳細は編集カットさせてもらう。
 スムーズには事は進まなかったが、こうして我らの文芸部室に記念すべき暖房器具が設置された。
下校時刻までは後三十分ほどあるので、ここでちょっと休憩して帰ることにし、早速、コンセントを差しスイッチオン。うむ。暖かい。
「これで冬は安心してこせるな」
「……」
 コクリと頷く長門の顔はさっきまで寒空の下にいたせいか顔が赤み帯びていた。
二人並んで小さいヒーターの前にいたので、俺の顔が接近していたことに気づいた時にはもっと赤くなってしまった。湯気でも出そうな状態である。
 ……鏡がないとなんとも言えないが、それは俺にも当てはまるのだろう。

 
 

 お互いの顔の赤みが薄れてきた頃、珍しく長門から声をかけてきた。
「……あ、あなたに、その、……お、お、お願いがある」
 いつもよりさらに控えめの小さな声でたどたどしく、視線は分厚い書物に向けられたままの何やら緊張した様子のである。
「なんだ? もしかしてヒーターの代金の件か? あれはすまなかった。また明日にでも」
「それではない。……三日後。あ、あ、あなたと……一緒に、と、図書館……に行きたい。すでに……予定があるなら……そちらを優先してほしい。本当に……できればでいい」
 さっきの赤味よりもうワンランク、ツーランクほど上がった真っ赤な顔になっているぞ、長門。目の焦点もぐるぐる回っているし、大丈夫なのか?
 ところで今日から三日後というと、今日が確か二十一日だから二十四日か。
 …………。
 って、おいおい。十二月の二十四日といえばクリスマスイブ……。
「…………無理?」
 無理も何もこれまでその日に予定なぞ入った記憶がない。そしてこの長門のお誘いに断る理由もない。予定があったとしても全てキャンセル届けを速達で送るさ。
「いや、予定などない。あるわけがない。……でもいいのか? えーっと、クリスマスイブ……だよな。そんな日にこの俺と一緒に図書館に行くなんて」
 オーバーヒートを通りこしてメルトダウンしそうな長門は一世一代の冒険を終えたような大きく一息をつき、眼鏡を整えこの会話で始めて俺のほうへと向く。その表情は……可愛いく、この世の全ての幸せを内包しているかのようなものだった。
 その長門と目と目が会い、手と手が触れあい、そして返答してくれた。

 

「あなたさえ……よかったら。また図書館に」

 
 
 

 ここで俺の夢は終わった。
 目が覚めた俺の肩には眼鏡をかけていない長門の頭がわずかな重みを感じさせながらスースーと寝息を立てていた。
 俺がこちらも愛らしい表情をしている長門を起こそうかどうか悩みぬいていたところ、パチリと長門のまぶたが開いた。俺の肩にあった重みもそれによってなくなり、正直、名残惜しい。
「うかつ。相当量の時間が経過してしまった」
 携帯で今の時刻を確認してみると、俺が眠りについた時間から逆算すると二時間ほど経過していた。どうやらうたた寝どころか、熟睡してしまったようだ。
 この後、俺たちは一時間ほどして図書館を出た。
 起きてから時間でも長門から貰った本は最後まで読みつくし、帰り道に感想を話していた。
 と、ここまでは良かったのだが、この本で出てきたタイムトラベルに関する時間移動の概念やら仕組みなどに差し掛かると到底辞書無しでは理解できない事を次から次へと話す長門さんである。中身は非常におもしろいことであるのは間違いないのだが、如何せん、俺の知識量ではとても追いつかない。
 俺は長門にその単語はどういう事かという質問を何度も繰り返し、ようやく頭の中で掴みかけてきた頃には長門のマンション近くの光陽園駅前公園に入っていた。
 俺達はコンビニでカレーまんと暖かいカフェオレを手に持ち公園のベンチに腰をかけた。
 そこは偶然かわからないが、
『午後七時。光陽園駅前公園にて待つ』
 と書かれた栞を俺が発見するまで待っていた長門が座っていたベンチでもあった。
 中学校に提出するような読書感想文レベルの批評と、専門雑誌に投稿できる大学院論文レベルの批評も終わり、さて今日のところは解散しようかと口に出そうとした所、長門が先手を取った。
 しかし、それは俺が思ってもいなかった内容であった。

 

「あなたはなぜ、今日、わたしを図書館に連れていってくれたの?」

 

「なぜ……、って迷惑だったか?」
「迷惑ではない。むしろ、それはわたしにとっては望ましいこと。聞きたいのはそのきっかけ」
「きっかけ……と言われても、長門がクリスマスプレゼントにくれた本に挟まっていた栞に『また図書館に』って書かれてあったからなのだが……。あー、すまん。もしかして気づくのが遅かったか」
 俺がこの栞に気がついたのはこの本を貰ってから十日ほど経っていた。長門にしてみたら、すぐにでも行きたかったのだろう。これは申し訳ないことをしてしまった。
 俺は本に挟んでおいた『また図書館に』と書かれた栞を長門へと渡すと、手に取った長門はそれをためつすがめつし、俺を見つめた。
 そしてまたもや、長門は俺が思いもしないことを口に出した。

 

「わたしはこの栞を知らない。無論、書かれた文字に関しても知らない」

 

 この時の俺は豆鉄砲を食らった顔をしていただろう。
「そんなわけないだろう。このワープロで打ったような明朝体の筆記はお前じゃないか。俺はてっきりそれは長門からのお願いだと思ってその栞に気づいた今日、お前を誘ったのだが違うのか? それじゃあ、その栞の持ち主は一体誰なんだ?」
 長門はその出身地不明の栞をスキャンするごとく見つめ一つの回答を出したが、それは俺にとって酷く心に突き刺さるものだった。

 

「判明した。これはわたしが情報改変した世界に存在した『わたし』の物」

 

「つまり、ハルヒと古泉が北高からいなくなった世界。朝比奈さんと鶴屋さんが俺を知らない世界。あのなんの力を持たない眼鏡をかけたままの長門の……」

 

 なんて事だ。

 

「そう。あなたは先日、再び過去へと飛んだとき見たとは思うが、わたしは過去の自分と二人で世界改変をリセットした。が、しかしそれは完全ではなかったらしい。……こうして『栞』という形でだがあの世界の物が残存しているのが証拠」

 

 長門から手渡された栞を眺め、俺は最早、ただ呆然とするしかなく長門の説明に耳を傾けていた。

 

「世界改変することによって創り出された『わたし』。時間の流れからしてみればすぐにリセットしたため極短いものだったが、わたしによって一年だけの創られた歴史は確かに存在していた。その中で『わたし』が取った歴史の一つがその栞に思いを込めて文字を書き、その本にはさんだ。あなたに渡した本は先月の十五日に買ったので、改変世界での『わたし』もその時に買ったようにわたしは創ったのだろう。世界の情報改変を行っていた時の記憶は定かではないが、その可能性が高い」

 

「…………長門。お前はあの世界の長門の願いが叶えられたと思うか? そして俺は……あの脱出プログラムを起動させたのは正しい事だったのか?」

 

 午後、図書館にて見た夢に出てきた長門の顔がフラッシュバックで甦ると共に栞にはポタポタと滴が垂れてきている。

 

「それはわたしにもわからない。ただ一つ言える事は、あなたが脱出プログラムを起動させたから今のわたしはいる、という事。あなたがエンターキーを押さなければ今こうしているわたしは存在しない」

 

「そう……だよな。でもな、長門。……俺はあの世界の長門にもう少し何か……してやれたら良かったと……思うんだ」

 

 夢の最後に見たあの長門の表情。
 せめて夢でなかったあの世界でさせてやりたかった。

 
 
 

 手からするりと落ちた栞にはここにいる男の涙で滲んでいるがこう書かれている。

 

『また図書館に』

 
 

…終わり

 
 


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2012-06-17 (日) 03:01:16 (3084d)